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THE 東京仕事人

林業編2018/04/05 UP

多摩産材のすばらしさを子どもたちに伝えたい 佐藤眞富さん

人生最後の仕事に多摩産材を選んだ訳

Profile:一般社団法人多摩産材活用あきがわ木工連 代表理事

佐藤眞富さん

「僕がデザイン・製作する家具や什器、床材などの半分以上は幼稚園や保育園に納品しています。多摩産材を使って製品を作る仕事を始めた理由は、子どもたちに多摩産材のすばらしさを伝えるため、木の温もりや香りを感じてもらうためだったから、手を抜くことはできません。子どもが触れるものには人工乾燥された木材を使わないのもその一つ。人工乾燥された木からは木材本来の香りがあまり感じられない。そしたら子どもを癒やせないでしょ」と、一般社団法人多摩産材活用あきがわ木工連代表理事の佐藤眞富さんはやわらかな口調で語ります。佐藤さんは照明機器のデザイン、美濃和紙のプロデュースなどの仕事を経て4年前に地元・あきるの市に仕事の拠点を移しました。彼は65歳にして自分の最後の仕事として、子どもたちに木のすばらしさを伝え、東京の林業を再生させることを目標としたのです。

ベテランじゃなきゃできない仕事がある

「人生最後の仕事として地元に貢献したいなって思ったんです」と言って佐藤さんは微笑みました。佐藤さんは地元の家具や什器職人、建具店を訪ね歩いて、多摩産材の無垢材で本当にすばらしいものを作ろうじゃないかと声をかけたのです。賛同した人々で結成したあきがわ木工連には、現在10軒ほどの木工店などが参加しています。職人さんたちの平均年齢はなんと70歳。「合板ばかりを扱っている若い職人には、反ってしまったりする無垢材は扱えませんよ。僕たちが目指しているものはベテランじゃなきゃ作れない。しかし若い職人に技術を伝えることもしていかないとね。」そう話す佐藤さんも今年70歳となりました。

最終目標は東京の森林を再生させること

防虫処理をしないため使用するのは、虫の少ない11~3月に伐採された木材と決めています。多摩産材認証協議会が認証している多摩産材でも、そのすべてが使える訳ではありません。あくまで子どもが触れるものを作るなら、使用できるのは伐採された1~2割程度といいます。伐採後は葉枯らしといって森林で倒したまま約1カ月乾燥させ、その後、山林の中で半年、製材所で半年かけて乾燥させます。こうしてやっと製品を作る木材となるのです。仕事にプライドを持ったベテランたちは少しの妥協も許しません。「無垢材の家具や床には何ともいえない温もりがあります。僕も自信を持って子どもたちに、木の匂いをかいでごらんと言えるんですよ。」佐藤さんは最近、リノベーションした古民家に事務所を移転しました。子どもたちを対象とした木育事業も拡大させるつもりだと言います。70歳にしてそのエネルギーには驚かされるばかりです。彼の熱い情熱に触れながら「この人は東京の林業再生を本気で実現させようとしているのだ」と感じました。

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一般社団法人多摩産材活用あきがわ木工連
(いっぱんしゃだんほうじんたまさんざいかつようあきがわもっこうれん)

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