火山が育む自然と文化 三宅島ネイチャーツアー|農林水産体験レポート|特集|とうきょうの恵みTOKYO GROWN

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農林水産体験レポート

2017/10/06 UP

火山が育む自然と文化 三宅島ネイチャーツアー

火山が生み出す独特の景観

日本で最も活発に活動する火山の一つ、雄山を有する三宅島。全島避難に至った2000年の噴火から17年、生き物たちは刻々とよみがえりつつあります。新陳代謝の目覚ましい島の今を知りたいと、三宅島ネイチャーツアー mahanaのガイドウォークに参加してみました。案内してくれたのは、ドルフィンスイムガイドとして訪れた三宅島に惚れ込んで移住した、菊地ひとみさん。まずは散策しながら火山を学べる「火山体験遊歩道」です。昭和58年(1983)の噴火で溶岩が流れ込んだ旧阿古小中学校の周りに冷え固まった黒い溶岩の塊が隆々と盛り上がり、火山の力をひしひしと感じます。けれど、そこにも点々と緑の姿が。「ハチジョウイタドリやオオバヤシャブシなどです。パイオニア植物といって、裸地にまず根付く植物たちなんですよ」と菊地さん。次いで訪れたのは、新澪池跡と新鼻新山(写真)です。山の斜面に広がる巨大な窪地が新澪池跡。かつては七色に変化する美しい池でしたが、昭和58年(1983)の噴火で水蒸気爆発が起き、干上がってしまったそうです。そこから今度は海辺に2分ほど歩くと、まるで別の惑星のような荒涼とした風景が広がっていました。波打ち際に屹立(きつりつ)する赤い断崖が新鼻新山。同じく昭和58年(1983)の噴火で噴出した大量の溶岩や火山灰でできたスコリア丘です。「新澪池はたった数日間で干上がり、新鼻新山は一晩でできたそうです。すごいエネルギーですよね。」

火の山と島の信仰

次に案内されたのは、椎取神社です。2000年の噴火で埋もれ、鳥居の頭だけが地面から顔を出しています。「社は地元の努力で再建されました。そしてぜひ見ていただきたいのがこちらなんです。」うっそうと茂る照葉樹林を菊地さんの後について進むと、なんと森の奥には巨大な磐座(写真)が鎮まっていました。あたりは神秘的な雰囲気で満たされています。「大祭のときには、ガクアジサイの葉にお米を盛ってお供えします。三宅島の噴火ではあまり人の被害がないんです。畏怖と感謝の念で、島には神社がたくさんあるのかもしれませんね。」

©三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館

生き物のつながりでよみがえる自然

三宅島は別名バードアイランド。野鳥の生息密度が高く、しかも人との距離が近いのが特徴です。そんな三宅島の象徴が日本固有種のアカコッコ。2000年の噴火以来、激減していましたが、2016年には2009年の個体数に比べ1.8倍まで回復しました。避難していた人々が島に戻り、畑作などを復活させたことから、下草が少ない樹林を好むアカコッコにとってすみやすい環境が戻ったのも一因と考えられています。生き物のつながりの中で回復してゆく自然。その生き物の中に大地を耕す人間が含まれていることがほのぼのとうれしい、そんな三宅島のネイチャーツアーでした。

こちらで体験できます

三宅島ネイチャーツアー mahana
(みやけじま ねいちゃーつあー まはな)

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野鳥について学べるのはこちらです

三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
(みやけじましぜんふれあいせんたー あかこっこかん)

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