環境にやさしいペレットストーブを販売する 川尻哲也さん

ペレットは地球環境にやさしいエネルギー

ペレットストーブをご存知でしょうか。木材製材所での作業過程で生まれるおが屑、かんな屑などを固めた燃料がペレットで、そのペレットを燃料とするのがペレットストーブです。第2次オイルショック(1980年前後)以降、ペレットは石油の代替燃料として日本でも注目され、利用する人々が増えています。また、ペレットストーブは地球環境にやさしい暖房器具としても知られます。本来は廃棄してしまう材料をペレット原料として利用し、発生する二酸化炭素は燃料となる樹木の光合成によって再び吸収されるため地球温暖化防止に寄与します。原材料を供給する森林は、手入れがされていれば再生可能なエネルギー源です。ペレットストーブを使うことで、結果的には森林再生にも貢献することができます。ペレットストーブについてお話を聞くために青梅市にある有限会社東京ペレットのショールームに川尻哲也さんを訪ねました。

快適で暖かいペレットストーブの使い心地

有限会社東京ペレットでは東京都や長野県産の木材を使用したペレットの製造・販売やペレットストーブの販売を手がけています。「15年前の会社創立時に入社した頃には、僕の頭の中は東京の森林再生や地球環境という問題でいっぱいでした。そのためにペレットストーブを普及させなければいけないと考えていました。」
1月上旬に訪れたショールームでは、1台のペレットストーブが燃焼していて驚くほどに暖かでした。穏やかな口調で川尻さんは続けます。「でも今は違う。木材を燃やすというと、みなさんは薪ストーブをイメージされ、大変そうに思われるかもしれません。でもペレットストーブはとても快適で便利なんです。ペレットストーブの着火は機械がしてくれますし、ペレットの補給も自動。そして燃焼している間は空気を送って安定した燃焼を続けてくれます。火力調整もスイッチひとつで簡単ですよ。」

快適で暖かいペレットストーブの使い心地

環境保護への新しいアプローチ

燃焼するストーブに近づくと前面から温かな温風が吹き出していました。そしてストーブの窓から見えるオレンジ色の炎にも癒されます。人類の進化にとって火は大きな役割を果たしてきました。青色ではないオレンジ色の炎に引きつけられるのは人間のDNAに組み込まれているのかもしれませんね。「僕は森林再生や地球環境といった問題を大上段に構えて訴えるのはやめたんです。現状、私たちの生活は化石燃料がなければ成り立ちませんから。だからとても快適でちょっとおしゃれなストーブということを前面に出して、結果的にそれが地球環境に役に立つ。遠回りでも、それが着実な前進だと思うのです。」これが川尻さんの考える環境保護への新しいアプローチなのです。

環境保護への新しいアプローチ

有限会社東京ペレット

川尻 哲也さん/KAWAJIRI Tetsuya

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