東京駅の正面に並ぶ各店舗の緑と黄色のテント。行き交う人々が興味深そうに立ち寄り写真を撮ったり、話を聞いたり、買い物を楽しんだり、東京産農作物を使ったフードメニューに舌鼓を打ったり、にぎやかで活気のある3日間でした。

10/28(金)から30(日)の3日間、丸の内・有楽町・日比谷・豊洲の4エリアで開催された「東京味わいフェスタ」。3日間通算すると全会場で15万人が来場し、大盛況のうちに閉幕しました。
ご来場いただいた方の中には、東京産農産物についてのおいしい発見や楽しさを発見された方、農家や料理人など異業種との出会いをきっかけに、新しく何かが始まった方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、そんな「味フェス」の当日の様子をレポートいたします。
農業男子presents! 多肉植物ワークショップ/丸の内エリア
ワークショップテーブルに多種多様な多肉植物が並ぶこのブースでは、取材が金曜日(平日)のちょうどお昼ごろだったこともあり、丸の内のOLさんがランチタイムに立ち寄ってくださっていたのでしょう。
女性の参加者が多く見受けられました。
また、外国の方には、「苔玉」に植物を植え付けていく作業が珍しかったようで、動画を撮っている姿も。東京駅の前で、丸の内というロケーションならではの光景でした。
参加者のみなさんは、このワークショップで使っている多肉植物を実際に生産している農家(農業男子:髙橋徹さん)から、作り方を教わりながら、土や植物に触れる時間を楽しんでいらっしゃいました。

多肉植物生産農家の、農業男子:髙橋徹さん

多肉植物を手にする農業男子のお三方(左から、岡田さん・髙橋さん・金子さん)
江戸東京野菜/丸の内エリア
和風すだれの展示台に、旬の江戸東京野菜が並ぶ目にも楽しいブース。
現在53種類あるという江戸東京野菜が一覧になったリーフレットが無料配布されており、その数の多さと特徴や名前の面白さを知ることができました。
店頭にならぶ江戸東京野菜の中でもひときわ、素朴でどっしりとした形と切り口の色が特徴的だったのが「内藤かぼちゃ」。スタッフによると、中のオレンジ色の濃さと同様、味も甘くて濃く、食感は昔ながらのねっとり感で煮物におすすめだそう。
消費者にとっては、このように、めずらしい野菜を見たり、食べ方や特徴を教わったり、実際に購入して料理に挑戦できるのは、貴重でありがたい機会だったのではないでしょうか。


農家の直販マルシェ/丸の内エリア
みずみずしい朝採れの野菜や、土の香りが残る里芋などが並ぶ、「農家の直販マルシェ」ブース。
店頭に立ってお客様の対応をなさっていた農家の清水雄一郎さんと中村克之さんは、「東京駅の目前で直接消費者に農産物を販売出来たのは、私たち農業者にとってはとても貴重な体験で、モチベーション向上や多くの気付きを得る事か出来ました。売れないと思っていた葉付きの大根や人参が飛ぶように売れるなど、都心の消費者のニーズは私たちの予想を良い意味で裏切る結果となりました。そして直接消費者や関係者の方々と話して、これからの都市農業の向かうべき方向のイメージを共有でき、新しいビジネスのヒントも生まれました。今後もこの様な機会に積極的に農業者として参加して、持続可能な都市農業の姿を見出していきたいです。」と、おっしゃっていました。


TOKYO GROWN/丸の内エリア
JA東京スマイル青壮年部による見事な「野菜の宝船」のはす向かいで、わたしたち「TOKYO GROWN」も、「東京の新鮮で安全・安心な名産品、特産品や、東京で営まれている農林水産業の魅力を広く国内外に発信するウェブサイト」のPRをしていました。
料理研究家の角田真秀さんにご協力いただいて制作した東京産野菜のレシピ集や、オリジナルトートバッグ等をお配りしたところ、たくさんの方がたに興味を持っていただき、SNSのフォロワー数も大幅に増え嬉しい結果となりました。
今後も、みなさまに東京農林水産の魅力をお伝えできるよう、努力して参ります。
※TOKYO GROWNのレシピページはこちらです(https://tokyogrown.jp/recipe/)


東京都農業祭/有楽町エリア:「東京国際フォーラム」B2階 ホールE2

毎年11月2日“都市農業の日”に合わせて明治神宮敷地内にて実施していた「東京都農業祭」が、今年度は場所を移し「東京国際フォーラム」にて開催されました。
初日の会場では「品評会」も開催され、今年は、キャベツ(112)、葉茎菜類(157)、根菜・イモ類(142)、洋菜・果菜類(231)、花き(122)、果実(173)、キノコ(39)、タマゴ(71)、農産加工品(21)と、計1,068点の東京産農作物の出品がありました(括弧内は各点数)。
上からガラス越しに全体を見下ろせる会場で行われていたため、品目ごとに並ぶテーブルを審査員が巡回し、採点している緊張感のある様子を垣間見ることができ、通りがかりの方々の多くが足を止め、その圧巻な情景を興味深そうに眺めていました。
2日目には、一般のお客様も会場に入れたので、農家が品評会のために手塩にかけて育てた農作物を見学、その出来栄えや種類の多さに、感心していました。


やさい畑のプチ収穫体験/有楽町エリア:「東京国際フォーラム」地上広場
有楽町エリアには、JA東京青壮年組織協議会による「やさい畑」があり、ここでは予約制で収穫体験をすることができました。収穫できた野菜は、しいたけ、かぶ、さつまいも。
収穫した野菜は「江戸東京野菜」のイラストが入ったエコバッグに入れてお持ち帰り。スーパーでは、パックに入ったり結束されたり、袋に入って販売されている野菜が、育ったまま土や苗床に生えた状態で、自分で収穫をすることができるとあり、事前予約で早々に定員が埋まってしまうほどの人気だったそうです。
当日は、収穫体験と合わせて、いろいろな野菜や花、植木、米も展示されており、小さなお子さんからご年配の方まで、幅広い年齢層の方が楽しんでいらっしゃいました。


豊市の野菜の宝船/豊洲エリア

「がすてなーに ガスの科学館」の海沿いの開放感のあるロケーションで開催された豊洲会場。
こちらは、近隣住民のかたや家族連れが多く、のんびりと温かい雰囲気に包まれていました。
会場中央のJA東京あおばによる「野菜の宝船」は特に「写真映えスポット」になっていました。商売繁盛の縁起物として、新嘗祭をはじめ、五穀豊穣を祝う祭りやイベントに奉納されてきた「野菜の宝船」ですが、「これ、本物の野菜なの?」「イベントが終わったらどうするのかな?」と、来場者のみなさんも興味津々。
ちなみに、今回使用した野菜は、イベント最終日に「宝分け」をして、食材として有効活用されたとのことです。

東京都エコ農産物/豊洲エリア
安全・安心な農産物を消費者に届けるとともに環境に負荷をかけない農業を推進するために始まった「東京都エコ農産物認証制度」。こちらのブースでは、この認証を持っている野菜や果物の販売とPRを行なっていました。
「東京都エコ農産物」とは、土づくりの技術や化学合成農薬と化学肥料削減の技術を導入し、都の慣行使用基準から化学合成農薬と化学肥料を削減して作られる農産物で、化学合成農薬と化学肥料の削減割合は、25%以上、50%以上、不使用の3区分で認証されています。
実際に販売されている農作物には、この3つの区分のどれに該当するかが一目でわかるシールが貼られていました。
また、認証農産物の種類や生産者名、販売場所がわかる冊子も配布されていたので、販売されている農作物について、それぞれの生産者さんがどのような工夫やこだわりで、取り組まれているかも知ることができました。
※「東京都エコ農産物認証制度」のホームページはこちら
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/norin/syoku/econosanbutu/econosanbutu.htm


レポート後記
今回のレポートでは、ご紹介しきれなかったお店やおいしいものもたくさんありました。
来年の「味フェス」にすでに大いに期待が高まります!
このイベントがきっかけで、東京産農産物の魅力を知ってご興味を持ってくださったみなさまには、ぜひ今後もTOKYO GROWNサイトに遊びに来ていただき、四季折々の旬の情報をお楽しみください。
皆さまからの情報もお待ちしております!!
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「TOKYO GROWN」編集部
小林 未央/MIO KOBAYASHI