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東京産の豊富な食材の中から厳選したものを厨房にお届けして、シェフに調理してもらうTOKYOグルメ企画第3弾!
今回は、とことんおいしさを追求して東京で開発された豚「TOKYO X」をホテル椿山荘東京の川嶋正行シェフにお届けし、特製焼売を作っていただきます。
TOKYO X焼売、どんな仕上がりになるのでしょうか。
東京内外の方々に料理を提供する川嶋シェフにとって、東京産食材はどのように見えているのでしょう?
「私自身も知らなかったのですが、東京産食材と出会う中で、想像以上に多様でよいものがあることがわかってきました。定番の野菜だけでなく、キクラゲやチンゲンサイなど中国料理に使う食材もある。今回使う豚も、中国料理には欠かせない食材です。そういった食材の一つ一つを、大切に育てている人がいる。伝統を残す人たちの育てたものを、東京に住んでいる人にはぜひ食べてほしいと思うのです。」
ホテルというと遠方の方の利用が多いイメージもありますが、宴会場は東京のお客さんが多く訪れます。今後婚礼や宴会の食事などにも、東京産野菜を取り入れていく計画があるそうですよ。
TOKYO Xの塊肉を見せてもらうと、まず目を引くのが真っ白な脂。まぶしいほどに純白です。黄色みがかっていないのは、脂の質がよいことと新鮮であることの証。「本当にきれいな色ですよね。おいしいものは、美しい。サシは入っていないけれど、まるで網目のように脂身が入っていて、赤身と脂身のバランスが抜群にいい。だからそのままシンプルに焼くのが実は一番好きなんですけどね」と笑うシェフ。ただ焼くだけでおいしいというそのお肉で、今日は焼売を作っていただきます。実は焼売は、川嶋シェフの人気メニューの一つ。ホテルのビュッフェイベントや宴席でも隠れた人気者だそうですよ。
まずは肉の準備からはじめます。ポイントは、市販の挽肉のような細かいミンチにするのではなく、包丁で塊肉をスライスした後、細切れにして叩くこと。「ミンチにすると、脂とうまみのジュースが出てしまう。肉のおいしさを味わうためには叩くのがいいんです」と川嶋シェフ。
次に、塩を入れて粘り気が出るまでしっかりこねます。「ボウルに脂身がうっすらつくくらいまでしっかり」。そして、砂糖、つなぎの卵、帆立の水煮、TOKYO Xの脂でつくったラードなどを入れ、千住一本ねぎのみじん切りを投入してあんの完成です。お肉のおいしさを味わうため、醤油や生姜なども入れず、味付けは最小限に抑えたそうです。
いよいよ握っていきます。日本の中国料理の調理場では、形を作るときに手のひらと指で握るようにすることと、餃子のようにすっぽり皮で包み込んでしまわないことから、焼売は「包む」ではなく「握る」というそうですよ。たっぷりのあんを詰めるコツは、多めにとったあんを皮に乗せ、その中心にへらを刺したら皮ごと回転させながら左手で餡と皮を密着させること。シェフの手の中で、この小さい皮にこんなに入るのかというくらい詰められていきます。
ところで、ホテル椿山荘東京の焼売はビュッフェでも人気の一品とのことですが、シェフにとって焼売はどんな料理なのでしょう。「家族で囲めるもの、ですね。ビュッフェで好んでいただけるということは、みんなで楽しまれているということ。せいろ丸ごとくださいとリクエストされる方もいたんですよ。私も家で子供と一緒に握ります。そうやって子供も食材に触れると、いい食材がわかるようになるんじゃないかな」。私も一緒に握らせていただいたのですが、食材の美しさに目が惹かれると同時に期待が膨らみ、なんだか楽しくなってきてしまうのでした。
まずは見た目。別々に見ると気がつきませんでしたが、並べて比べて見るとTOKYO Xの方が色味が濃いようです。
次に香り。これは、TOKYO Xの圧勝。せいろを開けた時の甘く立ち上る香りは、お皿の上でも健在です。普通の豚肉は重厚な肉らしい香りに対し、TOKYO Xは “華やか”という言葉が似合うくらい軽やかに甘く香ります。脂の違いによるもののようで、口に運ぶ前の鼻先でもう頬がゆるんでしまいます。
そして、味。国産豚の方を食べると、手切りにした豚肉の食感によるおいしさが感じられます。次にTOKYO Xの方を食べると... 甘い脂が口中に溢れ、爽やかな香りが鼻に抜けます。肉もとってもやわらかくて、さきほどの国産豚焼売が硬く感じられてしまうほどなのです。「ジューシーでありながら、それでいて脂がべっとり舌に残ることなくすっと軽やかに消えていきますよね。脂の違いは餌の違い。丁寧に育てられた豚で脂がおいしいから、醤油などはつけずそのままか酢でさっぱり食べるのがおすすめですよ」。TOKYO X焼売は、今までの私の焼売の常識を超える未体験のおいしさでした。
さらになんと、川嶋シェフがTOKYO Xで作った今回のレシピを教えてくださいました。
このレシピで私も何度か家で作ってみたのですが、シェフのレシピで作る焼売は普段のものと全く別物。
TOKYO Xが購入できる販売店は限られていますが、何か一つ東京産食材を取り入れて、おうちでぜひ試してみてくださいね。
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● TOKYO X 豚腕肉 400g ※なければ肩ロース。
半冷凍にすると切りやすいです。● 塩 6g ● 砂糖 13g ● 卵 0.5個 ● 貝柱水煮 40g ● ラード 14g ● 千住一本ねぎ(みじん切り) 80g ● 胡椒 適量 ● 焼売の皮 1袋
- 豚腕肉を2ミリほどの厚さにスライスし、それを千切りにしたのち細切れにする。小さな角切りにするイメージ。
- ボウルに1を入れ、塩を加えてよく練る。ボウルにうっすら脂身がつくくらいまで。体温で肉がだれてしまわないよう、手早く作業する。
- 砂糖を加え、軽く混ぜる。卵、貝柱水煮、ラード、胡椒も加えてまぜ、最後にねぎのみじん切りを加えまぜる。
- 左手の4本指をそろえた上に焼売の皮を置き、ヘラ(バターナイフなどで可)で3のあんを20~25gほどすくってのせる。その中央にヘラを突き刺すようにしておしこみ、左手を返して手のひらで肉と皮を密着させるようにくるくる回す。
- 左手の親指と中指人差し指で丸を作り、ヘラを刺したま4をくるくる回して形を作りる。このとき左手の薬指で押さえるようにして平らな底をつくる。
- 最後に、浮いた皮のひだを押さえつけて肉にかぶせるようにする。あんがなくなるまで続ける。
- 蒸し器にクッキングシートを敷き、6を並べて10分蒸す。蒸し器がない場合は、フライパンで代用する方法も。
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今回のTokyo one day trip
東京生まれの豚の甘みに感動!純白の脂身、口の中に溢れる甘い肉汁、鼻から抜ける爽やかな香り... 取材から何日も経ってもまだ感動が残っています。
日本全国様々な品種の豚がいますが、こんな身近にこんなにおいしい豚が育てられていたなんて、驚きでした。そしてまた、取り除いた余分な脂身までをも大切に使い、おいしい脂身だからとラードをつくってしまうシェフの食材への慈しみにも感激。
大切に育てる人たちと、それを扱う東京料理人の矜持に触れる一日でした。
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