東京の森が育てる原木しいたけ
こんにちは。管理栄養士・お野菜料理家の今村結衣です。
東京の農林水産物には、まだ知られていない物語がたくさんあります。
野菜やきのこは、単なる栄養の塊ではなく、「物語」をまとった食べものです。
どんな土地で、どんな人が、どんな想いで育てたのか。
それを知るだけで、その一口はぐっと特別なものになります。
今回注目したのは、東京・青梅の森で育つ「原木(げんぼく)しいたけ」。
森の恵みを感じながら、親子で楽しめるレシピをご紹介します。
実は東京は森林の多い地域です。東京都の総面積の約4割が森林であり、その多くは多摩西部に広がっています。
そんな森の恵みのひとつが「きのこ」です。
今回は青梅市にある「内沼きのこ園」の原木しいたけに注目しました。
山あいの静かな場所にあるこの園には、敷地内にピザ窯やカフェもあり、もぎたてのきのこ料理を楽しむこともできます。
ブナの木から顔を出しているしいたけを見ると「きのこって本当に『木の子』なんだ!」と実感します。
木に菌を植えてから収穫できるまでには、長い時間がかかります。
きのこは刺激を与えることで発生するため、木を積み上げる音を聞かせたり、水に浸けたりといった手間暇をかけて大切に育てられています。
原木栽培に使われるブナなどの広葉樹は、山を守る大切な役割を担っています。
根が横に広がることで土をしっかり支え、大雨の際にも山が崩れにくくなるのです。また、その落ち葉は土の栄養となり、森を豊かにします。
きのこは倒れた木を少しずつ分解し、森の巡りを支える存在。
原木しいたけは、そんな東京の自然と人の営みの中で育っています。
ケチャップやソースは使いません。
干ししいたけの戻し汁を余さず使うことで、旨みがぐっと広がります。
生しいたけも加えることで、香りと食感の両方を楽しめる一皿に。
玉ねぎの甘みを活かし、お子様にも食べやすいまろやかな味わいに仕上げました。
「しいたけの香りはするかな?」そんな会話を楽しみながら味わってみてください。
● ごはん … 茶碗2杯分
● 干ししいたけ … 8g
● 生しいたけ … 2個
● 鶏ひき肉 … 200g
● 玉ねぎ … 80g
● ニンジン … 60g
● 水 … 200ml(戻し用)
● 油 … 大さじ1/2
● 塩こしょう … 適量
● 水溶き片栗粉…米粉(または片栗粉)大さじ1 + 水 大さじ2
<調味料[A]>
● みそ … 大さじ1
● しょうゆ … 大さじ1
● みりん … 大さじ2
● 酒 … 大さじ2
● カレー粉 … 小さじ1/2
1.干ししいたけを戻して刻む
干ししいたけは水に浸し、30分ほどかけて戻します。
戻ったら軽く水気を絞り、細かいみじん切りにします。
※戻し汁は後で使うので取っておきます。
2.野菜と生しいたけを刻む
玉ねぎ、ニンジン、生しいたけをみじん切りにします。
生しいたけは、お子様の年齢に合わせて少し大きめに切ると、より食感を楽しめます。
3.野菜の甘みを引き出す
フライパンに油を熱し、ひき肉・玉ねぎ・ニンジンを中火で5〜6分炒めます。
香りが甘く変わったら、干ししいたけと生しいたけを加え、しんなりするまでさらに炒めます。
4.調味料を加えて煮る
干ししいたけの「戻し汁」と<調味料[A]>を加え、中火で5分ほど煮詰めて味を含ませます。
5.とろみをつける
水溶き片栗粉を、混ぜながら少しずつ加えます。全体にとろみがついたら火を止めます。
6.盛り付け
温かいごはんにたっぷりかけて完成です!
◆ 「干し」+「生」のダブル使い
干ししいたけは「深い旨み」、生しいたけは「やわらかな香りと食感」を。2種類合わせることで、味わいに奥行きが生まれます。
◆ 戻し汁は魔法のスープ
戻し汁には旨み成分が凝縮されています。これを活用することで、自然なコクと栄養を余さず活かせます。
◆ 玉ねぎはじっくり炒める
甘みが引き出されるまで炒めることで、しいたけの個性がやわらぎ、カレー粉の風味ともなじみやすくなります。
◆ カレー粉は控えめに
和風調味料と合わせることで、刺激を抑えたやさしい辛さに。幼児期のお子様でも安心です。
▶ 森のつながりを知る
きのこは森の中でどんな役割をしているんだろう?」関連記事を見ながら、しいたけの物語を親子で探検してみましょう。
▶ 五感で観察してみる
生のしいたけのヒダを観察したり、大きさを比べたりしてみましょう。
▶ 香りの違いを体験する
「干したもの」と「生のもの」、そして「戻し汁」。それぞれどんな香りがするか、クイズにしても楽しいですね。
東京には、高層ビルだけでなく豊かな森があります。
その森で育つしいたけには、自然の循環と人の手仕事がぎゅっと詰まっています。
「このしいたけ、どんな場所で育ったのかな?」
そんな一言から、食卓から見える風景はぐっと広がります。
東京の森の恵みを、ぜひ親子で味わってみてくださいね。

埼玉県出身。二児の母。女子栄養大学 栄養学部 実践栄養学科卒業後、青果物の専門商社でカット野菜工場の品質管理業務に従事。
その後、地域密着型の青果店で野菜の仕入れ、配送、営業等に携わる。その傍ら、野菜の切り方教室を開催。
結婚、出産を経て、野菜や農業に関わる企業のサポートやレシピ記事執筆を行っている。
Instagram▶https://www.instagram.com/ponsan.68/




