GAPとは「Good(良い)Agricultural(農業)をPractice(実践)する」の略で、「良い農業の取組」という意味になります。農産物の安全性はもちろん、環境に優しい農業や、適切な労務管理など、農業活動全般における取組のことを指しているんです。
「GAPに取り組む」ということは、農作業の点検、記録、確認を行うこと。農業に関わるあらゆる部分を”見える化”させることによって、品質の向上、資材の不要在庫の減少、農作業事故の減少、生産・販売計画の立案がしやすくなる、従業員の責任感・自主性が向上する、といった様々なメリットがあります。
「食品安全・環境保全・労働安全」などを守るための取り組みです。
- 「望ましい農場管理の状態はこうだ」
という管理基準に基づき… -
GAPの取組によって、農産物の安全や環境、経済を将来にわたって維持・発展させていける、
次世代につなげる農業を実現することができます。
GAPは日常的な取組
整理整頓されていれば必要な物がすぐ用意できるし、安全に管理することができます。作業手順がルール化されていれば、誰もが同じ手順で無駄なく作業ができます。もしもの事故が起きた時でも、事前に対処法が準備されていればパニックにならず迅速に対応できます。こんな日常的な取組がGAPです。一つ一つはシンプルなこと。でも、それを継続して実践することが大切なのです。
GAPでは主に「食品安全・環境保全・労働安全・人権保護・農場経営管理」について、GAP認証の基準書などを参考にしながら、自分たちの農場に最も適したルールを作成します。ルール作りで大切なことは、「なぜこうするか?」です。GAPをすれば、この「なぜ?」という気づきが増え、考える力が向上します。日常に隠れているリスクに気づき、適切に評価・対応することが重要なんです。
食品安全
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農産物への汚染を防ぐ!
コンテナに古くなった野菜のクズや汚れが残っていると、運搬時に農産物が汚染される可能性が。例えば収穫時にはゴム手袋を着用し、農産物を運ぶコンテナは収穫専用の清潔なものを使い、前もって荷台などを洗浄します。
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異物混入の危険を回避!
異物混入を防ぐために、収穫した農産物を貯蔵庫などに保存する際は、清潔なカバーを被せます。また、梱包作業をする作業場は農薬や肥料を保管している部屋とは別にし、照明は万が一割れた時でも安全な飛散防止加工タイプに変更します。
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環境保全
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周辺環境への負荷軽減!
病気や害虫によって農産物が被害を受けないように予防や対策を行う時は、記録を残すことで対応策を再検討したり、農薬散布以外の手段も組み合わせることによって、農薬を散布する回数を減らし、周囲の環境への負荷を少なくします。
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点検と意識向上でCO2削減を!
トラクターや農薬保管庫などの農業機械や設備、器具を常に点検・整備し、農薬やオイル漏れがないかなど、安全性をチェック。掲示物等で、不必要・非効率なエネルギー消費の節減を呼びかけ、地球環境に優しい農業を目指します。
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労働安全
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危険を警告!
初めて農場を訪れる人や近隣住民にも分かるように、危険な場所や箇所には注意喚起の掲示物を設置。農作業の安全マニュアル等を作成し、農業事故を防ぐとともに、万が一事故が起きた時でも対処できるように心がけます。
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安全な作業環境を確保!
危険な作業をきちんと把握し、安全に作業を行うための服装や保護具を用意します。機械等の適正な使用、燃料の保管方法や応急処置についての講習会の受講など、安全確保のための知識を学び、実施します。
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