
こんにちは!管理栄養士、お野菜料理家として活動する二児の母の今村結衣です。
「野菜は栄養のためだけではなく、楽しくて、おいしいから食べたくなるもの」そんな思いで、畑と食卓をつなぐレシピやコラムをお届けしています。
今回ご紹介するのは、東京都日野市にある「ネイバーズファーム」さん。
住宅街の中で持続可能な農業に挑戦する女性農家さんたちが育てた、甘くてジューシーなトマトをテーマに、「おうちでできる食育」のヒントや食育レシピをお伝えします。
都市農業の新しい形をつくる「ネイバーズファーム」の物語

ネイバーズファームの梅村桂さんは、2019年に個人で就農し、2023年に法人化。地域に根差した農業と環境への配慮を大切にしながら、トマトの施設栽培に取り組んでいます。
農園では「ヤシガラ培地」という持続可能な資材を使い、トマトの茎を廃棄せずにブルーベリー畑に再利用。
地域のイベント「ひのトマトフェス」の主催や、女性が主体となれる農業経営にも力を入れています。
食育ポイント ①
▶ 「このトマト、東京で女性が育ててるんだって!」と声をかけてみましょう。
▶ 作っている人がどんな気持ちで作ったのかということや、食材の背景を知ることで、子どもたちも自然と興味を持ちやすくなります。
トマトってどんな野菜?

夏野菜の代表格・トマトは、低カロリーながら栄養たっぷりの健康野菜です。
美肌や風邪予防に役立つ「ビタミンC」、老化の抑制を助ける「ビタミンE」、体内の余分な塩分を排出してくれる「カリウム」、腸内環境を整える「食物繊維」など、日々の健康維持に欠かせない栄養素がバランスよく含まれています。
見た目も味わいも爽やかなトマトは、暑さで食欲が落ちやすい時期にもおすすめ。
サラダや冷製パスタはもちろん、加熱することでうま味や栄養価が高まるのも魅力です。
ネイバーズファームのトマトは、手間を惜しまず、自然や地域への思いやりを込めて育てられています。
その背景を知ることで、栄養価だけでは測れないおいしさやあたたかさが、お腹と心に届きます。

ネイバーズファームさんのオンラインショップで購入できる「トマトと加工品の詰め合わせBOX」
食育ポイント ②
▶ 「トマトの茎ってどうなってるのかな?」と一緒に図鑑や写真を見てみましょう。
▶ 野菜の成長過程を知ることで、収穫までに育てる時間と手間が必要であることを学ぶキッカケになり、食への興味や感謝の気持ちにつながります。
【食育レシピ】 ダブルトマトの食べるカラフルドレッシング
カラフルなミニトマトに、ネイバーズファームオリジナルの濃厚なトマトピューレを合わせた「食べるドレッシング」は、見た目も味わいも楽しい一品。
火を使わずに混ぜるだけなので、子どもと一緒に作る食育メニューにもぴったりです。
子どもたちの大好きな“から揚げ”や“竜田揚げ”に添えれば食べやすく、ジューシーなトマトの甘みと酸味が加わって食べやすく、食卓を彩ってくれますよ。

材料(2〜3人分)
● カラフルミニトマト…250g
● スイートピューレ(スイートレッド)…40g
● 酢…小さじ1
● 塩…少々
● オリーブオイル…大さじ1
作り方
1. ミニトマトは8等分の大きさに切る。

2. 容器に切ったミニトマト、スイートピューレ40g、酢小さじ1、オリーブオイル大さじ1を合わせて混ぜる。

3. 塩少々を加えて味を整える。(甘みがほしい場合は、お好みで加えてくださいね。)

4. 皿に盛り付けた“から揚げ”や“竜田揚げ”、“サラダ”にたっぷりと添えて召し上がれ。
食育アクション
▶ 「このトマト、何色があるかな?」と味や色の違い、形に注目してみよう。
▶ 包丁を使わないピューレの計量や、スプーンで混ぜる作業など、小さな子も楽しめる工程を一緒にやってみよう。
▶ 料理を完成させたあと、「自分で作ったドレッシングの、味はどうかな?」と感想を聞いてみると、食への自信や達成感が育ちますよ。
食卓から広がる、農と野菜のストーリー

トマト一つにも、「誰が、どんな思いで、どう育てたか」というストーリーがあります。
ネイバーズファームさんのように、環境に配慮し、地域とつながり、女性が活躍する農業を知ることで、食べることがもっと楽しく、もっと意味のあるものになるはず。
「このトマト、どこから来たの?」「誰が育てたんだろう?」そんな問いかけを、今日の食卓に加えてみませんか?
小さな会話が、食べることの価値をぐっと深めてくれますよ。
お知らせ
東京都と(公財)東京都農林水産振興財団は、東京産農産物を用いた給食レシピコンテストを今年も実施します。
今回のテーマ食材は、都内農業産出額1位のトマトです。
小学4~6年生のみなさんから、給食で食べてみたいトマトレシピのご応募をお待ちしております!
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管理栄養士
今村 結衣/IMAMURA YUI
管理栄養士、お野菜料理家。二児の母。
カット野菜工場など青果物流通業の会社員を経て、野菜の切り方教室や記事執筆、野菜染めグッズ販売など野菜に関する分野を中心に活動。
野菜を美味しく食べることが生きがいで、素材の味を生かしたレシピ作りが得意。
Instagram【 #やさあいレシピ 】で200レシピ以上公開中。
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