レシピ:「アシタバおにぎらず」
おにぎりとは違い、海苔の上にご飯をのせ、具材をサンドイッチのようにはさみます。
具材を多く入れることができるので、1品で「主食」+「主菜」+「副菜」+「乳製品」を兼ねています。
スポーツ栄養士の金子香織です。
4月に入学・進級した子どもたちも、新しい環境に慣れてきたところでしょうか。
春から夏へと季節が移り替わる時期を迎え、子どもたちが元気いっぱいにスポーツにチャレンジする姿が見られます。
運動会やスポーツイベントが多く開催される季節でもありますね。
5月のレシピは、東京都三宅村産の「アシタバ(明日葉)」を使った“おにぎらず”です。
今回は、スポーツを行う日のお弁当づくりについて、3つのPOINTに分けてお話します。
お弁当づくりにひと手間をかけ、栄養バランスの取れたお弁当を持たせることで、成長期の子どもたちをしっかりサポートしましょう。
おにぎりとは違い、海苔の上にご飯をのせ、具材をサンドイッチのようにはさみます。
具材を多く入れることができるので、1品で「主食」+「主菜」+「副菜」+「乳製品」を兼ねています。
・ご飯 1合分
・焼き海苔 2枚
・卵 2個
・スライスチーズ 2枚
・ごま油 小さじ1
・アシタバ 100g
・ツナ(ツナ缶を使用) 約20g
・めんつゆ(三倍濃縮) 小さじ1
・ニンジン 30g
・三杯酢 小さじ1
① フライパンを加熱し、油少量(分量外)をひいて卵1個を割り入れる。黄身はつぶして端に寄せ、形を整えて裏返し、四角い卵焼きを作る。
同じようにもう一つ卵焼きを作る。
② ニンジンは千切りにし、三杯酢と和える。
③ アシタバは2㎝幅(茎の部分は1㎝)に切る。
④ フライパンを強火で熱し、ごま油、ツナ、アシタバを入れて炒める。アシタバがしんなりしたら、めんつゆ小さじ1を入れて味をなじませる。
⑤ ラップを大きく広げて海苔を置き、中央にご飯1/4合(80g程度)を四角く(スライスチーズの大きさ)広げ、①②④とスライスチーズをのせ、さらにご飯を1/4合のせる。
ラップごと海苔の角をご飯の中心に向けて折りたたみ、しっかり巻く。10分以上なじむまで置き、半分に切る。
1⃣ バランスの良いお弁当を準備する
「主食」+「主菜」+「副菜」+「乳製品」+「果物」を意識することで、バランスの良いお弁当を準備しましょう。
▪「主食」は、ご飯、パン、麺類などです。
主に炭水化物を多く含み、体を動かすエネルギー源になります。
▪「主菜」は、肉、魚、卵、大豆製品などです。
たんぱく質が多く、筋肉をはじめとした体の組織の材料となり、体づくりや成長にかかせません。
▪「副菜」は、野菜、きのこ、海藻などです。
ビタミン、ミネラルの供給源、食物繊維も多く含みます。
▪「乳製品」は、たんぱく質とともに、骨づくりの材料のカルシウムを多く含みます。
▪「果物」は、炭水化物とビタミンC、その他のビタミンやミネラルも含みます。
2⃣ 激しいスポーツをする日の準備と対策
▪激しいスポーツをする日は、主食(ご飯、パン、麺類)や果物を多めに摂り、脂質を多く含む食材や調理法は控えましょう。
主食や果物に含まれる炭水化物(糖質)は、特に身体を素早く、強く動かすときに優先的にエネルギー源となるため、いつもより多めを意識します。
脂質もエネルギー源となる栄養素ですが、胃の中での滞留時間が長く消化に時間がかかります。お腹に食べ物が多く残った状態で動くと腹痛の原因にもなるため、消化の良いお弁当にしましょう。
3⃣ 食品衛生に気を付けましょう
▪これからの季節は、気温も上がり食中毒のリスクが高まります。
お弁当箱の衛生管理はもちろんのこと、お弁当をしっかり冷ましてからフタをする、食材を直接手で触らない、お弁当を保冷バッグ+保冷剤で冷やすなど、温度管理に気をつけましょう。
1品で、前述の果物以外「主食(ご飯)」+「主菜(たまご、ツナ)」+「副菜(明日葉、にんじん)」+「乳製品(チーズ)」をそろえることができます。
伊豆諸島で採れるアシタバ(明日葉)は、緑黄色野菜で栄養価が高く、その生長と生命力の強さが名前の由来とされています。特に体内でビタミンAに変わるβカロテンが多く含まれます。
(※ビタミンAは脂溶性のビタミンなので、ごま油で炒めることで吸収率が高まります。)
今回はアシタバ独特の風味と合うように、ツナ(オイル漬け)と一緒に炒めました。
ご紹介した材料以外でも作ることができますので、子どもと相談しながら好みの具材を包むのも良いでしょう。
▪4月にご紹介した「豚汁」と、今回の「アシタバおにぎらず」に、牛乳と果物をプラスすると、ちょうど小学校低学年のスポーツをしている子どもの1食分となります。
Kakara Kai 代表
管理栄養士/公認スポーツ栄養士/修士(学術)
※公認スポーツ栄養士とは、公益社団法人 日本栄養士会および公益財団法人 日本スポーツ協会の共同認定による資格です。
https://www.dietitian.or.jp/career/specialcertifications/sports/
大学病院管理栄養士として勤務した後、スポーツ栄養分野へ転向。
スポーツ栄養士としてラグビー日本代表、ゴルフナショナルチームを始めとしたトップアスリート、社会人、大学生、ジュニア選手、女性アスリートなどの、各ライフステージにおけるスポーツ現場での食育活動に携わっている。
特技の手話を活かしてデフ(聴覚障がい)アスリートサポートも行う。
高校2年生と小学2年生の、2児の母。