管理栄養士、お野菜料理家の今村結衣です。1歳と3歳の子を持つ母であり、日々の生活の中で子どもたちと野菜を楽しんでいます。
食育コラム『東京の恵みdeおうち食育』の第3シリーズ、色で楽しむ東京野菜の『きいろ』編をお届けします。

このシリーズでは、五感の中でも一番の刺激となる「視覚」を使ったおうち食育のレシピやポイントをご紹介しています。
今回の食育レシピは、バターナッツカボチャをたっぷりと使って、お砂糖なしでもしっとり甘い、たまご蒸しパンです。
大人も子どもも一緒になって、色の視点から東京野菜の魅力を再発見していきましょう!

〈目次〉
1.ワクワクを育てる色『きいろ』
2.東京産のバターナッツカボチャ
3.【レシピ】バターナッツカボチャのたまご蒸しパン
4.『きいろ』の食育ポイント
5.まとめ

ワクワクを育てる色『きいろ』

今回のテーマ色は黄色。原色の一つである黄色は、視線を惹きつけ、注目を集める色です。
太陽の光の色でもあり、陽気、明るい、ワクワクといったイメージが連想されます。食卓に黄色を取り入れることで、子どもたちのワクワクとした楽しい気持ちを育みます。

カボチャには、代表的なβ-カロテンの他に、ルテインという栄養素が含まれ、鮮やかな黄色を生み出しています。
ルテインは、ブルーライトや紫外線といった光の刺激から目を守ります。タブレットを見る機会が増えている現代の子どもたちにとって、目を守ることは大切な健康管理の一つです。黄色の栄養素を積極的に取り入れ、目の健康を守っていきましょう。

東京産のバターナッツカボチャ

今回は、東京都産のバターナッツカボチャを使用しました。バターナッツカボチャは、ひょうたん型のカボチャです。一般的なカボチャに比べてみずみずしく、生でも食べることができます。加熱するとねっとりとした食感で、口当たりがなめらか。そのクリーミーな味わいを活かして、ポタージュやプリン、グラタンなどの料理に使われます。

東京都産のバターナッツカボチャは、最近テレビ番組等で特集されたこともあり、注目を集めているカボチャです。

【レシピ】バターナッツカボチャのたまご蒸しパン

今回ご紹介する食育レシピは、バターナッツカボチャをたっぷりと使った、ヘルシーで優しい味わいの蒸しパンです。ふんわりとした黄色い蒸しパンは、食べる前から楽しい気持ちにさせてくれます。

バターナッツカボチャの濃厚な甘みを活かして、レシピはお砂糖なしで仕上げました。卵と米粉でしっとりフワフワ。腹持ちも良く、朝食にもおやつにもおすすめです。
材料を混ぜるだけで簡単に作れるので、ぜひお子さまと一緒に作ってみてくださいね。

材料(800ml容器1つ分)

バターナッツカボチャ      正味300g
卵               1個
米粉              100g
無調整豆乳           100ml(牛乳、水でもOK)
塩               ひとつまみ
ベーキングパウダー       小さじ2

作り方

①  蒸し器をセットしておく。バターナッツカボチャは皮をむいて適度な大きさに切り、柔らかくなるまで火を通す。(電子レンジの場合は600wで6分)

②  ボウルに卵を割り入れ、泡立て器でときほぐす。米粉を加え、豆乳を少しずつ加えながら、なめらかになるまで混ぜる。

③  粗熱をとったバターナッツカボチャ、塩、ベーキングパウダーを順に加えてさらに混ぜる。

④  クッキングシートを敷いた容器に移し、蒸気の上がった蒸し器に入れて強火で20分蒸す。

レシピPOINT

・蒸し器は生地作りの前に準備し、生地が出来たらすぐに蒸すことで、フワフワの蒸しパンに仕上がります。
・生地に入れたバターナッツカボチャは、少し粒感が残る程度の混ぜ加減でOKです。

甘さ控えめの蒸しパンに、お好みでメープルシロップをかけるのもおすすめです。しっとりと濃厚な味わいが楽しめます。

『きいろ』の食育ポイント

黄色の色素であるルテインは、緑黄色野菜に多く含まれます。体内では作ることのできない栄養素であるため、食事から取り入れる必要のある栄養素です。
バターナッツカボチャのルテインを効果的に取り入れるための食育ポイントをご紹介します。

【油と組み合わせる】
ルテインは脂溶性の栄養素で、水には溶けず、油に溶けやすい栄養素です。
植物油の他に、油分を含む卵や乳製品、豆乳と組み合わせることもおすすめです。

【おやつに取り入れる】
食事で不足しがちな野菜は、おやつにも取り入れて、こまめに食べられる工夫をしてみましょう。
カボチャやサツマイモなどのでんぷん質で甘みのある野菜を使えば、砂糖の量を抑えることができます。腹持ちも良くなり、ヘルシーなおやつとしてピッタリの食材です。

【食感も楽しい工夫を】
食感が楽しい一品にすることで、黄色の持つワクワク感をより一層高めてくれます。蒸しパンはしっとりモチモチ食感を楽しめます。
他にもプリンのプルプル、かりんとうのカリカリ、パイのサクサクといった食感と組み合わせることで子どもたちの興味をそそり、楽しみながら食べることにつながります。

まとめ

今回の『きいろ』編では、バターナッツカボチャの蒸しパンで、東京野菜の黄色を楽しみました。
鮮やかな黄色のふんわりとした蒸しパンは、子どもたちのワクワク感をかき立てます。栄養面でも、目の健康を守るために欠かせない栄養素を含み、心も身体も健やかに保ってくれるレシピです。

ぜひ今回ご紹介したレシピを活用しつつ、東京野菜を使って、食卓を楽しく彩ってみてくださいね。

管理栄養士

今村 結衣/IMAMURA YUI

管理栄養士、お野菜料理家。二児の母。
カット野菜工場など青果物流通業の会社員を経て、野菜の切り方教室や記事執筆、野菜染めグッズ販売など野菜に関する分野を中心に活動。
野菜を美味しく食べることが生きがいで、素材の味を生かしたレシピ作りが得意。
Instagram【 #やさあいレシピ 】で200レシピ以上公開中。
https://www.instagram.com/ponsan.68/

BACKNUMBER

東京の恵みdeおうち食育

RELATED ARTICLERELATED ARTICLE

トピックス

「自然の近くで暮らす」ライフスタイルも魅力的に! 新規就農7年目、繁昌農園が多くの人々を引き寄せる理由

トピックス

色で楽しむ東京野菜シリーズ ~『橙色』編~

トピックス

多摩地域唯一の村、檜原村名産のコンニャク ~伝統のバッタ練り製法が生み出す本来のおいしさ~

トピックス

女性農業経営者のホンネ! ~東京農業の未来を考える「東京農村」6周年スペシャルイベント~

トピックス

調布の農家が作ったアプリが大注目! 全国3万7千の農家が使う「アグリハブ」で生産性をあげる

トピックス

色で楽しむ東京野菜シリーズ ~『あか』編~

トピックス

生ごみを宝に!市民が活躍するコミュニティガーデン ~日野市 せせらぎ農園~

トピックス

色で楽しむ東京野菜シリーズ ~「きみどり」編~

トピックス

色で楽しむ東京野菜シリーズ ~基本編~

トピックス

「ガストロノミー」が、東京農業の新たな一手となる!

ページトップへ