『切って楽しむ東京野菜』

管理栄養士、お野菜料理家のいまむらゆいです。
食育コラム【東京の恵みdeおうち食育】の第2シリーズ、切って楽しむ東京野菜をお届けしています。このシリーズでは、野菜を切ることで発見できる、五感を使った野菜の楽しみ方をご紹介します。
今回ピックアップする野菜は「ピーマン」。大人も子どもも楽しみながら、ピーマンの魅力を再発見していきましょう!

苦い野菜の代表格!

苦味は本能的に避けようと感じる味です。
これは毒などから体を守るために、備わった大切な防御反応。そんな苦味も大人になるにつれておいしく感じるのは、味覚の変化とともに「これは危険ではない」という学びの積み重ねによるものです。
苦い野菜とされる野菜のひとつ、ピーマン。子どもたちからはあまり人気のない野菜ですが、ピーマンを食べる以外で楽しんでみたことはありますか?
家庭菜園で作った野菜なら食べられるお子さんがいるように、その野菜に親近感や愛着をもつことができると、食べる楽しみが広がります。
今回はピーマンを食べる前に触れてみる機会を作ってみましょう!新しい発見ができるはずです。

鮮度が命のピーマン

今回は、東京都三鷹市にある鴨志田農園さんのピーマンを楽しんでみました。
ピーマンはふっくらとした見た目が特徴ですが、中は空洞で果肉が薄い野菜。だからこそ、新鮮なものとそうでないものでは、触った感触から大きく変わってしまいます。
食育として活用するには、やはり新鮮なピーマンが第一。野菜が生きていることを実感できるようなみずみずしさがあります。
地元の採れたてのピーマンをゲットして触れてみることがおすすめです。

ピーマンを切って、見て、味わってみよう!

ではさっそく、ピーマンを手や鼻を使って、五感で楽しんでみましょう!

・ピーマンは重い?軽い?お肌はどんな感触?

まずは新鮮なピーマンに触れてみよう!机の上に置いてまずは重さを想像。実際に持ってみて、見た目よりも重いと感じるかな?軽いと感じるかな?
ピーマンのお肌も触ってみよう!ツルツル、ザラザラ、デコボコ、いろんな表現で表してみよう!

・ピーマンのお腹の中はどうなっている?

ピーマンを半分に切ってみると、中はどうなっているかな?タネが付いていたり、内側はザラザラとしたり。実際に手で触ってじっくり観察してみよう!

・輪切りと細切りを比べてみよう!

同じピーマンでも、切り方を変えるだけでこんなにも見た目が変わるのもおもしろいポイント。香りはどっちの方が強く感じるかな?
勇気を出して少しかじってみると、食べた時の感触や味の感じ方が違うのがわかるかな?

ピーマンの食育レシピ

【たて切りピーマンのたまご炒め】

ピーマンの苦味に慣れないうちは、苦味が穏やかに感じる縦切りがおすすめです。じっくり油で炒めて、たんぱく質食材であるたまごと炒め合わせ、醤油とみりんで味付けします。最後にすりごまをたっぷりと加えて完成です。苦味はうま味や甘味のある食材との相性がよく、苦味を程よく和らげてくれます。

【丸ごとピーマンのじっくり焼きおかか和え】

ピーマンは手で潰すか包丁で切れ目を入れてフライパンで焼き目をつけます。少量の水で蒸し焼きにして、しょうゆ、味噌、みりんなどで味をつけてかつお節を全体にまぶせば出来上がりです。蒸し焼きにしたピーマンは驚くほどジューシーで柔らか。ピーマンの甘味が引き立つので、苦味を感じにくい仕上がりになります。

まとめ

いかがでしたか?ピーマンそのものを楽しむということで、“新しい発見”があるかもしれません。食を楽しむ幅を広げるという意味でも、五感を使った野菜の食育は大きな意味があります。

今回ご紹介した内容を参考に、おうちで楽しい食育時間を過ごしてみてくださいね。

管理栄養士

今村 結衣/IMAMURA YUI

管理栄養士、お野菜レシピ考案家。
カット野菜工場など青果物流通業の会社員を経て、現在は野菜の切り方教室や記事執筆など野菜に関する分野を中心に活動している。野菜を美味しく食べることが生きがいで、素材の味を生かしたレシピ作りが得意。
Instagram【 #ぽんレシピ 】で170レシピ以上公開中。一児の母。

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