東京は、親子で楽しめる直売所がいっぱいだ!
美味しくて、楽しくて、食育にもなる。直売所は、一石二鳥にも三鳥にもなるそんな場所。
今日は、伝統的な江戸東京野菜を育てているオギプロファームさんがお弁当屋さんを始めたと聞き、パプママとリカちゃんは西八王子の『つなくら』へやってきました。

【パプママとリカちゃんのプロフィール】
パプママ:野菜が大好きな30代。多摩エリアのとある街に住んでいる。平日は都心で働いているので、リカちゃんと一緒に街ブラする休日が宝物。
リカちゃん:小学3年生。明るい性格で、たまにちょっと大人びたところを見せる。ほんとは家でゲームをして過ごしたい。

リカちゃん:ママ、お腹空いた~!
パプママ:もうすぐ着くわよ。駅から一本道だからわかりやすいわ。
リカちゃん:あ、『つなくら』って書いてある!
パプママ:ここだね。こんにちは~!

株式会社小城プロデュース 代表 福島秀史さん(以下、福島さん):はーい、こんにちは~。ちょうど今お弁当もできたところですよ~。

パプママ:わあ~お野菜たっぷりで嬉しいわ。このカボチャ、何だか普通のカボチャと違う…?
福島さん:お、良く気付きましたね!これは”江戸東京野菜”のひとつ、「内藤カボチャ」という品種なんです。
リカちゃん:”江戸東京野菜”?
福島さん:江戸時代から昭和中期までに、東京で栽培されていたという履歴が残っている伝統的な野菜が、”江戸東京野菜”として認定されているんです。現時点で52種類が認定されていて、そのうちのひとつがこの「内藤カボチャ」。
他にも、「高倉ダイコン」や「亀戸ダイコン」、「東京べか菜」、「品川カブ」など、22種類の江戸東京野菜を育てているんですよ。
パプママ:52種類のうち22種類も!江戸東京野菜に認定されるには、昔からある、ということ以外にも何か条件があるんですか?
福島さん:固定種であるというのが大事な条件です。固定種というのは、ひとつの種類の野菜から種を採って、それを植えて代々引き継いでいく品種のことです。他の品種と交配させないので、昔から変わらない形や性質を保っているんです。
(江戸東京野菜について:https://www.tokyo-ja.or.jp/farm/edo/[出典:JA東京中央会])

江戸東京野菜のひとつ 「内藤カボチャ」

福島さん:江戸東京野菜はスーパーに出回っている野菜とは少し違う品種なので、どうやって食べたらいい?とお客さんに良く聞かれるんです。そこで、食べ方・調理の仕方を伝える場として『つなくら』を始めたんですよ。
お弁当やお惣菜の種類は多くないけど、ここを通して江戸東京野菜に興味を持ってくれる人が増えたらいいなと思っています。この先、種を引き継いでくれる人も必要ですしね。

パプママ:ほんと、実際にお弁当に使われているお野菜がこの場で買えるから、家でも同じように作ってみたくなるわ~!
この天ぷら、すごく美味しいんですが 味付けには何を使っているんですか?
福島さん:米粉と米油で揚げて、ほんの少し塩を振っただけです。
リカちゃん:えっ!!塩だけなの!?美味しい~。色んな味がするよ!!
福島さん:ははは、嬉しいなぁ。それが野菜の味だよ。
僕は農薬や化学肥料を使わずに栽培するんです。畑の中で雑草や野菜の刈り落した部分は微生物によって分解されて、土に還っていきますよね。そうするとミネラルを含んだ土になるので、それが次の養分になる。色んな生き物と共助・共生しながら育ち、また土に還っていく自然の循環の中で野菜が育つんです。
野菜を実際に育てている畑、見てみますか?
リカちゃん:行きたーい!

『つなくら』から東へ車で15分ほどの『オギプロファーム軒先直売所』へ

福島さん:着きました~。こちらが僕の畑です。

パプママ:採れたて野菜がここでも買えるんですね!
福島さん:「ください」と言われてから畑から抜いて販売することもあるくらい、まさに採れたての野菜が買えますよ。
パプママ:でも、ご自身で種を採って次の野菜を作るって、本当に大変なんでしょうね。
福島さん:例えば大根だと、12月の収穫の時期に母本選定といって種採り用の大根を選ぶんです。毎年1000~1200本くらい作っている大根の中から、伝統的な形や葉っぱの付き方、特徴を持った大根を10本くらい決めます。それをもう一度植え直して、3月頃に花を咲かせます。受粉して、6・7月頃に種が採れ、9月に次の種まきをする。そして冬にまた収穫時期が来て…と、一年中一緒に過ごして、先祖代々知っているから、自然と愛着が湧いちゃうんですよ。
パプママ:我が子みたいな感覚なんですね。
福島さん:まさにそうなんです。商品というよりも、感情のある子どものように思えてしまって。
例えば成長が遅くて最初の収穫に間に合わなかった野菜は、ぽつんと取り残されてかわいそうになっちゃうんです。でも、後からお弁当にして食べてもらうからな、って声をかけて。それでもタイミングが合わずに最後まで食べてあげられなかった野菜は、土に還って、次の養分になる。そうやってお前が生きた証は絶対に残る、無駄にしないからな、って声をかけながら野菜と生活してるんです。
リカちゃん:うう…なんか泣けてきちゃった。
パプママ:そんな風に愛されて育った野菜たち…。だからこんなに味わいが濃くて、イキイキとしてるんですね。

福島さん:このイエローピコトマト、厳しい夏を乗り越えて今年はこれまで以上に美味しく育ったんです。
固定種って、それぞれに個性があるんですよ。品種ごとの特徴はあるんですが、その中で均一ではなくサイズも形もバラツキが出るんです。
同じ親から生まれた兄弟だって見た目や性格が違うでしょ?
リカちゃん:うん、たしかに。
福島さん:本来の遺伝というのは自然と少しずつ個性が生まれるもの。僕はその個性を潰したくなくて、できるだけ余計なものを入れずにシンプルに、日照や風の当たり方、野菜同士の相性なんかを考えて畑の中に配置する。そうすることでその子が一番のびのび輝ける環境を作ってあげたいんですよね。
お弁当作りも同じです。それぞれの個性を引き出せるようにシンプルに調理して、詰めるんです。
リカちゃんも、まわりと一緒じゃなくていいから自分らしく育つんだよ。
リカちゃん:担任の先生が福島さんだったらいいのにな。
パプママ:せ…先生とお呼びしてもいいですか。ママも福島さんの野菜育てを見習って子育て頑張るわ…!

直売所情報まとめ

■オギプロファーム野菜直売所
東京都八王子市大和田町1丁目8
営業日:水木土/15時~17時 
※営業日の詳細はInstagramにて
 ▪https://www.instagram.com/ogiprofarm/?hl=ja
農薬不使用、全て固定種にこだわり、江戸東京野菜は22種類栽培している。
お客様が来てから畑に採りに行くこともあるほど採れたての野菜を提供。

■おべんとうおそうざい店『つなくら』
東京都八王子市追分町6-11 立川ビル 102
営業日:火水金/10時前後~お昼過ぎまで 
※営業日の詳細はInstagramにて
 ▪https://www.instagram.com/ogiprofarm/?hl=ja
自然栽培・無添加で手間がかかっていながら、お弁当一つ800円という低価格で提供できるのも、ご自身で育てた野菜をご自身で運んで調理しているため。身体に優しいお弁当を求めて、ご年配やお子様連れを中心に人気があり、仕出し弁当のご注文も可能。
オギプロファームにて栽培した野菜も販売している。
イートインはないため、徒歩2分の八木町公園(東京都八王子市八木町8−1)などでピクニックもおすすめ。

株式会社エマリコくにたち

峯田 晶子/AKIKO MINETA

〒186-0004
東京都国立市中一丁目1番1号
℡ 042-505-7315
http://www.emalico.com/

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親子で楽しむ 『TOKYO直売所散歩』

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