管理栄養士、お野菜料理家の今村結衣です。1歳と3歳の子を持つ母であり、日々の生活の中で子どもたちと野菜を楽しんでいます。
食育コラム『東京の恵みdeおうち食育』の第3シリーズ、色で楽しむ東京野菜の『橙(だいだい)色』編をお届けします。
このシリーズでは、五感の中でも1番の刺激となる「視覚」を使ったおうち食育のレシピやポイントをご紹介しています。
今回の食育レシピは、取り分ければ離乳食にもできるニンジンを使った炊き込みごはんです。
ニンジンを切る手間いらずで、忙しい育児の合間にも簡単に作れます。大人も子どもも一緒になって、色の視点から東京野菜の魅力を再発見していきましょう!
〈目次〉
1.食欲をかき立てる『橙色』
2.東京都産のニンジン
3.【レシピ】ほくほくニンジンの丸ごと炊き込みご飯
4.『橙色』の食育ポイント
5.まとめ
今回のテーマ色は橙色。食欲をかき立てる暖色系の橙色は、赤色ほど強い色ではなく、温かさや柔らかな印象を感じさせてくれる色です。食卓に橙色があることで、楽しい雰囲気を演出してくれます。
橙色の栄養素として代表的なものといえば、β-カロテン。ニンジンをはじめ、ホウレンソウやカボチャなど色の濃い野菜に多く含まれます。
体内でビタミンAに変換され、抗酸化作用や免疫機能の維持など、健康管理に欠かせない栄養素の一つです。体調を崩しやすい子どもたちの風邪予防にも積極的に取り入れたい栄養素です。
東京で親しまれる“新品種”と“伝統的品種”
東京都のニンジンの主な産地として、清瀬市、八王子市、町田市などで生産が盛んです。
清瀬市では、カロテンが豊富に含まれる『ベーターキャロット』という品種のニンジンが特産です。ジャムやジュースに加工した商品が人気を集めています。
江戸東京野菜としては『馬込三寸ニンジン』があり、コロンとした形が可愛らしく、味も香りも良いニンジンです。東京都では、新品種から伝統的な品種まで幅広い種類のニンジンが流通しています。
【レシピ】ほくほくニンジンの丸ごと炊き込みご飯
具沢山の炊き込みごはんを作ろうと思ったとき、野菜を細かく切る手間が億劫に感じることはありませんか?忙しい育児の合間のご飯作りは、できるだけ手間なく作りたいものです。
そこで今回は、ニンジンを丸ごと炊き込んで、しゃもじでほぐせば出来上がりの簡単レシピをご紹介します。
丸ごと蒸されたニンジンは、ほくほくで甘みも引き立ち、子どもたちにも食べやすい味です。
ぜひ作ってみてくださいね。
材料(作りやすい分量)
・ニンジン 1本
・ツナ缶 1缶
・米 2合
Ⓐ.醤油、酒、みりん、ごま油…各大さじ1
作り方
① 米は洗い、30分から1時間浸水させておく。炊飯釜に米を入れ、Ⓐを加えて2合分のメモリまで水を加える。
② 汁気を切ったツナと、皮を剥いてヘタを切り落としたニンジンをのせる。
③ 炊飯釜の通常モードで炊飯し、炊き上がったらニンジンをほぐすようにして混ぜ合わせる。
レシピPOINT
・米はしっかりと浸水をさせてから調味料と合わせることで、芯が残るのを防ぎます。
・ニンジンが太い場合や、長さのある場合は、半分に切りましょう。
炊き込みごはんアレンジ
ニンジンの風味をもう少し抑えたい…という場合は、お好みで青のり、すりごま、鰹節、しらすなどの乾物を混ぜ合わせ、おにぎりにするのもおすすめです。
乾物の風味がプラスされて食べやすくなり、栄養価のアップにも繋がります。
炊き込みごはんは薄味のため、大人向けには、仕上げに粗塩や粗挽き黒こしょうをかけるのがおすすめです。
ピリッとした黒こしょうで味にメリハリが生まれます。
『橙色』の食育ポイント
橙色の栄養素は、離乳食にも使いやすいニンジンやカボチャといった野菜に含まれるため、比較的取り入れやすい栄養素です。さらに効果的に取り入れるための食育ポイントをいくつかご紹介します。
【皮はお好みで取り除く】
橙色の発色をよりよくしたい場合は、皮は取り除くことがおすすめです。
しかし、皮にもたくさんの栄養があるため、できるだけ捨てずに取り入れたいところです。汁物や別のおかずに入れるなど違う料理に使うことで、ムダなく、見栄えもよくすることができます。
【調理に油を使う】
β-カロテンは脂溶性の栄養素で、水には溶けず、油に溶けやすいのが特徴です。
炒めたり、油を加えて調理を行うことで、吸収率アップが期待できます。
【たんぱく質食材と組み合わせる】
今回のレシピで使用したツナ缶など、うま味のあるたんぱく質食材を組み合わせることで、野菜の風味を和らげ、食べやすくすることができます。
粘膜を健康に保つために重要な役割を持つ組み合わせでもあり、味と栄養面のどちらにもプラスに働きます。
まとめ
今回の『橙色』編では、ニンジンの炊き込みごはんで、東京野菜の橙色を楽しみました。
ニンジンやカボチャなどの橙色の野菜は年中出回っているものが多いため、親しみやすく、乳児期から取り入れやすい食材です。
体調を崩しやすい乳幼児期にこそ、積極的に取り入れたい食材でもあります。
ご紹介したレシピを参考に、橙色の東京野菜で楽しく健康的に過ごしていきましょう。
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管理栄養士
今村 結衣/IMAMURA YUI
管理栄養士、お野菜料理家。二児の母。
カット野菜工場など青果物流通業の会社員を経て、野菜の切り方教室や記事執筆、野菜染めグッズ販売など野菜に関する分野を中心に活動。
野菜を美味しく食べることが生きがいで、素材の味を生かしたレシピ作りが得意。
Instagram【 #やさあいレシピ 】で200レシピ以上公開中。
▼ https://www.instagram.com/ponsan.68/
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