園主の関さんは、幼い頃から家業を手伝い、高校卒業後の18歳で本格就農。お父様が病に倒れたことを機に、25歳という若さで関ファームを引き継ぐことになりました。
最初に作り始めた野菜はトマト。選んだ理由は「とにかく好きな野菜で、直売所のお客様にも喜ばれ、なおかつ単価が取れる野菜だったから」と語ります。市場出荷するにはある程度のボリュームで生産する必要がありますが、当時は直売所が増え始めて、少量でも出荷可能な環境が整い始めたタイミングでした。
トマトの苗木10〜20本からスタートし、徐々に増やしていきましたが、トマト栽培が軌道に乗るまでには大変な苦労がありました。関さんが30歳の年にお父様が他界、その翌年にはお祖父様も他界。トマト栽培本格化のためにハウスの建設計画を立てていた時期と重なっていました。お父様の病状が思わしくなく、家族経営による先行き不安から一度は諦めかけましたが、「やりたければ、やった方がいいぞ」というお父様の言葉でトマト栽培を拡大していく覚悟を決めたのだとか。
「農園を引き継いだ25歳〜30歳もなかなかの大変さだったが、先代の2人を急に失った30歳以降は休みなく働かなければならない状況だった。帯状疱疹も発症し、あの頃は体力的にも精神的にも厳しい時期だった。」と関さん。何年も試行錯誤を重ね、44歳となった今、「従業員を雇えるようになり、週に2日休めて、大玉トマトだけでも一年に6,000本の栽培規模になっている」とのこと。丁寧に整備された美しく大きなハウスを見渡し、ここにどれだけの努力が詰まっているのだろうかと想像するだけで、目の前のまだ青いトマトすらおいしそうに思えました。