トウキョウ エコ マルシェ

化学合成農薬や化学肥料を都の定める一般的な使用基準より減らして育てる「東京都エコ農産物」。こうした環境に配慮した農産物を販売する専門店「トウキョウ エコ マルシェ」が、2026年8月6日、麻布十番にオープンしました。オープン初日には、近隣にあるイベントスペース「BIRTH LAB」でオープニングイベントが開かれ、小池百合子東京都知事をはじめ、生産者や加工事業者、飲食店関係者が東京産農産物の魅力や、おいしさを生かす工夫について語りました。今回は、イベントの様子や試食を通して、東京の農業と食の魅力をご紹介します。

東京都エコ農産物ってなに?

「トウキョウ エコ マルシェ」の主役は、東京都エコ農産物です。

東京都エコ農産物とは、化学合成農薬と化学肥料を、都の定める一般的な使用基準より減らして育てた農産物のこと。都が栽培状況を確認し、残留農薬の分析を行うことで安全性を確かめています。削減割合に応じて「東京エコ25(25%以上削減)」「東京エコ50(50%以上)」「東京エコ100(不使用)」の3区分があり、認証マークで見分けられます。

産地と消費地が近いのも、東京ならではの強みです。運ぶ時間が短く、より新鮮な状態で食卓に届きます。輸送で発生するCO₂を抑えられる点も、都市農業ならではの魅力です。
「トウキョウ エコ マルシェ」では、そんな東京都エコ農産物を実際に手に取りながら、生産者や東京の農業を身近に感じることができます。

麻布十番に誕生した「トウキョウ エコ マルシェ」

エコマルシェ商品

「トウキョウ エコ マルシェ」は麻布十番駅の4番出口から徒歩約2分の場所にある路面店です。店内には、東京都内で生産された旬のエコ農産物が並びます。商品に貼られた生産者シールを手がかりに、「誰が、どう育てたのか」を想像しながら選べるのも楽しみのひとつです。

野菜や果物などの青果物だけでなく、東京産コーンのグルテンフリーマフィンや、古代小麦を使用したトマト&ケールのスコーンなど、エコ農産物を使ったオリジナル加工品も販売されています。

今年度からは、近隣の連携飲食店がエコ農産物を使ったオリジナル料理を提供する取り組みもスタート。イタリアン「fragment 麻布十番」や和食「麻布 あみ城」などで、東京都エコ農産物を使ったメニューを味わうことができます。

オープニングイベントで、東京の農業と食の魅力を体験

オープン初日には、店舗近隣の「BIRTH LAB」でオープニングイベントが開催されました。
イベントには、東京都内でエコ農産物を栽培する生産者や加工事業者、連携飲食店などが参加。トークセッションでは、環境に配慮した栽培の工夫や東京農業の魅力、農産物の素材を生かした加工・料理について語られました。

さらに、エコ農産物を使ったオリジナルメニューや加工品の試食も行われ、実際に味わいながら東京産の農産物を知ることができるイベントとなりました。

◾️八丈島ばたけ × 八芳園

小池都知事の登壇

八丈島でレモンと明日葉を育てる「八丈島ばたけ」の菊池烈博さん・久美子さんご夫妻(写真右)は、農薬や肥料をできる限り抑えた栽培を行っています。島の特産物である明日葉も農薬を使わず、やわらかく仕上げることにこだわっています。

ご夫妻が育てているのは、島で「菊池レモン」と呼ばれているレモンです。「皮を先に食べると、実の酸味が甘く感じられるんです」と、菊池さんは皮ごと味わうおいしさを教えてくれました。

このレモンでお菓子をつくったのが、400年の歴史を誇る日本庭園を有し、創業80年を迎える「八芳園」です。統括製菓長の澤村圭介さん(写真左)が、八丈島レモンを生かしたパウンドケーキをプロデュースしました。八芳園では普段から都内各地や東京の島しょ地域 の食材を積極的に使い、サステナブルをテーマにした料理にも取り組んでいるそうです。

小池百合子東京都知事(写真中央)もパウンドケーキとレモン黒酢のドリンクを試食。「黒酢とレモンで、口の中で味がまとまりますね」とコメントし、東京産食材の組み合わせを楽しんでいました。

◾️国分寺中村農園 × CHAYA マクロビ

国分寺中村農園 × CHAYA マクロビ

続いて紹介されたのは、国分寺の「国分寺中村農園」と「CHAYA マクロビ」の組み合わせです。

国分寺で「国分寺中村農園」を営む中村克之さん(写真左)は、紫外線の力で病気を抑えたり、害虫を食べる天敵を生かしたりして、農薬や化学肥料に頼りすぎない、環境にやさしい農法に取り組んでいます。

中村さんが育てた大玉トマトは、今回のスコーンにも使われています。近ごろは温暖化の影響で、大玉トマトを作るのが難しくなっているそう。「昔は9月ごろまで採れたのですが、採れる期間が短くなってしまって」と話します。それでも作り続ける、貴重な東京産の大玉トマトです。

そのトマトを使ってスコーンをつくったのが、小川博行さん(写真右)が代表取締役を務める「株式会社 CHAYA マクロビフーズ」です。「CHAYA マクロビ」は、動物性原材料や白砂糖を使わず、季節の恵みを生かしたマクロビオティックのブランドです。 今回のスコーンには古代小麦を使用。中村さんのトマトについて、小川さんは「みずみずしくてトマトの味が濃い。だから余計な砂糖も水も加えず、じっくり煮詰めました」と話し、トマト本来のおいしさを引き出しました。

東京で育ったトマトが、スコーンという新しい味わいに変わる。
生産者とつくり手、それぞれの工夫によって、東京産農産物の新たな魅力が生まれていました。

「東京産を選ぶ」ことから、東京の農業をもっと身近に

登壇者のお話に共通していたのは、農産物そのものの新鮮さやおいしさだけでなく、生産者の顔が見える安心感、そして貴重な品種を守る営みでした。

八丈島のレモンや明日葉、国分寺のトマトなど、東京には地域ごとにさまざまな農産物があります。「東京で農業が行われている」ということを知り、実際に東京産の農産物を選んで食べてみることは、東京の農業を身近に感じるきっかけにもなります。

「トウキョウ エコ マルシェ」は、そんな東京産農産物との出会いを都心につくる場所。
麻布十番を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。旬の東京産農産物を選び、味わうことから、東京の農業を応援してみてはいかがでしょうか。

店舗情報:トウキョウ エコ マルシェ
所在地:東京都港区麻布十番2-19-4 Laniビル1階(麻布十番駅から徒歩約2分)
開設期間:2026年8月6日(木)~2027年3月17日(水)
営業時間:11:00~20:00
定休日:第三火曜日

郡山 碧/Aoi Koriyama

食品広告業界で、企業の食コンテンツ企画やレシピ開発のコーディネートを担当。食品メーカーや小売企業など幅広い案件に携わり、食材の魅力を伝える企画を数多く手がけてきた。食育アドバイザーの資格を持ち、専門的な内容も身近な言葉で伝え、「今日試してみたい」と思える食の情報を発信している。

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