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足立の「つまもの」

足立の「つまもの」の基本情報

食品成分つるな
エネルギー15
水分93.8
たんぱく質1.8
脂質0.1
炭水化物2.8
灰分1.3
食塩相当量0

つるなは、蕃杏(ばんきょう)や浜千舎(はまじしゃ)とも呼ばれ、漢方でも使用される栄養のある野菜です。
英語名はNew Zealand spinachで、浜辺や砂地に自生しており、スピナッチという名のとおりクセがなく、ほうれん草のような味です。太平洋に面したアジア、オーストラリア、アメリカなどの海岸に広く分布しています。古くはキャプテンクックがニュージーランドで発見してイギリスに持ち帰ったと言われています。

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足立の「つまもの」をハント!

つまもの

「つまもの」ってナニ?

「つまもの」って聞いてもピンとこない人の方が多いと思います。
刺身の添え物全般を指し、ワサビや生姜、シソの葉や細く切った大根などが馴染み深いと思います。つまものは、和食に欠かせない季節感を演出する野菜です。
江戸時代に、料亭が集まっていた三河島村(現在の荒川区)周辺で多く栽培され、明治から大正時代にかけて、隅田川対岸の足立区栗原や伊興地区に広まりました。

丸特特親会の組合長 鹿濱さんと島田さん つるな むらめ

東京のつまもの

東京のつまものは「小かぶ」、「あさつき」、「むらめ」、「鮎蓼(あゆたで)」、「木の芽(山椒の芽)」が主です。つまもの栽培には広い栽培面積は必要としませんが、細かい気遣いと手仕事が必要です。
東京のつまものの産地、足立区でつまもの畑を見学したいと思い、豊洲市場で相談したところ昔からつまものを育てている丸特特親会の組合長、鹿濱さんをご紹介いただきました。丸特特親会には現在11人の組合員さんがいて、それぞれの方がつまものを育て、豊洲市場へ出荷しています。(令和3年1月現在)

ところで、ご紹介いただいたとき、「足立区の鹿浜の鹿濱さんって。え?地名が苗字?」と驚きました。鹿濱さんは先祖代々、鹿浜の地で暮らしていらっしゃる地元の名士です。そんな鹿濱さんの畑は住宅街の中のビニールハウスにありました。
鹿濱さんのところでは、代々つまものを育てていて、今は主に「つるな」、「むらめ」、「鮎蓼(あゆたで)」の3種類を栽培なさっています。鮎蓼は、鮎のシーズン(初夏から夏)に合わせて作るので、私が訪れた冬に育てている「つるな」と「むらめ」を見せていただきました。

丸特特親会の組合長 鹿濱さん つるな畑 つるな

つるな畑に潜入

つるなは本来は4月頃に花が咲き、5月から10月にかけて収穫される夏野菜です。料亭などの飲食店で通年使われるため、東京では通年栽培されています。
寒さに弱いため、2重に囲われたビニールハウスの中につるな畑がありました。ハウス内が温かいので鹿濱さんは冬でも半袖で収穫しているそうです。

つるなは小さな黄色い花が咲いて、花がらからこぼれた三角形の種からまた生えてくるので、収穫が終わると鎌で刈り取って、土を耕し有機肥料をあげて温度管理をしながら育てるそうです。
鹿濱さんのところでは虫が多い夏は低農薬で育て、虫があまり出ない冬は無農薬で育てているとおっしゃっていました。

つるな つるな畑 つるな

つるなの柔らかそうな葉っぱが生い茂っているのをおいしそう!という目でじーっと眺めていると、鹿濱さんに「食べていいよ」と言っていただき、早速むしゃむしゃ。
しゃきしゃきとした食感があり、わずかな苦みと塩気を感じるほうれん草みたいな味だなって思っていたら、「英語名はニュージーランドスピナッチって言うんだよ」と教えてくださいました。
ニュージーランドほうれん草か!サラダでいけそうって話したら、鹿濱さんのオススメはかき揚げだそうです。しゃきしゃき感が残っておいしそうです。
一般的には和食で椀物(お吸い物など)の中に入れるそうで、新芽の柔らかい部分のみをハサミで切り、500g単位で箱に詰めて出荷します。
葉を切ると脇からすぐに新芽が出てくるそうです。

むらめ

むらめ畑の秘密

むらめは漢字で書くと「紫芽」。正体は赤シソの芽です。ちなみに青シソの芽は「あおめ」と呼ばれるそうですが、東京では出荷用に作っていません。
種を播いて2週間ほどで発芽し、20日から35日ぐらいで収穫できるそうです。
「大きく育つと梅干しに使うような赤シソになるのですか?」と質問したところ、50年前に種屋さんにお願いして作ってもらったむらめ用の特別な品種なのだそうです。

むらめ畑 むらめ畑 むらめ畑

シソの芽の「むらめ」はとてもデリケートなので、種を播いたらシートをかぶせて保湿と保温をします。霜が降りると枯れてしまうため、寒い日は夜通しビニールハウスの中でストーブを焚くそうです。
また、肥料と水やりにコツがあり、失敗するとこのきれいな紫色にならないそうです。

畑で味見させていただきました。見た目が赤たでと似た感じなので辛いかな?と思いながらおそるおそる食べてみたら、辛さはなく、柔らかい葉の食感とシソの香りがふんわり香りました。鹿濱さんのお宅では、蕎麦やそうめんの薬味などに使うそうです。

ところで、この広い畑1畝(せ)で種をどれぐらい播くかわかりますか?

むらめ収穫用のハサミ むらめ畑 丸特特親会の組合長 鹿濱さん

正解は500g。ペットボトル1本分の種を播くそうです。

そして、島田が気になったのは鹿濱さんの収穫用のハサミ。むらめは丈が短いので普通のハサミだと手が地面にぶつかって収穫しづらいので、収穫用に特注したハサミなのだそうです。他の農家さんでは、収穫にカミソリを使う方もいらっしゃるそうです。鹿濱さんの手つきを見ていたら、床屋さんを思い出しました。

収穫したむらめは、作業場でパック詰めをして豊洲市場に出荷します。

 足立のつまもの レシピ

マグロとツマモノのカルパッチョ 醤油マヨソース

しゃきしゃきした食感のつるなと、香りが良いむらめを使用したレシピをぜひご覧ください。

▽マグロとツマモノのカルパッチョ 醤油マヨソース
https://tokyogrown.jp/recipe/detail?id=996117

 島田さん

 鹿濱さん

ひとこと

●鹿濱さん
今はコロナでつまもののニーズが下がっているけれど、必要になったときにないと困るから作り続けていきたいです。70歳を過ぎたら、昔作っていた小カブにもチャレンジしたいです。
●島田さん
刺身などに添えられているつまものに、こんなに手間がかかっていると思いませんでした。改めて大事に味わいたいと思いました。

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