


東京の鶏卵
実は意外と、東京には養鶏をしている農家さんがいらっしゃいます。東京都下には何軒もありますし、取材で伺った東京の島や、23区内でも養鶏を営んでいる方にお会いしたことがあります。
今回は養鶏を専門にしている農家さんと、野菜が本業で、近隣の方々のために少量だけたまごを販売していらっしゃる農家さんからたまごを集めてみました。
左から伊藤養鶏場、小林養鶏農園、練馬の農家さんのたまごです。
以前、東京しゃもの取材で伺わせていただいた伊藤養鶏場さんでは、国産鶏の「もみじ」という品種の鶏を育てていると伺いました。羽根が茶色い鶏なのですが、たまごの殻も褐色です。
小林養鶏農園さんのたまごは、ほんのり桜色の美しいたまごです。
もう一軒の練馬の農家さんのたまごも茶褐色でした。
どのたまごも、とにかく新鮮で、皿に割ると白身がふっくらと盛り上がります。
ちなみに、鮮度が落ちたたまごは、白身の部分がダラっと水っぽく広がります。
茹でてみると、黄身の色がこんなに違います。
一番色の濃い、伊藤養鶏場さんのたまごは、鶏に自家配合の10種類のブレンドしたエサの中にパプリカなどが含まれていて自然由来の色だそうです。
小林養鶏農園さんのところのたまごは、抗生剤や消毒剤を使用せず、なるべく鶏に負担をかけないように育てているそうです。
どのたまごも生臭さはなく、黄身の味が濃かったり、余韻が長かったり、それぞれ特徴のあるたまごでした。
東京の養鶏をしているところでは、平飼いだったり、開放鶏舎という、鶏舎の中を鶏が自由に動き回って、風が通る作りになっているところをよく見かけます。
東京という土地柄でしょうか。広大な敷地で鶏がギュウギュウになっている養鶏場でなく、こじんまりしたところで、一羽一羽の鶏を観察しながら鶏の年齢や季節によって、機械などでなく人の手でエサを変え、丁寧に世話をしているところが多いように感じます。