東京の農業で働く
WORK
東京で農業の仕事を始めてみたい、という方のために、農家になるまでのステップをご紹介します。また、就農希望者向けの短期農業研修や相談窓口をご案内するとともに、「農地を所有していなくても就農できるの?」など、よくある質問とその回答を掲載しています。
東京都で就農するには
どうしたらいいの?
東京の農業は、都市地域、山間地域、島しょ地域(東京の島々)において、それぞれ地域の特性を生かして、新鮮な農産物を供給しています。東京の農業の特徴やそこで生産される農産物、東京オリジナルの農産物をご紹介します。
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1農業を始めたい!・農業について知りたい!
農業を始めたい方(就農予定農業後継者も含む)は新規就農希望者として就農活動をスタートします。
・農業全般に関する情報や、東京の農業についての情報を収集
・自分の目指す就農スタイルを検討(独立就農、法人就農など)
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2就農相談
東京都新規就農相談センター((公財)東京都農林水産振興財団)へ就農相談をします。
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3就農への本格的な取り組み
・営農計画の作成、販路確保
・農地の確保 ・住宅の確保 ・農業機械や施設の確保
・農業法人への就職
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4就農への準備
・農業の基礎知識の習得、農業体験研修で体験
・目指す経営内容の明確化(作目の選択や経営規模)
・就農予定地の選定
・就農に向けた技術の習得、先進農家等での研修
・資金の確保
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5営農の開始
新規就農者(認定新規就農者や農業後継者など)として農業経営をスタートします。
・栽培技術向上のための研修
指導農業士等による農業研修を受けるには?
農業に関心があり東京都内で就農を希望する方、または新たな品目や栽培方法などを導入する農業後継者などの方は、東京都指導農業士(※)など担い手育成に取り組んでいる農業者のもとで研修を受けることができます。
- 農業体験研修(5日以内)
- 東京都内で就農を希望する方を対象とした、農作業体験を通じて適性等を確認する研修です。
- 農業技術研修(20日程度)
- 東京都内での就農準備中の方、新技術・新品目等を学びたい農業者の方等に向けた、一連の栽培管理技術や出荷調整技術、販売方法などを学ぶ研修です。
- 営農力育成研修(60日程度)
- 東京都内で農地を継承された方、働きながら週末を利用して就農に向けて継続的に学びたい方などを対象とした、年間を通じて経営に必要な知識や栽培技術を習得する研修です。
- Step 01
- 新規就農面談(対面 or オンライン)をお申込みください。
- Step 02
- 研修申込書を提出していただきます。
- Step 03
- 財団が研修受入先を選定・依頼します。
- Step 04
- 指導農業士等の下で研修受講します。
- Step 05
- 受講完了後、報告書を財団へご提出ください。
- Step 06
- 財団が研修受入先に謝礼をお支払いします。
※ 東京都指導農業士とは
農業技術や経営管理能力に優れた東京の農業者であり、農業の担い手に対する指導活動などを行うことにより、力強い東京農業の発展に資する農業者のことをいいます。東京都指導農業士は、東京都から認定証を交付することにより、認定されます。東京都指導農業士の詳細はこちらをご覧ください。
大島町、八丈町、神津島村では、1年を超える長期研修もございます。詳しくは以下をご参照ください。
- 大島町 産業課
- 八丈町農業担い手育成研修センター
神津島村 田の沢農業研修施設
問い合わせ先:
神津島村 産業観光課 農林水産係
電話番号04992-8-0011(代)
就農に関するよくある質問
- 農家出身ではなく、農地を所有していなくても新たに就農することはできますか?
- 農家出身ではない人が新規就農することは可能です。ただし、農地を利用する権利(賃借権・所有権等)を取得するには、農業委員会による許可を得るなどの手続きが必要です。その手続きを開始するためには、今後の農業経営についての具体的かつ実現可能な計画を持っているか、農業経営に必要な技術を持っているかなど、農業委員会の審査を受けなければなりません。農業について、真摯に知識の取得・技術の向上に取り組む覚悟が必要です。
- 新宿区に住んでいますが、東京都内で自宅から離れている場所に農地を借りることはできますか?
- 一般的に農地を借りることができるのは、市街化区域以外となっています。東京23区の農地はすべて市街化区域にあり、農地を借りることは難しいと考えられます。農地を借りる候補地は、市街化調整区域のある、あきる野市、瑞穂町、日の出町などとなります。また、伊豆諸島の一部も可能です。農業という仕事は時期によっては早朝から夜半まで農作業をすることがあり、こまめな農地の見回りが必要です。また、病害虫が発生しないよう適切なタイミングでの栽培管理も必要になります。ご自宅と農地が離れすぎることは、おすすめしません。
- 農家出身ではありませんが、東京都内で長期間、農業研修をしてくれる機関はありますか?
- 大島町、神津島村、八丈町では町や村に就農を希望する人を対象に町や村が1年以上の研修を実施しています。また、東京農業アカデミー八王子研修農場では、2年間、技術と経営両面からの実践的なカリキュラムを受講することができます。さらに、就農希望者が先進農家や法人に雇用されながら、研修を受けられることがあります。詳しくは(一社)東京都農業会議へお問い合わせください。
- 就農前に実際に農家で働く体験ができる仕組みはありますか?
- (公財)東京都農林水産振興財団では都内で就農を希望する方に対して5日以内で行う農業体験研修があります。詳しくは(公財)東京都農林水産振興財団にお問い合わせください。
広域援農
ボランティアとは?
農業に関心があり東京都内で就農を希望する方、または就農して農業技術を習得したい農業後継者などの方は、東京都指導農業士(※)など担い手育成に取り組んでいる農業者のもとで研修を受けることができます。
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広域援農ボランティアとは?
公益財団法人東京都農林水産振興財団では、市区町村の枠を越え活動する広域援農ボランティアを登録・派遣するほか、東京の青空塾事業援農ボランティア養成講座で援農ボランティアを養成し、東京農業を支援する多様な担い手を育成しています。広域援農ボランティア詳細についてはこちらをご覧ください。
(問い合わせ先:(公財)東京都農林水産振興財団農業振興課 電話番号042-528-1357 )
→ 農作業サポーター・ボランティア取組事例集
就農者の声
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小林農園 小林卓矢さん 千景さん
~東京に畑があってよかった!~みかん農園の三代目として就農した卓矢さんと奥様の千景さん。東京の武蔵村山でみかん園をご両親と一緒に営んでいます。東京では珍しいみかん狩りができる農園として、みかんとブドウを中心に生産されています。今年、一人目の赤ちゃんもうまれ、家族で力を合わせて農園を盛り上げています。
- 農家の後を継いだ経緯は?
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大学を卒業した後、実家に入って農業を始めました。大学も農学部で農業について学びましたので、決めていたわけではありませんが、最終的には農園に入りました。(卓矢さん)
私は結婚してすぐにこちらで仕事させていただいています。その前も忙しい時にはアルバイトとしてお手伝いしていましたので、すんなりと農園に入ることができました。(千景さん) - やりがいはどのようなところですか?
- 作ったみかんを買ってくださるお客様の顔が見えるところです。その場で食べていただいて、喜んでくださるお客様の様子を見た時にやりがいを感じます。(卓矢さん)
色々なチャレンジができることです。特にみかん狩りや販売は接客業でもあるので、いろいろな人と会えるのが面白いところです。(千景さん) - 東京で農業をする魅力はどんなところでしょう?
- 消費地がすぐそばにあるので、ちゃんとしたものを作っていれば、在庫として残らないということです。(卓矢さん)
若手も多く、友達もたくさんできました。そんな仲間と「何かを変えたい」と未来を語り合えるのがとても楽しいです。(千景さん)
(卓矢さんと千景さんは東京フレッシュ&Uターンセミナーにご夫婦で参加していました) - 就農を考えている方に
- 東京だと消費者がすぐ近くにたくさんいるので、やり方次第ではオリジナルの経営でやっていけます。お客様が直接買いに来てくれるので、東京に畑があってよかったな、と思えるような環境です。自分も農家に生まれてよかったと思えるようになりました。(卓矢さん)
農作業は大変なところもありますが、東京はレストランや百貨店など、いろいろなところに直接出荷できる環境です。ここに卸したいからという理由で何か作るようなことも可能です。作って出荷するだけではない魅力があります。(千景さん) - 女性で就農を目指している方へ
- 大変なことも多いですが、経営面もお嫁さんが一緒に携われる時代です。様々な場面でやりがいを見つけられると思います。農家というと作って出荷というイメージがありますが、これからの農業はそれだけじゃないという魅力があります。(千景さん)