マルコポーロと烏骨鶏
烏骨鶏(うこっけい)という鶏をご存知でしょうか?
優雅な白い羽毛と皮や肉、骨がカラスのように黒いことが特徴の鶏で、マルコポーロの「東方見聞録」にも『シャム猫のように柔らかい絹糸状の羽毛に包まれた珍しい鶏』として紹介されています。
中国では古くから霊鳥として扱われ、薬膳の材料として王侯貴族や特別な階級の方々に大切にされてきました。
食品成分 | うこっけい卵 | |
---|---|---|
廃棄率 | 15% | |
エネルギー | 176kcal | |
水分 | 73.7g | |
たんぱく質 | 12.0g | |
脂質 | 13.0g | |
炭水化物 | 0.4g | |
灰分 | 0.9g | |
重量 | 100g |
全身を柔らかい羽毛で覆われ、肉や骨が黒いという特徴を持つ烏骨鶏は、江戸時代に中国から渡来しました。
肉や卵が薬膳の素材として珍重されてきましたが、産卵率が低いため「東京うこっけい」は、産卵率の向上を目的に東京都畜産試験場が産卵率の良い烏骨鶏を選抜をして改良しました。
烏骨鶏(うこっけい)という鶏をご存知でしょうか?
優雅な白い羽毛と皮や肉、骨がカラスのように黒いことが特徴の鶏で、マルコポーロの「東方見聞録」にも『シャム猫のように柔らかい絹糸状の羽毛に包まれた珍しい鶏』として紹介されています。
中国では古くから霊鳥として扱われ、薬膳の材料として王侯貴族や特別な階級の方々に大切にされてきました。
鶏肉としてもおいしいのですが、烏骨鶏の卵は非常に人気があり、一般的な鶏と比較して産卵数が少ないことから1個500円ぐらいが相場という高価な食材です。
一般的な烏骨鶏は年間50~80個しか卵を産みませんが、東京都畜産試験場(現 東京都農林総合研究センター)が産卵率の向上を目的に選抜を行って、年間190個程度(55%)まで産むように改良されたのが「東京うこっけい」です。
そんな希少な東京うこっけいの卵を生産している立川市の「伊藤養鶏場」に伺いました。
伊藤さんの養鶏場では、風が抜ける開放型鶏舎で、太陽の光を浴びさせながら「東京うこっけい」1,500羽と純国産赤玉鶏「もみじ」1,500羽、東京軍鶏1,000羽を育てています。(令和元年5月現在)
衛生上の問題で、部外者は立ち入ることができないので、鶏舎の外から鶏たちを眺めました。
早速、東京うこっけいともみじの赤玉卵を割って見せていただきました。
黄身の色が濃いですね!!
小ぶりな方が、東京うこっけいの卵です。白身が少なくて黄身の高さがあるのが特徴です。
厳選した10~13種類ぐらいの材料を混ぜ、自家配合したエサを成長過程に応じて与えながら、大事に育てています。
一般的な鶏を100羽飼っていたら毎日95個の卵が採れるのに対し、一般的な烏骨鶏は、1週間に、1個ぐらい。東京うこっけいは3日に1個ぐらい産む計算なのですが、そもそも烏骨鶏は原種の鶏に近い品種なので、冬になるとほとんど産卵しなかったり、季節によって波が激しいそうです。
産ませようと思えば5年ぐらい卵を産むそうですが、大きさにばらつきがあったり、産卵数が減ってきたりするので、伊藤さんのところでは、卵を産む鶏は1年ぐらいで廃鶏にするそうです。
飼育の手間がかかるわりに産卵数が少ないので、本当に希少な卵なんですね。
ご自身が育てている鶏の卵は、生で食べておいしくなることを目指しているそうです。
伊藤さんオススメの食べ方は、「たまごかけご飯」です。侮ることなかれ、ひと手間でビックリするほどおいしいです。
材料は、熱々のごはんと東京うこっけいの卵。白身が少ないので、ご飯は少なめが良いです。
まずは、茶碗に熱々のご飯を盛ります。
卵の白身と黄身を分け、白身だけを茶碗に入れて、ごはんとよくかき回します。
この状態で、白身に混ざったごはんを味わいます。(お好みで塩やお醤油を垂らして。)
真ん中をくぼませ、黄身を落とします。
黄身をつぶして黄身と混ざったごはんを楽しみ、味の変化を楽しみます。
余談ですが、生卵を食べるのって日本ぐらいです。
海外からのお客様にもぜひ食べて欲しいおいしさでした。
東京の畜産物「東京うこっけい」のページはこちらから
▽https://tokyogrown.jp/product/detail?id=571286
「独自の経営論で養鶏の未来を変える」のページはこちら
▽https://tokyogrown.jp/special/professional/detail?id=657519
とうきょう特産物販売店「伊藤養鶏場」のページはこちら
▽https://tokyogrown.jp/shop/detail?id=634515
レシピ「うこっけい卵のプリン」のページはこちらから
▽https://tokyogrown.jp/recipe/detail?id=571365
島田さん
伊藤さん
味が濃いので、カステラなどのお菓子にも利用される東京うこっけいの卵ですが、歴史的には、肉が珍重されていました。
色が黒いせいか日本では一般的に普及してきませんでしたが、伊藤さんは、今の時代、東京ではジビエなども流行っていて、肉に対しての抵抗も少なくなってきているように感じるので、ブランド肉としての可能性にチャレンジしたいとおっしゃってました。
親子丼で有名な人形町の老舗「玉ひで」さんと、そぼろ親子丼にするために、おいしくなるように育てる研究もなさっているそうです。
東京うこっけいの肉が、身近になると嬉しいですね。