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千住ネギ

千住ネギの基本情報

千住ネギ食品成分
廃棄率40%
エネルギー34kcal
水分89.6g
たんぱく質1.4g
脂質0.1g
炭水化物8.3g
灰分0.5g
重量100g

江戸時代に江東区の砂村から千住に伝わった根深ねぎの一種で、ねぎ産地で集積地だった千住の名前が付きました。甘くて柔らかいのが特徴でメロン以上の糖度があります。江戸東京野菜のひとつです。

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千住ネギをハント!

千住ネギ

江戸っ子が愛した千住ネギ

江戸っ子が好んで食べていた蕎麦やねぎまに欠かせない野菜があります。
それは、千住ネギです。
浅草に近い千住のあたりには、日本で唯一の長ネギ専門の市場があり、昔から千住ネギが扱われてきました。
我々が普段目にする根深ネギ(白ネギ)は全て「千住系」に分類されますが、千住系の中でも固定種としての品種である千住ネギは巻きが多くて身がしまっており、煮崩れしづらく、加熱すると柔らかくて、とろけるような甘さが特徴です。

千住ネギ畑

江戸時代から受け継がれてきた固定種の千住ネギが、どんな風に育てられているのか知りたくて、千住ネギ(江戸千住葱)の専門店「浅草葱善」さんにご案内いただき、練馬区にある井之口さんの畑に伺いました。
駅から10分ほど歩いた住宅地の真ん中に井之口さんの畑はありました。

千住ネギ畑 千住ネギ畑 千住ネギ畑

千住ネギの命の源は、大地に張られた根だった!

早速、千住ネギの収穫を見せていただきました。
千住ネギは、根がよく張るので、普通の長ネギのように上から引っ張っても簡単には抜けません。
深く土を崩してから抜きます。
ほら。根っこがびっしりでしょ?

井之口さんはお父さんの代から千住ネギを栽培していて、地元のJAが初めて実施した品評会で準優勝し、翌年には優勝されたそうです。その後、地域の方針でキャベツを育てることになり、千住ネギはいったん止めてしまったそうですが、お父さんからは「千住ネギは、うまいぞー」という話だけは聞いていたそうです
10年ほど前に、千住ネギを作ってみないかと声をかけられたことをきっかけに試しに作ってみたところ、手間はかかるけれど、お父さんの言葉通り、びっくりするほどおいしくて、それから作り続けているそうです。
千住ネギは3月初旬に種まきをし、育った苗が5月下旬ぐらいにやってきます。苗の中でも元気なものを選んで畑に植え、成長にあわせて白い部分が長く育つように何度も土寄せをします。
千住ネギは葉折れしたり、倒れやすいので、井之口さんは台風などの対策として紐を張ってネギが倒れない工夫をしていました。
11月中旬には収穫できる大きさになり、12月~1月が出荷のピークで2月ぐらいまでが旬です。

千住ネギ

畑のダイヤモンドは、甘露!

千住ネギを眺めていると、緑色の部分に朝露のようなキラキラを発見しました。これはなんでしょうと尋ねたところ、舐めてごらん。と言われたので素直にペロリ。
うわ。甘い!砂糖みたいです。
ネギの甘み成分が葉を通じて出てくるのだそうです。
「畑のダイヤモンド」っておっしゃっていました。

千住ネギ畑

良い千住ネギの選び方

皮を剥いたとき、全体的に艶があって、みしっと身が詰まった千住ネギを選びましょう。
乾燥しやすいので、泥付きのまま新聞紙などに包み、その上から大きなビニール袋で包んで立てて置いておくと長持ちします。

千住ネギ

千住ネギのおいしい食べ方

井之口さんと浅草葱善の田中さんに、おすすめの食べ方を伺ってみました。
生のまま刻んで、鰹節と醤油を混ぜると、ごはんにもお酒の肴にもいいと、井之口さん。
鍋物や、真っ黒になるまで焼いて、外側の皮だけを剥いて塩を振って食べたり、筒切りにして天ぷらにしたりしてもおいしいよと、田中さん。
ちなみに千住ネギは、青い部分も甘くて柔らかいです。

▽レシピ「焼き千住ねぎのオイスターポン酢がけ」
 https://tokyogrown.jp/recipe/detail?id=675279

太さによって使い分け

交配種の長ネギは、蒔けばどれも同じように伸びて、収量も多く、太さも均一に成長しますが固定種である千住ネギの場合はそのようにはいきません。
いろいろな太さのものが収穫されるので、浅草葱善さんのところでは、昔から、太いものは鍋屋さん、中ぐらいのものは焼き鳥屋さん、細いものは蕎麦屋さんと、ネギの太さによって売り先が決まっているそうです。
どれも江戸っ子の好きな料理に使われるんですね。

 井之口さん

 田中さん

ひとこと

●井之口さん
 古い品種は栽培に手間はかかるけど、おいしいネギです。
●田中さん(浅草葱善)
 伝統のおいしい江戸千住葱を継承していきたいです。

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