緒方湊の誌上セミナー

STUDY 39

秋の味覚「栗」!

栗は、青森の三内丸山遺跡から数多く出土しており、縄文時代初期から食用に利用されていたと考えられています。平安時代の初期には京都の丹波地方で栽培が始まりました。「古事記」「日本書紀」「延喜式」にも記述があります。
現在、日本で栽培されている栗の品種は40種以上もあります。ゆで栗、焼き栗、栗ごはん、ポタージュ、モンブラン、渋皮煮など栗を使った料理は切がありません。大粒で甘いあきる野市の「秋留(あきる)の栗」を食べたことはありますか?直売所などで入手可能です。ぜひご賞味ください!

問題

栗はどの部分を食べているでしょう?

  • ① 種
  • ② つぼみ
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正解は、① 種です。

<解説>

イガは皮、栗の硬い皮(鬼皮)は果肉、食べている部分(渋皮と中身)が種になります。一般的な品種ではイガの中に3個の栗(種)が入っていますが、品種や受粉状況によって1つや2つになります。

栗の語源は諸説ありますが、実が黒褐色なので「黒実(くろみ)」が転じて「くり」になった説や、落ちた実が小石、硬い実が小石のようだということで小石を意味する古語「くり」が語源とする説などあります。貝のハマグリは形が栗に似ていることから「浜の栗」でハマグリになったと言われています。

問題

栗はある保存方法で甘みを増やすことが出来ます。
それはどちらの方法でしょう?

  • ① 冷蔵庫のチルド室で保存
  • ② 2日間以上天日干しをする
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正解は、① 冷蔵庫のチルド室で保存です。

<解説>

栗は低温にさらされるとデンプンが糖に変わりますので、新鮮な栗は冷蔵庫のチルド室で数日間保存することで甘味が増します。
硬い殻に包まれているので、あまり鮮度は落ちなさそうに思えますが、生のままの栗は意外と早く鮮度が落ちます。乾燥すると香りが抜け、実が痩せスカスカになります。栗をポリ袋などに入れることもポイントです。

<東京の栗>

秋川流域は栗産地としても有名です。あきる野市のブランド栗「秋留(あきる)の栗」は大粒で甘いのが特徴です。栗にはビタミンB1が豊富に含まれており、疲労回復をサポートしてくれます。栗の渋皮にはポリフェノールの一種であるタンニンが多く含まれているので、渋皮煮などで皮ごと食べるのもおすすめです。

問題

栗を使ったデザートで有名な「モンブラン」ですが、
名前の由来はフランスとイタリアの国境にあるアルプス山脈最高峰の
山の名前「モンブラン」です。どのような意味なのでしょう?

  • ① 白い山
  • ② 栗の山
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正解は、① 白い山です。

<解説>

栗の山とイメージがありますが、フランス語で「モン」は山、「ブラン」は白という意味です。
ちなみに「マロン(marron)」は英語ではなく、フランス語です。英語で栗は「chestnut(チェスナッツ)」と言います。

桃栗三年柿八年 柚子の大馬鹿十八年

これは皆さんご存じのことわざです。意味は、植えてから実がなるまで(収穫まで)に何年かかるかを表していますが、実際にモモや栗を植えて実がなるまで3年、柿は8年かかることが多いようです。
物事はすぐに出来ることではないという比喩ですが、実際にそれだけの年月を掛けて生産物が手元に届いているのです。

東京の特産物

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