緒方湊の誌上セミナー

STUDY 32

話のタネになる「種」の話

植物には、それぞれ発芽に適した温度があります。
その植物の原産地がどこなのかを知ると、イメージしやすくなることもあります。
発芽に適切な温度は何度なのか? 水を好むのか? 日光は好き? など。また収穫までどれくらいの期間が必要なのか?それが分かると計画も立てやすくなります。

問題

種子が発芽するためには、何が必要でしょう?
答えは3つあります。

  • ① 水
  • ② 日光
  • ③ 土
  • ④ 温度
  • ⑤ 空気
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正解は、①水、④温度、⑤空気です。

<解説>

種子が発芽するための必要な3条件は、
「水」「適切な温度」「空気(酸素)」です。
この3つの条件が揃うと発芽します。

土の中に種を埋めることもありますよね。だから②の日光は必ずしも必要ではありません。③の土に関しては、水耕栽培という方法もあるので、土も必ずしも必要ではありません。

<POINT>

種子の袋に記載されている「発芽適温」を確認しましょう

発芽する温度は植物ごとに違いますので、それぞれの発芽適温を確認します。
例えばニンジンの発芽適温は15~25℃前後。
「発芽適温15~25℃」の場合、1日の最低気温から最高気温までがこの間に収まっている時期に種を撒くと、7~10日で発芽します。
35℃以上の高温や3℃以下の低温だと発芽せず10℃以下の場合には発芽まで15~20日を要します。


「光」が発芽に影響する種子もあります

発芽に欠かせない訳ではありませんが、植物によっては、「光」も発芽に関係します。
種は土の中に埋める、または上から土で覆うというイメージがあるかも知れませんが、「好光性種子」と「嫌光性種子」といい発芽に光を必要とする種子と、そうでない種子があります。 好光性種子はごく薄く土をかぶせ、嫌光性種子は2~3㎝の深さに種を撒き、土をかぶせます。
  • 好光性種子・・・ニンジン、レタス、キャベツなど
  • 嫌光性種子・・・トマト、キュウリ、ダイコンなど
  • どちらでもないもの・・・トウモロコシ、ホウレンソウなど

問題

「種子にも寿命がある」と聞いたことがありますが、本当なの?

  • ① 寿命はない
  • ② 寿命がある
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正解は、②寿命があります。

<解説>

種子の入っている袋を見ると「有効期限」の記載があります。
勘違いされがちですが、これは種苗法によって種苗メーカーが種子の発芽試験をした日から一年間を有効期限とする決まりがあり、未開封の袋に入っている種子を使用した場合の一年間の発芽率も記載されています。有効期限が過ぎても発芽はしますが、保存状態によって発芽率の低下はあります。袋を開封したら出来るだけ早く使用しましょう。
種子にも寿命の長いもの(トマト、スイカ、ナスなど)と、寿命の短いもの(トウモロコシ、ニンジン、タマネギなど)があります。

<POINT>

発芽率を上げましょう

種子の発芽条件、光の好み、有効期限をきちんと守っても発芽が難しい野菜があります。
ニンジンです。ニンジンの種は発芽率が低く、発芽したら半分は成功といわれるほど、発芽が難しい野菜です。ニンジンの場合、種子をコーティング加工(ペレット種子、フィルムコート種子など)して発芽率をよくした種子などもありますので、種子の袋の記載事項をよくご確認ください。

加工されていない種子の場合(ニンジン)

ニンジンの種子の表面にある細かい毛は、水をはじき発芽率に影響が出るので、事前によく揉んで毛を落としてください。その後種子を一晩水に浸け、種子の殻をふやかしておきます。
セリ科の植物は互いに競い合う性質があるので、すじまきにして後で間引くようにします。

問題

ジャガイモを栽培する場合、
スーパーで買っておいたジャガイモを植えてもよい。

  • ① ○ 問題なく栽培できる
  • ② × 種いも用のジャガイモが必要
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正解は、② ×種いも用のジャガイモが必要です。

<解説>

ジャガイモはウイルス病に感染しやすいので、植物防疫法に基づき農林水産省の検査機関の検査に合格したもののみが、種イモとして品質保証されています。
なので合格証のある種いもを購入しましょう。大きな種いもは、芽出し(浴光育芽)をした後に大きさに応じて切り分けないといけないので、これからジャガイモ栽培に挑戦したいと思っている方は、小さな種いもを選ぶとよいです。

<POINT>

初めて家庭菜園を始める方は春植えがおすすめ

ジャガイモは春と秋の2回植え付け時期がありますが、気温や湿度が高くなるとジャガイモは傷みやすいので、梅雨の時期に入る前に収穫できる春植えがおすすめです。
菜園やプランターがなくても、土が入っていた袋をそのまま使う「袋栽培」で簡単にジャガイモを育てることができます。

問題

種まきは、大きく分けると
「すじまき」「点まき」「ばらまき」があります。
トウモロコシを栽培する場合、適している種まきの方法はどれでしょう?

  • ① すじまき
  • ② 点まき
  • ③ ばらまき
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正解は、② 点まきです。

<解説>

点まきは、トウモロコシ、オクラ、ダイコン、ハクサイなど大きく成長する野菜や、根が大きく成長する野菜の種まきの方法です。
空き缶やコップの底部を利用して、土にくぼみを付け、くぼみの中に種を4粒程度撒きます。種の上に土をかぶせ、手で押してしっかり鎮圧します。種と土をしっかり密着させることで発芽率が上がります。
発芽後に一箇所一本に間引きすることが多いです。

<POINT>

すじまき・ばらまき

「すじまき」は、土に細い溝をつくり1cm間隔程度で種をまきます。
小松菜やほうれん草、ニンジン、ラディッシュなどを栽培する際の種まき手法です。必要な株間を確保出来れば、2列、3列とすじまきが可能です。
「ばらまき」は土の上から、種をパラパラとまいていきます。すじまきで栽培する野菜もばらまきで栽培可能です。簡単な手法ですが、種が偏りやすいので、慣れないうちはすじまきの方がおすすめです。
葉野菜をベビーリーフとして食べる場合、そこまで大きくする必要が無いので、ばらまきでも問題なく栽培できます。

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