STUDY04 東京の林業を学ぼう!

林業(りんぎょう)って何?
「林業」は、木を育て、森を作り、育った木を伐採して、木材を生産し利用する産業です。切った木は、建物や家具、燃料などに利用されています。木を切った後には苗木(なえぎ)を植えて、新しい木を育てます。

東京の森林

東京都の面積のおよそ4割は森林です。その森林の約7割が多摩川(たまがわ)、秋川(あきがわ)、浅川(あさかわ)の上流にあります。東京って、意外と森林が多いですね!
  • 東京の森林の広さ
  • 東京で林業で働いている人の数
  • 東京の林業生産額

出典 東京都産業労働局:東京都の農林水産統計データ(令和元年度版)
   林業就業者数の推移
   東京都「令和元年度版 東京の森林・林業」より

森林のめぐみ、働き

また森には、木材を生み出すだけではなく、木を薪(まき)や炭などにして燃料となったり、地面に雨をためてきれいな水にかえたり、空気をきれいにしたり、木の根が土をつかんで災害を防いだりなどの働きがあります。このような森の働きを守っていくことも林業の仕事です。

  • 天然の空気清浄機
    人間の生活から出る二酸化炭素を森が吸って、光合成(こうごうせい)で酸素を出します。二酸化炭素を減らすことは地球を温暖化(おんだんか)から守る働きもあります。
  • 天然の浄水器
    森が蓄(たくわ)えた水は、ミネラルなどをたっぷり含(ふく)んだおいしい水になります。
  • 天然のクーラー
    木の葉が日差しをさえぎってくれるだけでなく、森が蓄えた水が木々の葉から蒸発(じょうはつ)することによって周りの気温を下げてくれます。
  • みんなの防波堤
    木は土の中にたくさんの根をはりめぐらせています。雨がふると、森の木々の根や土がスポンジのように雨水を吸収し、一度に雨水や土砂(どしゃ)が流れ出すのを防いでくれます。そのおかげで、私たちのまちは洪水(こうずい)や土砂(どしゃ)から守られているのです。
  • 生き物たちのすみか
    さまざまな植物が茂(しげ)った森は、食べ物が豊富で、動物が安心してすめる場所になっています。
  • みんなの憩いの場
    おいしい空気・水にあふれる森は、訪れた人をほっとさせ、癒やしてくれます。山歩きを楽しんだり、キャンプをしたり、いろいろな楽しみ方ができます。

木が製品になるまで

木を切っても、そこにまた木を植えたり、木が元気に育つように手入れをすることによって、森の美しい環境が守られます。加えて、その木材を、さまざまなところでしっかり使うことも大切な取り組みです。切って、使って、植えて、育てる。森林循環(しんりんじゅんかん)の流れを作るのが林業です。

森の循環

林業の仕事

地ごしらえ→植栽(しょくさい)→下刈り・つる切り・除伐(じょばつ)→枝打(えだう)ち→間伐(かんばつ)
と、1年間で季節ごとの作業を行います。

  • 地ごしらえ
    2月〜3月に行う作業です。立木を伐採した跡地を整理して、苗木を植えられるように準備をします。
  • 植栽
    4月〜5月に行う。作業です。苗木を1本1本植えていきます。
  • 下刈り・つる切り
    6月〜8月に行う作業です。苗木の成長を邪魔する雑草や、かん木を刈り払って苗木の成長を助けます。
  • 枝打ち・除伐
    9月〜10月に行う作業です。余分な枝を切り落としていきます。
  • 間伐
    11月〜12月に行う作業です。混みあった森林を間引(まび)くことで、健康な木を育てます。

このような工程を繰り返し、森を育てていくことが林業の仕事です。

どんな機械があるの?

  • チェーンソー
    木を切るための持ち運びができる機械
  • 刈払機(かりばらいき)
    木の周りの草などを刈るための機械
  • ハーベスタ
    木を伐(き)って、枝を払い落し、丸太に切りそろえる機械
  • フォワーダ
    切った木を集めて運ぶ機械

森林ボランティアや募金活動について

森を守ることはとても大切なことです。東京都では、住民の皆さんと森を守るための活動として、ボランティアを募集しています。その他、緑を守るための募金(ぼきん)活動を行っています。

  • とうきょう林業サポート隊
    多摩地域の森を守るために、森林作業をお手伝いするボランティアを登録し、毎週水・土曜日に活動しています。
  • 緑の募金
    「緑の募金」は、私たちととても関わり合いのある緑化推進及び地域の緑化活動のために使われています。
  • 花粉の少ない森づくり運動
    花粉の少ないスギ・ヒノキに植え替えるために募金活動をしています。

東京の森林・林業のキーワード

  • 多摩産材

    多摩地域で育ち、そこで生産され、認証(にんしょう)された木材を「多摩産材」と言います。

    調べてみよう多摩産材!

  • 花粉の少ない森づくり

    春の悩(なや)みといえば、花粉症。東京都では、そのもとになるスギやヒノキの人工林を伐採し、花粉の少ないスギに変える活動をしています。花粉の少ないスギとは、いままでのスギと比べて花粉の数が1/ 100 以下のものを言い、東京でも3つの品種が開発されています。

    花粉の少ない森づくりを見る

東京林業クイズ!

クイズ1

二酸化炭素をたくさん吸うのはどちらでしょう?

  • 若い木
  • 年老いた木
答えを見る

正解は......1若い木

クイズ2

東京都の森林面積は、東京の総面積の約何割を占めていますか?

  • 1割
  • 4割
  • 8割
答えを見る

正解は......24割

クイズ3

山から木がなくなると、起きやすい災害は?

  • 大雨
  • 土砂崩れ
  • 地震
答えを見る

正解は......2土砂崩れ

体験コーナー

  • 丸太の運搬作業を見学
  • とうきょう林業サポート隊
  • わくわく体験ツアー

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