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REPORT農林水産体験レポ

『林業も農業も通じるところがあって面白い』

林業編林業編

花粉の少ない森づくりと多摩産材/ Forestry in Tokyo /

はじめての林業体験!

今回は史上最年少で野菜ソムリエプロの資格を取得した、自他ともに認める大の野菜好き・緒方湊くんが、多摩地域で行われている「花粉の少ない森づくり」の取り組みと「多摩産材」について体験してきました!

東京の森林?東京で林業?

意外かもしれませんが、東京都には総面積の約4割を占めるほどの森林が広がっています。特に多摩地域は広大な森林を有し、その6割はスギ・ヒノキなどの人工林で、木材の需要が急増した1960年から1970年代にかけて植えられた木々です。当時は木材が足りなくて全国規模で植林・造林され、活気があった林業。ですが、海外からの木材輸入が始まってしまうと、価格が安く安定的に大量供給できる外国産の木材に圧倒され、86.7%あった木材自給率は、2000年には18.2%まで落ち込んでしまいました。

林業の停滞が招いたもの

国産の木材が売れないと、林業も衰退していきます。林業を営む人が減った結果、せっかく植えたスギ・ヒノキは手入れをされることもなく、放置された森が増えてしまいました。こうなってくると、また様々な問題が起こってきます。まず、自然災害。木々が密集して、地面に日光が当たらないと下草が生えず、むき出しになった土は土砂崩れを起こしやすくなります。そして、花粉飛散量の増大という問題も現れてきました。スギは植えてから30年以上たつと多くの花粉を発生するといわれ、スギ花粉症に悩む人が増え、社会問題にもなっているのです。

花粉の少ない森づくり

こうした問題を解決するために、東京都では「花粉の少ない森づくり」の取り組みを行っています。放置されてしまっている森林のスギ・ヒノキを「多摩産材」として伐採。そして新たに、花粉の少ないスギ・ヒノキを植林し、手入れをしていく。こうして滞っていた森林のサイクルを蘇らせ、林業の再興を目指しています。

迫力の作業現場を見学!

そんな取り組みをしている森林のひとつで、今回は伐採後の丸太の運搬作業を見学しました。うだるような暑さのこの日。住宅街から一歩道を入ると、スギが広がる広大な山々と、切り出された巨大な木材。その光景に思わず「わぁ〜!」と声が上がります。木々の影と谷を抜ける風が涼やかで、暑さを和らげてくれました。

林業ってすごい!

「山から木々を切り倒し、ワイヤーを使って巻き取り、山中から丸太を一箇所に集めます。」と説明されても、理解できないほど険しい山肌と急な斜面とスケールの大きさ!職人さんたちの技術の高さに感動します。そこに巨大な作業車が!大きなカギ爪で丸太を器用に掴み、トントンと長さを揃えます。その様子はまるで鉛筆の長さを整えるよう。荷台いっぱいに整然と丸太を積んで運搬。大きなキャタピラーが迫力ある音を出していました。

農業に通じる、林業の仕組み

こうして丸太は市場へ出荷され、セリにかけられ、建材やバイオ燃料など様々な用途で使われることになります。色の違いや太さなど、農作物と同じく様々な基準で価値が変わります。また、適切に管理された森林から産出されていることを証明する「森林認証」を取得することにより、トレーサビリティー(商品の生産・流通過程が追跡可能なシステム)が確保されており、どこの山で採れた木材なのかが分かるようになっているんです!
農業では地産地消(地元で生産されたものを地元で消費する)取り組みに注目が集まっていますが、林業も同じように地産地消に力を入れています。その土地の気候・風土で育った木材は、その土地に合う材質になり、家や家具を作るのにうってつけ!丈夫で長持ちするんだそうです。

品種改良で花粉の少ないスギ・ヒノキへ

品種改良しているのも農業と似ているポイント。木を伐り出した後は、作業で出た枝葉を肥料分や表土の保護のために山に戻して、花粉の少ない品種を植林しています。こうして数十年のサイクルを経て、東京の森が花粉が少なく、良い木材を出荷できる森になっていくのです。
農業のサイクルとは時間の規模が違いますが、似通っているポイントがいくつもある林業。知らなかった東京の林業を、とても身近に感じることができました。

取材担当者から一言

迫力のある現場の見学はとても楽しかったです。林業の話をきいて農業と通じることが沢山あって勉強になりました!
林業も農業もとても大事なお仕事ですね!

緒方湊(TOKYOLOVERS NO_28)
https://tokyogrown.jp/tokyolovers/member/minato_ogata/

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