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SEASON'S REPORTTHE 東京仕事人

vol.34

『多品目の葉物を周年栽培』

農業編農業編

ルッコラ・ごせき晩生小松菜 生産者

矢ヶ崎 宏行/ HIROYUKI YAGASAKI /
ルッコラ・ごせき晩生小松菜 生産者 矢ヶ崎 宏行さん

ルッコラを中心とした多品目の葉物を周年出荷

西東京市で代々農業を営んできた矢ヶ崎さんは、パスタやサラダに合うと評判の葉物野菜「ルッコラ」を中心に、江戸東京野菜の伝統小松菜「ごせき晩生小松菜(ごせきばんせいこまつな)」(以下:小松菜)や、ちりめん白菜とも呼ばれる「シントリ菜」、「カブ」、アジアンフードブームで人気の「パクチー」などを生産しています。
矢ヶ崎さんは、ルッコラや小松菜などを、一年を通して途切れることなく出荷する「周年栽培」を実施しています。
 「周年栽培の野菜は、播種日(種を蒔く日)をずらしながら栽培します。ルッコラは、播種後約30日で収穫になるので、大体3日に1回は播種を行い、出荷を切らさないよう気を付けています。出荷を切らしてしまうと信用問題になるので、いついかなる時でも種を蒔き、受注が予想される量よりも多く作っていますね。夏のものでも冬のものでも、同じ品質を維持するために、しっかりと土作りをして日々圃場を巡回し、素早く病害虫の発生等に対応しています」

江戸東京野菜の「ごせき晩生小松菜」は、味はよいものの、一般流通されている小松菜に比べて病害虫に弱いなどの弱点があり、栽培が非常に難しいといわれる品種です。しかし、矢ヶ崎さんは、手間を惜しまず丁寧に伝統小松菜を栽培し、一年を通して素晴らしい小松菜を作ることができる数少ない生産者と高い評価を得ています。

矢ヶ崎さんは、農薬をなるべく使わずに作物を作るため、全てのハウスを細かいネットで覆っています。冬場だけは、「ごせき晩成小松菜」らしい味を求めるお客さんのために露地の畑で栽培しますが、その時も、 “トンネル”と呼ばれる半球状のネットをかけて防虫・防鳥対策を行っています。

ルッコラ・ごせき晩生小松菜 生産者 矢ヶ崎 宏行さん ルッコラ・ごせき晩生小松菜 生産者 矢ヶ崎 宏行さん ルッコラの圃場

農産物の国際基準GLOBALG.A.P. (グローバルギャップ)を取得

農業現場では、「GAP(ギャップ)」(GoodAgricultualPractice:農業生産工程管理)という、農業において食品安全・環境保全・労働安全等の持続可能性を確保するための取組が広まりつつあります。GAPの取組にはいくつかの認証制度がありますが、その中にはマークを表示できるものもあるので、購入された野菜にGAPのマークがついているのを見かけたことがあるかもしれません。
矢ヶ崎さんは、GAPの国際基準であるGLOBAL.G.A.P. (以下:グローバルGAP)と、製品に認証農場マークをつけることができる ASIAGAPの2つのGAP認証を受けました。
 「きっかけは量販店のバイヤーさんから『グローバルGAPをやらないか?』と言われたことです。調べてみると、東京都も都内の生産者のGAP取得に力を入れていて色々助けてくれるみたいだし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの選手村で使う野菜は、“グローバルGAP”などの認証を受けたものが求められると聞きました。ちょうど自分の経営を見直したいという気持ちもあったので、挑戦してみようと思いました」
しかし認証を受けるまでの道のりは生半可なものではなかったと言います。
 「農作業はもちろん、人の行動や設備の管理に至るまで、基準に従って改善し、全てをこと細かに記帳していきます。肥料や農薬を置く場所、置いた量、置き方も決まっていますし、どのハウスでいつ誰が何をやったか、土壌診断をして、どんな結果で、どんな肥料をやったか、農薬は基準以上使っていないか、いつどのくらいの量を使ったか、収穫は誰がしたか、収穫した作物の目方を量り、土などを取り除いた状態でまた量り、歩留りのパーセンテージを出す、など、とにかくありとあらゆるものにキチンと記録を残します。荷造り(袋詰めなど)をする作業場の衛生管理、蛍光灯も割れても飛散しない蛍光灯に変えました。東京都農林水産振興財団が派遣してくれたGAPコンサルタントがいなければ、取れなかったと思いますよ。」
矢ヶ崎さんは、コンサルタントの指導の下、これらの項目を全てクリアし、2018年3月に「グローバルGAP」を、同年5月には「ASIAGAP」を取得しました。2018年4月に開始した東京都GAP認証制度についても、制度開始後いち早く申請され、審査を待っているそうです。
播種から収穫までの作業工程を見直すことができたおかげで、作業効率が上がる等、様々な経営の無駄を省くことができるようになったそうです。

ルッコラ ルッコラ 矢ヶ崎 宏行さん

東京オリンピック・パラリンピックに向けて

 「グローバルGAPを取得できたことで、これまでぼんやりしていた“安全・安心”の根拠を示せるようになりました。消費者に胸を張って安心して食べてくださいと言えることは嬉しいです」と矢ケ崎さん。また、「2020年に、せっかく地元・東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるので、地元農家としてオリンピック・パラリンピックに関われたらと思っています。」と語ってくれました。

矢ヶ崎 宏行への一問一答

QUESTIONS AND ANSWERS

仕事のやりがいを感じる瞬間を教えてください
やっぱり良いものができた時ですかね。良いものができると、荷造りをしていてとても楽しいです。
ルッコラのオススメの食べ方は?
洗って食べやすい大きさに切って、生のままパスタに乗せて食べる。また、サッと茹でてしっかり水を切り“おひたし”にしても美味しいです。
小松菜のオススメの食べ方は?
小松菜のナムルがおすすめです。サッと茹でで、鶏がらスープの細粒と塩・コショウ、ごま油で和えます。
ルッコラは保存できますか?
ルッコラは基本的には生で食べる鮮度重視のものなので、保存には向きません。保存する場合は葉の水分を保てるように、販売時の鮮度保持用の袋から出さずに冷蔵庫に入れておくとよいと思いますが、買ってきたらなるべく日を空けずに食べていただくのが一番だと思います。

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