東京産の米酢に甘酒。発酵食品で「酸味」を学ぼう!

東京産の食材を使って、5種類の基本的な味「甘味・塩味・うま味・酸味・苦味」(五味)をご家庭で学べる、おうち食育をご紹介しています。
大人も子どもも一緒に楽しみながら味覚を育てるシリーズ、四回目は「酸味」についてお届けします!

酸味って?

酸味を苦手とするお子さまは多いのではないでしょうか。
実は酸味は、危険を知らせる味とされていて、食べ物が腐っていることや、果物がまだ熟していないことを教えてくれる味です。
とりわけ幼少期の味覚が敏感な時期には、本能的に身を守るために、酸っぱい味を苦手と感じてしまうんですね。
大人が酸味を美味しく味わえるのは、経験を重ねて慣らしてきたからなのです。

酸味の中にもいろいろな味があり、梅干しや酢など、体に良く、料理の味を引き立てる酸味もありますから、食べられるようになると嬉しいですね。
酸味を美味しく感じられるようになるための食育は、繰り返し食べる機会を作り、慣れていくことです。

そこで登場するのが、発酵食品。発酵食品は、「酸味」を学ぶ幼少期にぴったりの食材です。
地元東京産の発酵食品を使って、酸味のおいしさを発見してみましょう!

東京の発酵食品を学ぼう!

東京にも、長い歴史のなかで生まれた食文化や地元産にこだわりをもって作っている発酵食品があります。
その中でも今回は「酸味」の学びを深めてくれる、おすすめの食品をご紹介します!

横井醸造 米酢

江戸(東京)の地で酢作り80年余。横井醸造さんの酢は、江戸前の寿司職人でその名を知らない者はいないという程に、多くお寿司店で愛用されています。

「きんしょう米の酢」は、江戸前寿司に合うよう寿司職人と共に開発した酢で、江戸前寿司には欠かせない贅沢な酢。
赤酢の濃厚なうま味の味わいと米酢の芳醇な香りを楽しめます。
「東京都地域特産品認証食品」となっています。

▽きんしょう米の酢
https://tokyogrown.jp/specialities/detail?id=731903

東京あまざけ

東京港醸造さんの「東京あまざけ」は、東京産の米と米糀によって作られており、原材料の産地から東京にこだわった甘酒です。

ノンアルコールなので、お子さまでも心配なく飲むことができます。

スッキリとした自然のうま味と甘味が特徴で、調味料として使うのもおすすめです。
酸味を学ぶのに、なぜ甘酒? と思われた方も多いと思います。
甘酒に酸味はありませんが、酢や酸味のある食材に合わせると、強い酸味を和らげつつ、おいしさを引き出してくれるので、酸味の経験には力強い味方となるのです。

▽東京あまざけ
https://tokyogrown.jp/specialities/detail?id=571416

食育レシピ

「おいしさ」には、味だけでなく料理の見た目や、楽しい食卓の雰囲気づくりもかかわってきます。
繰り返し食べることで慣れていく酸味は、毎回の食事が楽しみになるように、彩り豊かな野菜を使ってかわいい見た目の料理で楽しく味わってみましょう!
米酢と甘酒を使ったピクルスのレシピをお伝えします。

材料(作りやすい分量)

きゅうり   1/2本
にんじん   1/2本
カラー大根  小1本
甘酒     80ml
酢      大さじ1
塩      小さじ1/4

作り方

①野菜を型抜きする
 野菜を1cmほどの輪切りにし、お好みの型抜きで抜いたり、飾り切りにしてみましょう。

②ピクルス液をつくる
 保存容器に甘酒、酢、塩を合わせてよく混ぜます。

③野菜とピクルス液を合わせる
 ピクルス液に野菜を入れて冷蔵庫で、一晩味を馴染ませましょう。

酢と甘酒を組み合わせることで、お子さまでも食べやすい優しい味のピクルスになります。
ミニトマトやパプリカなどを使うのもおすすめです。甘酒ピクルスで楽しく酸味を経験する機会を作ってみてくださいね。

まとめ

酸味はお子様にとって慣れにくい味の一つですが、味覚を育てる上でとても重要です。
今回、ご紹介した甘酒ピクルスで、お子さまと一緒に「酸味」を楽しみましょう。

管理栄養士

今村 結衣/IMAMURA YUI

管理栄養士、お野菜レシピ考案家。
カット野菜工場など青果物流通業の会社員を経て、現在は野菜の切り方教室や記事執筆など野菜に関する分野を中心に活動している。野菜を美味しく食べることが生きがいで、素材の味を生かしたレシピ作りが得意。
Instagram【 #ぽんレシピ 】で170レシピ以上公開中。一児の母。

BACKNUMBER

東京の恵み de おうち食育

RELATED ARTICLERELATED ARTICLE

トピックス

「フローリスト農家」が目指す、ちょっぴり豊かな暮らしの提案。

トピックス

【第12回】「まちのタネ屋さん」は進化する!~野村植産と東京西洋野菜研究会

トピックス

【第11回】ヤギのナチュラルチーズで新規就農! 東京の山地農業にも勝算あり「養沢ヤギ牧場」

トピックス

給食という名の愛と導き 中野区立緑野中学校 

トピックス

新春特別寄稿『都市に農地を創るときが来た』

トピックス

陽のあたる縁側 すぎのこ農園

トピックス

【第10回】目黒で農地を残すには?コミュニティの拠点として都市農地を守る  目黒区「八雲のはたけ」

トピックス

【第9回】小松菜400連作!「全量残さず出荷、それこそが一番のエコだと思う」 江戸川区 小原農園

トピックス

【第8回】落ち葉を重ねて数百年 『 武蔵野の黒ボク土』をコミュニティで掘り下げる! 三鷹市 冨澤ファーム

トピックス

【第7回】女性が主体となれる農業経営の仕組みづくり( 株式会社となったネイバーズファームの狙いと可能性)

ページトップへ