都市農業から生まれた南国の味
こんにちは!管理栄養士・お野菜料理家として活動する二児の母、今村結衣です。
野菜や果物は、栄養だけでなく「物語」のある食べもの。どんな土地で、どんな人が育てたのかを知ると、不思議と味わいが深く感じられます。
食材たちの背景にある想いを感じながら、食卓で「おいしい」が自然と育まれる時間を届けたい。そんな思いで、畑と食卓をつなぐレシピやコラムをお届けしています。
今回の舞台は、東京・三鷹市。 ここでパッションフルーツという珍しい果実を育て、 オリジナル加工品「リリコイバター」を生み出した吉野果樹園をご紹介します!
三鷹市にある吉野果樹園は、ブルーベリーやキウイを栽培する観光農園として知られています。
20年以上にわたり、約70品種・1500本ものブルーベリーを農薬不使用で育て、 「安全・安心でおいしい果実を届けたい」という想いを大切にしてきました。
そんな吉野果樹園が新たに挑戦したのが、パッションフルーツの栽培。
八王子市の農家を視察したことをきっかけに、「都市でもできる南国フルーツ」として挑戦をスタート。
ブルーベリーの収穫期と重ならないことから、地域に根ざした“新しい農業モデル”を築いています。
そして、この果実から生まれたのが「リリコイバター」。
ハワイの食文化をヒントに開発された、甘酸っぱくて香り豊かなクリームスプレッドです。
三鷹で育った果物が、南国の風を感じさせる味わいに。都市農業の中から、新しい東京の味が生まれました。
▶「生のパッションフルーツはどんな見た目?」リリコイバターの味から想像してみよう!
▶「どうして東京で南国の果物ができるの?」親子で考えてみると、都市農業の工夫が見えてくるかも。
▶「東京でパッションフルーツを生産している地域は他にもあるようだけど、それはどこかな?」南国フルーツ生産に挑戦する地域を調べてみよう!
▶「東京では他にどんな果物が作られているのかな?」東京の農業を調べてみよう!
このレシピのポイントは、リリコイバターの甘酸っぱさとミルクのまろやかさを組み合わせること。
牛乳のやさしい味わいの中に、リリコイバターの酸味と香りがふわっと広がるスイーツに仕上がります。
身近な寒天スイーツが南国の香りをまとった特別なおやつに変わりますよ♪
果物を切って入れたり、混ぜたりと、子どもと一緒に楽しめる工程が多いのも魅力。
ぷるんとした食感やひんやりとした口あたりを五感で楽しめるので、味覚を育てるおやつにもぴったりです。寒天の食物繊維でおなかの調子を整え、お通じ改善にも効果的!
● お好みの果物(イチゴ・ミカン・モモ・キウイなど)…合わせて200g
● 粉寒天…小さじ1(2g)
● 水…100ml
● 牛乳…300ml
● リリコイバター…小さじ6(30g)+トッピング用小さじ4(20g)
1.果物を小さめにカットし、トッピング分50g程度を残してカップに入れる。
2.鍋に水と粉寒天を入れ、よく混ぜてから火にかける。
沸騰してから2分ほどしっかりと煮溶かす。
3.牛乳を加えて混ぜ、沸騰させないように温めて全体が均一になったら火を止める。
4.少し冷めたらリリコイバター(小さじ6)を加え、全体をやさしく混ぜる。
5.カップに静かに注ぎ入れ、冷蔵庫で1〜2時間冷やして固める。
6.固まったら、トッピング用のリリコイバターをかけて出来上がり!
▶好きなフルーツを選んで切って、容器に入れてみよう!
▶カップに注ぐときは、ゆっくり・そっと。固まるまでのワクワクを一緒に感じてみよう!
▶出来上がったら、その感触を言葉にして味わってみよう!
三鷹のまちで育つパッションフルーツ。
それを使ったリリコイバターが、家庭の食卓で新しい味を届けてくれます。
東京の都市農業が生み出す南国の恵みが、「こんな果物が東京で育つんだ!」という気づきを生み、親子での会話や食育のきっかけに。
小さなスプーンから広がる東京の味をぜひ楽しんでみてくださいね。

埼玉県出身。二児の母。女子栄養大学 栄養学部 実践栄養学科卒業後、青果物の専門商社でカット野菜工場の品質管理業務に従事。
その後、地域密着型の青果店で野菜の仕入れ、配送、営業等に携わる。その傍ら、野菜の切り方教室を開催。
結婚、出産を経て、野菜や農業に関わる企業のサポートやレシピ記事執筆を行っている。
Instagram▶https://www.instagram.com/ponsan.68/




