管理栄養士、お野菜料理家の今村結衣です。0歳と3歳の子を持つ母であり、日々の生活の中で子どもたちと野菜を楽しんでいます。
食育コラム『東京の恵みdeおうち食育』の第3シリーズ、色で楽しむ東京野菜の『あか』編をお届けします。

このシリーズでは、五感の中でも1番の刺激となる「視覚」を使ったおうち食育のレシピやポイントをご紹介しています。
今回は取り分け離乳食にもできるトマトレシピです。
大人も子どもも一緒になって、色の視点から東京野菜の魅力を再発見していきましょう!

〈目次〉
1. 夏のエネルギッシュさを食卓に:トマトと『あか』
2. 東京都エコ農産物認証トマト
3.【レシピ】トマトソテーの肉みそがけ
4.『あか』の食育ポイント
5. まとめ

夏のエネルギッシュさを食卓に:トマトと『あか』

今回のテーマ色は、『あか(赤)』。
夏の季節が訪れると、私たちの周りにはエネルギーが溢れます。
トマトの『あか』は、夏のエネルギッシュな雰囲気をそのまま食卓に届けてくれます。その色鮮やかさと栄養価の高さで、家族で過ごすひと時をさらに豊かにしてくれるでしょう。
今年の夏は、トマトをたくさん取り入れて、元気いっぱいの食卓を楽しんでみてはいかがでしょうか。

赤色の色素は、主にカロテノイドやポリフェノール由来のものです。トマトの赤もカロテノイドの一つである「リコピン」の色で、抗酸化作用のある栄養素です。

東京都エコ農産物認証のトマト

今回使用したのは、東京都青梅市の中村芳男さんのトマト。
袋には「東京都エコ農産物認証」のシールが貼られています。

東京都では、「東京都エコ農産物認証制度」という取り組みが行われています。安心安全な農産物を届けることや、環境に配慮した農業を推進することを目的とした認証制度です。
東京都の設けた基準をクリアした生産物のみが認証マークをつけることが可能で、消費者側としても購入する際の判断基準の1つにすることができます。

【レシピ】トマトソテーの肉みそがけ

トマトは焼くだけで甘みも旨みも一段とアップします。
取り分けてひと手間加えれば、離乳食や幼児食にも使うことができます。
赤ちゃんから大人まで一緒に楽しめるレシピですので、ぜひ作ってみてくださいね。

材料(作りやすい分量)

・トマト            2個
・鶏ひき肉(豚ひき肉でもOK)   40g
・みそ           小さじ1
・みりん          小さじ1
・油            大さじ1/2

作り方

① トマトはヘタをくり抜き、3等分の輪切りにする。

②  フライパンを中火で熱し、油とトマトを入れて、ほんのりと焼き色がつくまで両面焼く。

③  焼けたトマトをお皿に取り出し、空いたフライパンに鶏ひき肉を入れて色が変わるまで炒め、みそとみりんで味付けをする。

④  トマトの上に③を盛り付ける。

〈取り分け離乳食・幼児食〉

離乳食にする場合は、焼いたトマトを裏ごし器を使って皮とタネを取り除きます。
ジュース状になったトマトに、炊いたごはんを加えてリゾット風に。
月齢や年齢に合わせて、肉味噌を加えて味を調整するのがおすすめです。

レシピPOINT

・油は米油がオススメです。クセのない味とビタミンEを含む油で、トマトとの相性も抜群です。
・フライパンに残った油でひき肉を炒めることで、油に溶け出たトマトの栄養素も余さず、料理に使うことができます。

『あか』の食育ポイント

赤色の栄養素は、抗酸化作用や免疫機能のサポートに期待できる栄養素であり、積極的に食事に取り入れたい色です。赤色の栄養素をより効果的に取り入れるための食育ポイントをいくつかご紹介します。

【子ども用は皮やタネは取り除く】
トマトやニンジン、パプリカといった赤い野菜は、比較的皮がしっかりとしたものが多いため、食べたときに口の中に残りやすいことがあります。
味覚や触覚の感度の高い子どもたちにとっては、嫌がるポイントとなってしまうため、なるべく取り除いてあげることで食が進みやすくなります。

【油を使って料理する】
トマトのリコピンを含む、カロテノイド系の赤色の色素は油に溶けやすいのが特徴です。
油と一緒に摂ることで、栄養素の吸収率のアップが期待できます。油を使って調理をしたり、オイルドレッシングと合わせるのもおすすめです。

【じっくり加熱する】
ニンジンやパプリカ、根菜類のビーツや赤かぶなどは、じっくりと加熱することで、甘みを引き出すことができます。
トマトは煮崩れやすいため、ソテーの場合はさっと炒める程度にしていますが、加熱で酸味を飛ばし、甘みを好む子どもたちにも食べやすい味にすることができます。

まとめ

今回の『あか』編では、トマトで赤色を楽しみました。
赤色は、色の中でも視線が行きやすく、子どもたちの興味をそそる色です。
食欲をかき立てる色でもあるので、夏の暑さで食欲がない日にも、積極的に食卓に取り入れてみてくださいね。

管理栄養士

今村 結衣/IMAMURA YUI

管理栄養士、お野菜料理家。二児の母。
カット野菜工場など青果物流通業の会社員を経て、野菜の切り方教室や記事執筆、野菜染めグッズ販売など野菜に関する分野を中心に活動。
野菜を美味しく食べることが生きがいで、素材の味を生かしたレシピ作りが得意。
Instagram【 #やさあいレシピ 】で200レシピ以上公開中。
https://www.instagram.com/ponsan.68/

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