ヤギも子供も土地も育てる暮らし
「基本的に、仕事は全部僕がひとりでやっています。家には、妻と4歳になった長男と9か月の0歳児がふたり。下の子供は双子なんですよ。だから家の方もてんやわんや。新規就労で牧場を始めて、今、たぶん人生で一番大忙しですね」と笑う。「チーズのコンテストを狙わないの? という声もいただくんですが、今はそこに全力を注ぐような状況ではなくて。美味しいチーズを作りたい、という気持ちはあるけど、名誉がほしいわけではなくて。ただ、今やっていることが最終的に家族の幸せになるように、という気持ちを忘れないようにと思っています。まだ牧場もここでの暮らしも始まったばかりで、そんなこと言っている状態じゃないですけど」。
春先がヤギの出産シーズン。初めて迎えたこの牧場での出産時は、子育てラッシュだったそう。「ヤギも双子、うちの子も双子。ついでに、屋根裏に住み着いていたアライグマの子供も双子(笑)。牧場でヤギにミルクあげて、仕事が終わって家に帰ってからは子供たちにミルクをあげて。子育ての日々でした」。同時に、牧草が育つように牧場も育てている。「もともと土地にあった草も潤沢じゃなくて。今は、干し草を買ってきて与えていますが、なるべくここで牧草を育ててそれをヤギに食べさせたいんです」。
