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REPORT農林水産体験レポ

『奥多摩の自然がつくる東京の日本酒』

農業編農業編

澤乃井(小澤酒造)/ Sawanoi(Ozawa Brewery) /
澤乃井(小澤酒造) 澤乃井(小澤酒造)

東京の名水で仕込まれる日本酒

海外でも人気が高まっている日本酒。各地にいろいろな銘柄がありますが、東京で造られている日本酒も数多くあること、ご存じですか?
現在都内には10の酒蔵があり、それぞれ個性ある魅力的な日本酒を醸造しています。その中でも、一番西に位置する酒蔵が「澤乃井」を造っている小澤酒造。奥多摩の大自然の中にあり、江戸時代から続く酒蔵の見学が出来るということでお邪魔してきました!

※撮影のためマスクを外している箇所があります。
※コロナ感染対策のため撮影時でも密を避け、手洗いとアルコール消毒などを行っています。

東京で生まれる名酒「澤乃井」

日本酒好きの間でも人気が高い「澤乃井」を造っているのは、青梅市の小澤酒造。多摩川の清流を望む大自然の中にある酒蔵のまわりには、軽食や買い物が楽しめる「清流ガーデン澤乃井園」や、澤乃井の仕込み水で作った豆腐などを提供するレストラン、美術館などが点在し、周囲を散策するだけでも楽しめる気持ちのいい場所です。
澤乃井の酒造りの歴史は長く、元禄時代の創業から数えると300年以上!新宿から1時間半ほどの距離でありながら、春夏の新緑や秋の紅葉など優美な景色も楽しめる大自然に圧倒されます。今回は、この奥多摩の名水で仕込まれる澤乃井がどうやって造られているのか、プランニング&デザイン室の吉﨑真之介さんにご案内いただきます!

酒造見学で日本酒をもっと知ろう!

通常時は1日4回行われているという酒造見学。元禄時代に建てられたという歴史ある元禄蔵から入り、日本酒造りの行程を見せてもらいます。蔵に入る最初の扉の上には、大きな神棚があり、近くにある御岳山の武蔵御岳神社と酒造りの守り神としても有名な松尾神社の御札が祀(まつ)られているとのこと。
「日本人にとって日本酒というのは、神様にお供えするご神物です。私たちは、酒造り自体が神事であると考え、毎朝この神棚に一礼してから仕事を始めるんです」(吉﨑さん)

歴史を感じる日本酒造り

蔵に入ると大きなタンクに圧倒されます。
「元禄蔵は昔ながらの土蔵造りで、外気温の影響を受けにくいので貯蔵庫として利用しています。青い貯蔵タンクに書いてある数字は、上が識別番号、下が容量。8,100と書いてあるものは8,100リットルで、一升瓶だと約4,500本分です。毎日1合ずつ飲んでも飲み切るのに120年ぐらいかかる量です」

奥に進むと大きな木の樽が。
「2003年、約半世紀ぶりに木樽仕込を復活させました。蔵のすぐ裏にあった樹齢300年という杉の木を伐採することになった時、木桶にしようという話になって。杉は殺菌効果が強いので、醸造に向いている素材なんです。今はホーローやステンレス製が中心ですが、木樽で仕込むと微生物や木の呼吸の影響で、金属製とは違う複雑で奥深い味わいのお酒が出来上がるんですよ」

続いて、食用の米と粒の大きな酒米を見比べたり、もろみを搾る圧搾機を見たり、見学ポイントも盛り沢山で楽しい!

大事なふたつの仕込み水

酒蔵を出ると、小さな洞窟の入り口みたいなスポットが。
「酒造りに使う水のことを仕込み水と言うのですが、その仕込み水が湧いている井戸です。秩父古生層の岩盤を横に掘られた横井戸というちょっと珍しいタイプの井戸です。ここの水は東京都の名湧水にも選ばれている水で、ミネラル分の多い中硬水です。そしてもうひとつ、多摩川の対岸に“山の井戸”があるのですが、そこの水は軟水。近くにあるのに、水質の違う水がとれるんです。この違いを利用して幅広い種類の酒造りをしているのは、澤乃井の特徴のひとつですね」
どちらの水も鉄分やマンガンといった成分が少なく、仕込み水としての条件が揃っていて、こうした水が大量に使えることが、質の高い日本酒造りに役立っているようです。

お楽しみの利き酒タイム!

日本酒について学んだ後は、ガーデンの利き酒処で実際に日本酒を味わえます。飲めるお酒の種類はその時によって替わるとのことで、今日は9種類。どれを飲むか迷い過ぎて、特別に全種類を飲み比べちゃいました! 新酒、大吟醸、日本酒でつけた梅酒……と並ぶ中に、蔵に貯蔵されていた熟成酒も発見。
「この熟成酒の“蔵守”は2017年ものですが、保存温度などにも気をつけたいので、会員の酒販店にしか卸していなくて、普段は飲む機会があまりないかもしれません。ほかにも、ここに来ないと飲めないお酒があったりもしますよ」
スッキリしていたり、華やかな香りがしたり、飲み比べてみると違いがわかるし、自分がどういうお酒が好きなのかもわかって楽しい!
「1月は吟醸酒の新酒、4月には夏向けのお酒、その後はひやおろし……と、季節によっても違うお酒が出てきます。1年を通して、いろいろな日本酒を楽しんでほしいですね」

TOKYO LOVERSから一言

気に入ったお酒を売店で買って、ガーデンで飲むのも幸せなひととき。近隣産のワサビと澤乃井の酒粕で作ったワサビ漬けなど、大自然の中で東京産のものを味わう休日、たまりません。利き酒に使ったおちょこをお土産にもらえるのも嬉しいですね。

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