伝統文化を守るために立ち上がった船宿の若手たち
平成に入ると、大型の屋形船の登場や湾岸の埋め立て工事の影響などで、魚の数が減ってゆきました。それに伴い、長い伝統を誇る投網漁の火は消えかかり、網を投げられる人はわずかとなりました。江戸川流域には「あみ武」のように屋号に「あみ」の文字が付いた船宿が多く、これはかつて投網を生業としていた名残ですが、船宿のご主人でも網が投げられない人が増えていったそう。そこで2001年、投網漁という伝統文化を守り継承するために、小島さんたち船宿の若手が立ち上がり、江戸川投網保存会を発足。「先祖が残してくれた文化を俺たちで絶やしちゃならない。だいたい、“あみ”という屋号を付けた船宿の人間が網を打てねえなんて格好悪いでしょ。」