子どもたちが残さない野菜作りへの挑戦
「2017年は野菜の大豊作が予想されていたのに、10月の長雨のせいでかなりの品薄が続いている(2017年12月現在)。でも僕らのような都市農家は過去の経験を生かし、工夫を重ねてなんとか悪天候を乗り切れば、野菜を安定して出荷できるんです」と話す中西さんはプロの顔。この地で先祖代々続く農家の長男として生まれ、大学で農業を学んだ中西さんが就職したのは大きな光学系メーカーでした。3年間の社会人経験の後、彼は実家の農業を継ぎます。「小さな頃から野菜作りが好きだったから。大企業とは違って農業は最初から最後まで野菜の面倒が見られるでしょ」と中西さんは言います。そして現在では2.5haの畑で年間30種ほどの野菜を作り、八王子市内の複数の小学校に給食の食材として野菜を供給しています。「子どもたちが口にする野菜は安全第一ですから、できるだけ堆肥などを使って農薬を減らしています。子どもたちが残さない野菜を作ることも大切ですね。例えばダイコンでいえば、しまった土で育てたダイコンは辛くて、やわらかな土だと甘くなるんです。来年からは甘みが強い黄色いニンジン作りに挑戦するつもりです。ニンジン嫌いだった子どもが食べられるようになったなんて話を聞くとうれしいですよね。」
