小笠原・父島産の『生カカオ』で、チョコレートを作ろう!
街中にお洒落なパッケージに包まれたチョコレートが溢れるバレンタインの季節がやってきました!
いまや世界中のチョコレートを楽しめる時代ですが、その中でも貴重な国産カカオからチョコレートを作る!というとっても贅沢なワークショップが東京都立川市で開催されました。
小笠原諸島・父島のNose’s Farm Garden(以下:農園)から届いた生カカオのフレッシュな香り漂う、「あま~い」ワークショップの体験レポートをお届けします。
このワークショップの主催者は、立川市で小笠原諸島をテーマに飲食と特産品販売、島内案内等を兼ねたアンテナショップ「島想食堂」を営む中西奈美さんです。
元島民でもある中西さんに、開催に至るきっかけをお伺いしました。
「父島のカカオの安定栽培には、まだ長い年数がかかります。収穫量が少ないカカオでも多くの方に小笠原を知ってもらえる方法は、ワークショップが適していると気づいたことがきっかけです。この取り組みを通じ、農園の状況に合わせて試行錯誤しながら、父島のカカオ栽培について広めていければと思います。そして、長期的に農園を支える仕組みを作り、農家さんのモチベーションアップにつなげればと。また、ゲストの皆様には小笠原素材の背景を知っていただくことで、農園への興味を持つきっかけになることを目指しています。」
写真右端:ワークショップ主催「島想食堂」店主の中西奈美さん
生カカオをさわってみる!
まずは、2チームに分かれて自己紹介!
それから、皆で生カカオの実(カカオポッド)の感触を確かめます。
表面はツルツルしていて、小さなラグビーボール位の大きさ。
なんとなくドリアンのような筋目のカカオポッド。
次に、カカオポッドを二つに切って、中の種子を確認します。
白いフカフカの綿(パルプ)に包まれた種子の色は、濃いむらさき色。
香りは、とてもみずみずしくてフレッシュな果物のよう。
口に入れると、茹でた柔らかいピーナツを食べているような感覚です。
参加者からは、「スイカみたい!」「ライチの香りに似ているかも?!」などの声が上がりました。
弾ける?!カカオを観察する!
発酵したカカオ豆を、フライパンの上でローストすること数分。
種子の中の水分が蒸発して、フライパンの上で小躍りするカカオの様子を皆で観察!
1℃でも温度が違うと、カカオの風味が変わってきてしまうとのことで、慎重に作業を進めます。
しばらくすると、甘くて香ばしいチョコレートの香りが部屋中に漂ってきました。
(※カカオポッドの到着時の状態や時間の関係上、今回のみ発酵と乾燥作業工程は店舗にて行われており、その様子は事前配信された動画にて確認しました)
ロースト終了後は、「ハスク」と呼ばれるカカオの実の殻を参加者全員で剥いていきます。ハスクに包まれたカカオニブをすべて取り出したら、いよいよすり鉢ですり潰す作業です。
すり鉢棒でグリグリと力を加えていくと、カカオニブの中から脂分が染み出てきてしっとりとしてきました。
カカオ栽培について学ぶ!
カカオのペースト作業を進めながら、小笠原諸島・父島のNose’s FarmGardenの、野瀬もとみさんとオンライン中継で交流タイム。
野瀬さんの農園は、元々コーヒー豆が主幹作物。カカオ栽培についても、一から勉強したそうです。
小笠原諸島・父島のNose’s FarmGardenの、野瀬もとみさん。
今回使用した豆(焙煎したもの)は「クンデアモール」で、生のカカオポッドのほうは「アメロナード」という品種です。
他にも、「フォラステロ」という品種がありそれぞれ微妙にかたちや色、味も違ってくるそう。
収穫したタイミングでも糖度が変わってくるので見極めがむずかしいなど、栽培過程について色々なことを学びました。
(※カカオは厳密な品種特定が難しいため現時点では仮定的に呼んでいます)
できたてチョコを味わう!
すり潰すこと20分。ようやく「カカオマス」というペースト状になってきました!
お待ちかねの試食タイムでは、 砂糖を加える前後で味を比べてみます。
「ちょっと『あんこ』みたいな味がする?」「カカオ本来の風味がすごい!」
砂糖を加えるタイミングや練り方でも味が変わってしまう、チョコレートづくりの奥の深さに驚きです。
ワークショップの最後は、チョコレートに合うコーヒーや同農園で育てている小笠原バニラを使った菓子とのマリアージュを楽しみました。
今後も、このワークショップを続けていきたいという主催者の中西さん。
「東京・小笠原産のカカオを使用したこのワークショップを、より多くの方へ体験してもらえるように、これからも準備していきたいです。そして、カカオからチョコレートを作るというワクワク感だけではなく、いつか実際に農園を訪れてもらうきっかけになれば嬉しいです。」
今回、カカオの奥深さのみならず、小笠原諸島がいろいろな可能性を秘めた宝石箱のような島ということを発見できました!
そして、個性溢れる島の魅力と心地よい海風が感じられるような「島想食堂」へ、ぜひ足を運んでみてください。
▼「島想(シマオモウ)食堂」
東京都立川市錦町1丁目8-2 乙幡ビル1階
042-527-2050
営業時間:
火曜日(16:00~21:00)
水曜日~土曜日(ランチ11:00~14:00 ディナー16:00~21:00)
日曜日 (10:00~18:00)
※前日までのご予約でディナー22:00までOK
▼https://www.instagram.com/shimaomou_syokudou/
▼https://www.facebook.com/shimaomou/
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