『森林ふれあい教室「夏の昆虫観察会」』が開催されました。

7月24日(月)に、東京都農林水産振興財団の立川庁舎にて『森林ふれあい教室「夏の昆虫観察会」』が開催され、26名の方が参加されました。
当日の模様をレポートします。

当日の朝9時に、東京都農林水産振興御財団立川庁舎の講堂に集合した参加者のみなさん。
まずは涼しい講堂内でこれから行う観察会での注意事項や観察ポイントのレクチャーを受けました。
講師は、杉村健一先生と新井浩司先生。
杉村先生は幼少の頃より昆虫採集を行い、現在は山梨県希少昆虫調査を行うなど日頃より昆虫観察をされています。
新井先生は、小学生の時に生物に興味を持ち、友人らと虫取り等をしていたのが原体験。現在はクモの研究及び普及活動に努めていらっしゃいます。

さて、注意事項の説明が終わり、フィールドワークに出発です。

立川庁舎玄関で、杉村先生の虫取り網の長さに参加者はビックリ!

セミの抜け殻からわかることは?

まずは、財団の本館付近でセミの抜け殻を探します。
子どもたちだけではなく、保護者も真剣!木の幹や枝から伸びている葉の裏まで目を凝らして探します。
すると、たくさんの抜け殻を発見!
ここで杉村先生から、思わぬお話が・・・
なんと、セミの抜け殻でオスとメスが区別でき、種類までもわかるのだそう。
皆、抜け殻を実際に手に取ってその見分け方を学びました。

セミを捕まえよう!

本庁舎内の雑木林の中へ進みます。
今度は、抜け殻ではなく生きているセミを捕まえます。
上手に捕れるかな?
先生たちから、捕獲のコツやセミを探すコツを教えてもらいました。

カブトムシとクワガタを探そう!

広い雑木林を進み、カブトムシやクワガタを探します。
前日に、杉村先生が仕掛けたトラップにいるかな?
皆、目を凝らして探します。

カブトムシの幼虫

雑木林を抜けると、財団の堆肥置き場につきました。
この堆肥の中にカブトムシの幼虫が・・・
参加者は、両先生の指導のもと堆肥を掘って幼虫を探します。
この堆肥場はカブトムシやクワガタのゆりかごやベッドのようなものとのこと。

みなさんは、カブトムシやクワガタが卵から孵化(ふか)して蛹(さなぎ)になるまで何回ほど脱皮するかご存じですか?
正解は3回。卵から孵化(ふか)したてが1齢幼虫でほんの数mmだったのが、1~2週間後には1回目の脱皮をし2齢幼虫へ。そして、さらに3~4週間後に2回目の脱皮をして3齢幼虫になり全長が4~11cm、頭幅も8mm以上になるそうです。
(※飼育環境や遺伝によって幼虫の大きさは違いがあります。あくまで目安として捉えてください。)
そして、3回目の脱皮をして蛹(さなぎ)へ。その後、新成虫 となります。

花粉の少ない森づくり運動

次に移動したのは、無花粉スギの生育場所です。
財団職員から、花粉の少ない森づくり運動についてレクチャーを受けました。
東京都農林水産振興財団は東京都とともに、多摩地域の花粉を多く飛散するスギ・ヒノキ林を伐採し、花粉の少ないスギなどに植え替える「花粉の少ない森づくり」を進めています。

花粉の少ない森づくりは、健全な森林を次世代に継承するための取組みであり、地球温暖化防止にも貢献します。

水辺にいる生き物

フィールドワークの最後は、圃場内にある池での水辺にいる生き物観察です。
ザリガニ・アメンボ・ゲンゴロウ・ギンヤンマなどを観察しました。
(※ アメリカザリガニは、2023年6月1日より「条件付特定外来生物」に指定されました。野外に放したり、逃がしたりすることは法律で禁止されます。)

カブトムシのプレゼント

水辺での観察が終わり、財団庁舎へ戻ります。
庁舎内に入る前に、サプライズプレゼント。
参加者一人一人に、前日までに杉村先生が捕獲したカブトムシがプレゼントされました。
みんな、大喜び!

昆虫標本の作り方

カブトムシのプレゼントの興奮冷めやらぬなか、最後は講堂にて標本の作り方を教わりました。
杉村先生が持ってこられた標本を、興味深く見入る子どもたち。

閉会式

朝9時から始まった昆虫観察会も、いよいよ終了の時が来ました。
約3時間のフィールドワークと標本づくりの勉強会。
体験したお子さんたちの表情は生き生きとし、昆虫や生き物に関し新たな発見をしたようです。
夏休みの間に、自宅近くや旅行先でいろいろな生物に会えること期待しています。

東京都農林水産振興財団では、都民の皆様に森林の魅力を伝え、親しみを持っていただくため、森林浴登山・森林ふれあい教室を開催しています。
みなさまのご参加をお待ちしております。
https://www.tokyo-aff.or.jp/soshiki/6/

東京グロウン/TOKYO GROWN

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