農園の名前が入った小松菜へのプライド
門倉さんは5代目である父を「すごい人」と言います。5代目は神田にあった市場で最年少で最高値をとっていた小松菜農家として名の知れた人物です。
「小学校に上がる前から将来の夢を聞かれると“小松菜を作る人”と答えていました。幼い頃から「すごい人」である父や祖父の仕事ぶりを目にしていた彼は、その姿に憧れていたのでしょう。大学生のときにはアルバイトで手伝い、卒業してからは農園の仕事に専念しました。「俺もいつか1番を獲りたい」という気持ちを抱いて。
以降、父の教えを守るとともに自分なりの工夫も加えてきました。小松菜は冬菜とも呼ばれるように旬は基本的に冬場です。しかし門倉農園では1年を通して出荷しています。ですが都内の有名デパートや高級スーパーなどに卸す、農園の名前が明記された小松菜が、夏場だからといって冬と比べて細いとか、味もやや落ちるなどということは許されません。
