小笠原の農作物の栽培方法を研究

小笠原の農業を研究する機関の拠点が、父島にある小笠原亜熱帯農業センターです。東京ドーム5個分の敷地があり、そのうちの半分を観光客に無料で開放し、残りの半分で農業の研究をしています。
小笠原で一番多く作られているのはパッションフルーツ。農業研究スペースのパッションフルーツは平棚栽培という方式で栽培されていました。さまざまな方法・工夫を繰り返してたどり着いた平棚栽培が、最も手をかけずたくさん収穫できる方法。現在、小笠原の農家のほとんどが平棚栽培を取り入れています。

農家の悩みを聞いたら、すぐに改善策を探る

小笠原亜熱帯農業センターの職員と農家との距離はとても近く、農家の悩みをリアルタイムで受け止め、すぐに課題として改善する方法を探します。「農薬を減らしたい」という希望にも応えるため、農薬散布のタイミングを調整し使用回数を減らす方法も研究しているそう。また、さまざまな果樹の苗を研究し、土地と相性が良い品種を探すのもセンターの仕事です。農家の作業を効率化し負担を減らすため、日々試行錯誤しています。

亜熱帯の雰囲気たっぷり!一般見学者コース

観光客が気軽に見学できる一般見学者コースにも足を運んでみました。いろいろな色や形のハイビスカスを眺めながら階段を上がると、そこには日本では珍しいコーヒーの木が! 小笠原にはコーヒー農園があり、コーヒーの栽培も行われているのです。階段を登り切った先には、小笠原固有の植物を集めた花壇があり、オガサワラグワやシマムロ、コブガシなど、小笠原の山に自生する植物をまとめて見学できます。

熱帯果樹展示ハウスでは、スターフルーツが豊作!

花壇の右手にある橋を渡ると熱帯果樹展示ハウスがあり、マンゴーやレモン、チュリモヤなどのさまざまな果樹が栽培されています。中でも注目は、非常に珍しいカカオの木。小笠原ではカカオを栽培する農家があるのです。私たちが訪れたときは、スターフルーツがたくさんの実をつけていました。小笠原で味わえるフルーツは種類豊富。センターのスタッフと農家が協力して栽培している小笠原フルーツを、じっくり味わいたくなりました。

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