林業とは50年先を考える仕事
「東京の森林のうち、人の手で植え育てているスギやヒノキなどの人工林の約9割は植栽されてから41年以上たった木々で、すでに伐採できる林齢になっています。しかし、木材価格の下落によって伐採すると赤字となる山が多いのが現状です。実際に伐採搬出される木は最盛期だった1968年の1/7の生産量。木材価格は1/5から高級材に至っては1/10になっているんです。50年前に植栽した人々に現在の状況を想像できるはずはないでしょう。しかし、今後の林業を考えるのは50年後の木材の需要や価格を正確に予想しなければできない。だから、これだという林業政策を打ち出せていないのが現状です。未来のことは分からないとしか言えません。」と三谷さん。「分からない」とは林業の専門家としての真摯な実感なのでしょう。とすると、東京をはじめ日本の林業はこのまま衰退してしまうのでしょうか。森の国から緑が消滅してしまうのでしょうか。再び三谷さんに質問を投げかけます。