あきるの市の山林で活動を見学

あきるの市の山林で活動を見学

12月のある土曜日、以前から興味をひかれていた「とうきょう林業サポート隊」の活動を見学に行きました。とうきょう林業サポート隊は、ボランティアとして多摩地域の森林で植栽や下刈りなどの森林作業をお手伝いする活動を行っています。2017年11月末現在で登録メンバーは655人。毎週水・土曜に定員12名程度が活動に参加します。この日の作業は根払い(初期の枝打ち)。植栽後7年という杉を対象に、下から1.4mほどの枝をノコギリで切り落とす作業です。枝打ちは節が少なく幹の太さができるだけ均一な木材を育てるための大切な仕事です。安全管理講習を終えた後、集合場所から車で10分ほどの現場へ向かいました。 見学の私はヘルメットや長靴を借りましたが、ベテランメンバーの中にはヘルメットはもちろんノコギリまで持参という方もいたのには驚きです。メンバーたちの作業を見守る指導員さんたちはノコギリの引き方や角度などを丁寧に説明していました。

ベテランメンバーたちの思い

午前中の作業が終わるとメンバーたちは、それぞれ日の当たる斜面に腰を下ろしてお弁当を広げます。おにぎりを頬張りながら、すでに20数回作業に参加している山岸さんという男性にお話を聞きました。「こうした作業に参加するようになったきっかけは東日本大震災です。当時ボランティアとして被害を受けた東北地方の山林での作業に参加したんです。参加したのはいいけれど、私はチェーンソーを扱えるわけではないし、あまり役に立てたとは思えなくて。その後、各地で開催されている林業のボランティア活動に参加するようになりました。とうきょう林業サポート隊のすばらしい点は指導員さんが林業のプロとしての技術を教えてくれること。プロから無料で技術を教えてもらえるのがありがたい。春の植栽、夏場の下刈り、今日のような枝打ちなど、作業はいろいろだけど私は下刈りが好きですね。汗だくになって、水がたまらないほどおいしくて、大きな達成感を感じます。誰かのために働けるという充実感もね。」

ベテランメンバーたちの思い

無料でプロの技術を教えてもらえる

「人のために無報酬で働く」のがボランティア活動という考え方ではなく、無料でプロの技術を教えてもらえる、誰かの力になれる、そんな機会を得られるありがたい場という感覚。ベテランメンバーの皆さんたちは、きっと同様の気持ちで作業に参加されているのでしょう。メンバーでない私は、この日ノコギリを持つことはできませんでしたが、自分の中にあったボランティア活動という言葉の概念が大きく変わった、そんな貴重な1日となりました。

無料でプロの技術を教えてもらえる

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