「森の案内人」森林インストラクタ― 平野裕也さん

自然の魅力を多くの人々に伝えたい

「子どもの頃の遊び場といえば山や森、僕は自然の中で育ちました。だから自然が好きなんでしょうね。樹木に囲まれていることが心地いい。森林インストラクターになったのは大好きな自然の魅力を、もっと多くの人々に伝えたかったからです。」森林インストラクターの平野裕也さんにお会いしてまず驚かされたのは、その若々しさです。現在74歳。平野さんの若さの秘けつは何でしょうか。それは森林インストラクタ―というお仕事も関係しているようですーー。

森林インストラクターって何を教えてくれる?

森林インストラクターとは森林や農林業などに関する専門知識を持ち、森林の案内や野外活動の指導、イベント運営などを行う専門家です。資格取得はかなりの難関として知られ、現在全国では約3000人の森林インストラクターが活躍中。平野さんが事務局長を務める森林インストラクター東京会には306人が所属しています。主な活動内容は自然観察会などの「森の案内」、学校や企業、地域の「環境教育」、健康ハイキングや学習ハイキング、草木染めや炭焼きなどの「野外活動」、森づくりや里山保全などの「環境保全活動」など。森林インストラクター東京会では、自治体や学校からの森林に関するイベント実施依頼に対応する部会活動のほか、数人~十数人のグループごとに、それぞれの得意分野の活動・イベントを行っています。平野さんが主に活躍されているのは中高年を対象とした「森の案内」です。森林や都内の植物園などで、花や木の名の由来や特徴などのほか、それらが育つ自然環境などを、わかりやすく解説しています。「例えば“ヘクソカズラ”という花。ベルのような形をした可憐な花なんですけど、なぜこんな気の毒な名前を付けられたのかなんていう話をすると、けっこう楽しんでいただけるんですよ。」

森林インストラクターって何を教えてくれる?

自然に接する体験が人を健康に元気にする

平野さんは森林インストラクターのほか、森林を訪れる人に効果的なセラピー活動を指導する森林セラピストの資格も持っています。「自然に囲まれて、樹木に接しているとみなさん元気になるんですよ。僕も自然に接しているのが楽しいのです。みなさんの案内をしながら自分が元気に、そして健康になっているのかもしれませんね」と平野さん。なるほど、人々に自然の魅力を伝える活動が、平野さん自身をも健康的で若々しくさせている秘けつだったのです。平野さんが森林インストラクターの資格を取得したのは定年退職後のこと。退職後は、ほかにも、若い頃から好きだった登山に出かけたり、世界中で山岳スキーを楽しんだり、ニュージーランドに短期移住したこともあるそうです。森林インストラクターの活動はもちろん、まだまだ平野さんのアクティブな活動は続きそうです。

自然に接する体験が人を健康に元気にする

森林インストラクター東京会事務局長

平野 裕也さん/HIRANO Hiroya

RELATED ARTICLERELATED ARTICLE

トピックス

「フローリスト農家」が目指す、ちょっぴり豊かな暮らしの提案。

トピックス

【第12回】「まちのタネ屋さん」は進化する!~野村植産と東京西洋野菜研究会

トピックス

【第11回】ヤギのナチュラルチーズで新規就農! 東京の山地農業にも勝算あり「養沢ヤギ牧場」

トピックス

給食という名の愛と導き 中野区立緑野中学校 

トピックス

新春特別寄稿『都市に農地を創るときが来た』

トピックス

陽のあたる縁側 すぎのこ農園

トピックス

【第10回】目黒で農地を残すには?コミュニティの拠点として都市農地を守る  目黒区「八雲のはたけ」

トピックス

【第9回】小松菜400連作!「全量残さず出荷、それこそが一番のエコだと思う」 江戸川区 小原農園

トピックス

【第8回】落ち葉を重ねて数百年 『 武蔵野の黒ボク土』をコミュニティで掘り下げる! 三鷹市 冨澤ファーム

トピックス

【第7回】女性が主体となれる農業経営の仕組みづくり( 株式会社となったネイバーズファームの狙いと可能性)

ページトップへ