400年以上の歴史を誇る島の保存食
約400年以上前の室町時代に、すでにくさやは作られていたといわれますが、産業として生産され始めたのは江戸時代になってから。当時、新島では塩の生産が盛んで、年貢塩として幕府に上納していました。魚は塩水に浸して保存食としていましたが、その塩水を捨てることなく繰り返して使っているうちに、格段の旨味と風味が楽しめるくさや汁となっていったのです。その後、新島のくさや汁は伊豆諸島に伝わったといわれています。
「昔は各家庭にくさや汁があって、その家独自の味を楽しめたそうですよ。ぬか床と同じですね。今では家庭でくさやを作るということはほとんどありません。その頃に新島に来て各家庭を訪ね、自慢のくさやを食べてみたかったですね」と藤井さんは笑います。新島生活17年にして、彼はすっかりくさやにやみつきのようです。藤井さんに限らず新島の人々にとって、くさやは食卓に欠かせない食材です。
