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SEASON'S REPORTTHE 東京仕事人

vol.33

『ひだまりの中のみかん園』

農業編農業編

小林農園

小林卓矢さん 千景さん/ Kobayashi Takuya & Tikage /
小林卓矢さん 千景さん

東京の武蔵村山で3代続くみかん農家

武蔵村山市内の狭山丘陵の南斜面は、みかん栽培に適した環境として、昭和30年頃よりみかん以外のものを作っていた農家がみかんを作り始めました。代々続く小林農園さんもその一つです。おじいさん(藤寿さん)の時代よりみかん園を始め、地域のみかん農家の先駆けとして、みかん園を守り続けています。(昭和58年よりブドウの栽培も開始)
「おじいさんが、中学校の先生から『多摩湖の南側の日当たりがいい斜面でみかんを作れば、美味しいみかんができるのでは』と聞いて、各地のみかん産地を視察してで栽培方法を学び、武蔵村山でみかん農業を広めたと聞いています」みかん園をはじめてから3代目にあたる小林卓矢さんは、大学卒業と同時にこの実家のみかん園で働いています。「水はけもいいこのあたりの斜面は、みかんづくりに合っていたようです」
大学でも農業を専攻し、就農後も新しい都市農業の在り方を探求し続ける卓矢さん。東京狭山みかんについて、「酸味が強いと言われますが、それがみかんの味を濃厚にします。好き嫌いはあるかと思いますが、ファンも多いですよ」と言います。
東京狭山みかんの品種は『宮川早生』。温州みかんの一種で、全国で広く栽培されていますが、気候や土地の違いによって、甘みや酸味の違いが出てきます。
「今は気候がどんどん変わるので、毎年やり方を変えながら栽培しています。基本的なことは同じですが、摘果(なり始めたみかんを間引く)や水分管理など、毎年工夫して、親父とも相談しながら、毎年いいみかんを作ろうとチャレンジしています」

武蔵村山の住宅街を見下ろすみかん園 小林卓矢さん 小林千景さん

農家の嫁は楽しい!

その卓矢さんとみかん園を4年前から手伝っているのが、奥様の千景さん。6か月(平成30年9月現在)になる赤ちゃんの子育てをしながら、農園を支えています。
「私とおかあさんの仕事は畑仕事や接客。メインは接客で、買いに来てくださるお客様やみかん狩りに来てくださる皆さんと、直接対面してやりとりするのはとても楽しいです」卓矢さんと高校の同級生だったという千景さん。「結婚と同時に就農しましたが、都会の農業は、ただ作って出荷するというだけでないやりがいがあります。もちろん消費者が近くにたくさんいてくださるということもありますが、レストランや百貨店など、こちらが売りたいと思った先に、直接提案ができるということはとても可能性を感じています」
園内でとれたみかんで作ったみかんジュースは、甘みも酸味もほどよい上品な仕上がり。農園でしか買えない商品で、旬の時期以外にもみかんを楽しめる人気商品だそうです。「自然の中で育ったみかんの中には、味は一緒でも外観がよくないものも出てしまいます。そういったみかんを何かに利用できないか、と考えジュースやジャムに加工しています」
そのほか、ミツバチを飼い、みかんの花の蜜を集めたハチミツなども販売しています。

小林農園の皆さん ミツバチの巣 みかんジュース

家族経営で未来へ!

お二人は「フレッシュ&Uターン農業後継者セミナー」※に参加して、たくさんの同世代の農業者と一緒に農業経営について学んだと言います。
「これからの農業は経営も大切です。特に東京という地の利を生かした経営には多くの可能性があります。一緒に学んだみんなや知り合いになった同世代の若手の皆さんは、『何かを変えたい』と頑張っています。品目は違っても、前向きな姿勢は私たちにも刺激になりますし、一緒に新たな販路の話などしているのがとても楽しいです」
2代目の利夫さんは職人気質で、「いいものを作る」ということを最優先に考えておられるようですが、卓矢さんの提案に反対するということはないとのことでした。いいものを作って、たくさんの人に喜んでもらう、という思いは同じ。お母さまの雅江さんは明るく明るく農園のムードを盛り上げる働き者。そして、卓矢さん千景さんの3代目夫婦と4代目になるかもしれない赤ちゃんで、このひだまりのような農園は、これからもずっと地域の皆さんに愛され続けていくことでしょう。
※フレッシュ&Uターン農業後継者セミナー
東京の農業の担い手を育成するセミナー。農業後継者や新規就農者の技術習得を目的として、基礎的・実践的な農業技術や経営管理等を習得させるセミナーです(主催:東京都、JA東京中央会、協賛:(公財)東京都農林水産振興財団)。2年に一度の開催で次回の開催は平成32年度になります。

みかん

みかんを食べると風邪をひかないって本当?

みかんにはビタミンCやシネフリンが含まれています。そして、皮、袋、スジにはビタミンPが含まれており、毛細血管の強化、血流改善効果、抗アレルギー作用などがあります。スジには繊維質も多く含まれており、整腸作用があります。昔からの知恵として、やはり、みかんを食べると風邪に予防になるのは間違いないようです。

みかんの木(提供小林農園) みかんの木(提供小林農園) みかんの木(提供小林農園)

東京狭山みかんの旬

東京狭山みかんの旬は11月の1ヶ月間が旬の時期となります。武蔵村山のみかん園はこの時期みかん狩りができる農園が営業を開始します。小林農園さんも11月には4000人から5000人の来場者があるようです。開園時期はホームページでご確認ください。
東京狭山みかん 小林農園のホームページはこちらから
http://kobayashifarm.tokyo/index.html

小林卓矢さん 千景さんへの一問一答

QUESTIONS AND ANSWERS

農家の後を継いだ経緯は?
大学を卒業した後、実家に入って農業を始めました。大学も農学部で農業について学びましたので、決めていたわけではありませんが、最終的には農園に入りました。(卓矢さん)
私は結婚してすぐにこちらで仕事させていただいています。その前も忙しい時にはアルバイトとしてお手伝いしていましたので、すんなりと農園に入ることができました。(千景さん)
やりがいはどのようなところですか?
作ったみかんを買ってくださるお客様の顔が見えるところです。その場で食べていただいて、喜んでくださるお客様の様子を見た時にやりがいを感じます。(卓矢さん)
色々なチャレンジができることです。特にみかん狩りや販売は接客業でもあるので、いろいろな人と会えるのが面白いところです。(千景さん)
東京で農業をする魅力はどんなところでしょう?
消費地がすぐそばにあるので、ちゃんとしたものを作っていれば、在庫として残らないということです。(卓矢さん)
若手も多く、友達もたくさんできました。そんな仲間と「何かを変えたい!」と未来を語り合えるのがとても楽しいです。(千景さん)
就農を考えている方に
東京だと消費者がすぐ近くにたくさんいるので、やり方次第ではオリジナルの経営でやっていけます。お客様が直接買いに来てくれるので、東京に畑があってよかったな、と思えるような環境です。自分も農家に生まれてよかったと思っています。(卓矢さん)
農作業は大変なところもありますが、東京はレストランや百貨店など、いろいろなところに直接出荷できる環境です。ここに卸したいからという理由で何か作るようなことも可能です。作って出荷するだけではない魅力があります。(千景さん)
女性で就農を目指している方へ
大変なことも多いですが、経営面もお嫁さんが一緒に携われる時代です。様々な場面でやりがいを見つけられると思います。農家というと作って出荷というイメージがありますが、これからの農業はそれだけじゃないという魅力があります。(千景さん)

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