「親子さつまいも収穫体験」@三鷹市・冨澤ファーム

10月23日(土)晴れ。この日は、前日の雨が嘘のような芋ほり日和!
TOKYO GROWNお知らせ欄でもご紹介していた「東京の畑で食育!親子さつまいも収穫体験」が開催されました。

今回、お邪魔したのは三鷹市内の冨澤ファーム。園主の冨澤剛さんは4代目で、100年以上続く農家さんです。都市農業の特徴ともいえる少量多品目の野菜栽培をされており、30~40種類程度の野菜を育てているそうです。周りは閑静な住宅街ですが、集合時間が近づくにつれ、参加家族の皆さんの和やかな声に包まれました。

講師の冨澤さんの自己紹介の後、準備を整えたらさっそく畑へ。立派に育ったネギや、のらぼう菜の苗が植わった畑を眺めながら進んでいくと…ありました!さつまいもの蔓がワサワサと茂った一角が見えてきます。そう、今回は、この蔓を切るところからスタートです。

まずは、冨澤さんが説明をしながら、実演してくださいます。
最初に蔓をひっくり返して、畝の片側に集めて引っ張ります。すると、蔓の根元が露わになるので、蔓を5cm程度残してハサミで切ります。その後、手でさつまいもを掘っていくのですが、芋を傷つけないよう株元に大きく穴を掘ることがコツ、と教えてくださいました。皆さん、真剣な顔で説明に聞き入っていました。

いよいよ、さつまいも掘り開始です!蔓切りをする機会はあまりないかと思うのですが、参加者の皆さんは、家族で協力して順調に作業を進めていきます。時折、丈夫な蔓に苦戦しても大丈夫。今回、スタッフとして参加してくれた東京農業アカデミーの生徒さんが助けてくれました。日頃の研修の成果が出て、頼もしい助っ人ぶりです。

開始後15分もすると、次々とお芋が出てきました。見ていると、さつまいもの個性も様々。「山芋か?!」と思うような大きいものから、三色ボールペンのように細いものまで、色々な大きさ・形のものが出てきます。同じ「一株」でも、大きな芋が少しついているものもあれば、小さな芋がたくさんついているものもあります。
これは、苗の植え方によるものだと、冨澤さんが説明してくださいました。苗を垂直に植えると、数は少なくても大きな芋ができやすく、苗を斜めに植えると、小さくても芋の数が多くなりやすいそうです。
芋を全て掘り終えたら、畑のお片付けです。さつまいもの蔓を畑の隅に運ぶのですが、40株ほど掘った後に残された蔓は山のよう!さつまいもの生命力を感じました。

掘った芋はすぐに食べたいところですが、2週間ほど寝かせることで甘みがのってくるそうです。冨澤さんからは、新聞紙にくるんだ状態で、日が当たらず涼しいところ、しかも一日の中で気温差が少ない場所に置いておくと良いとのアドバイスがありました。

収穫体験の後半は、冨澤さんにインタビューです。事前に参加者の皆さんから寄せられた質問に冨澤さんが答える形で、お話を伺いました。ここで、印象に残った話を少しご紹介します。

冨澤ファームでは、環境にも配慮した農業を行っています。例えば、近くの国際基督教大学から雑木林の落ち葉をもらってきて腐葉土にしたり、東京農工大学馬術部の馬糞をもらってきて肥料にしたりと、一般的にはゴミとされるものを資源に変えて、循環型農業に取り組んでいるそうです。

そんなこだわりの農業を通じてできる、冨澤ファームのお勧め野菜は季節ごとに異なるそう。やはり「旬のもの」が美味しいとのことですが、3月頃ののらぼう菜は格別だそうです。葉も茎もやわらかく、ほんのり甘いのらぼう菜、なかなかスーパーには出回りませんが、直売所等で入手可能です。見かけたら試してみたいですね。

冨澤さんは、地域の方に喜んでほしい、身近な存在として感じてほしいという思いを持っていて、食育やイベント受け入れ等、様々な活動にも取り組まれているとのことでした。
そんなお話を伺っている間にも、ファーム軒先の自動販売機には、近隣の方が新鮮な野菜を求めて何組もいらっしゃっていて、しっかりと地域に根付いていることが感じられました。

冨澤ファーム

所在地
〒181-0004 三鷹市北野3-10-10
WEBサイト
https://tokyogrown.jp/learning/agriculture/gap/detail?id=870986

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