小谷: 吉田農場さんは代々続く農家さんだそうですが、どれぐらい続いているんですか?
吉田: 正確にはわかりませんが、位牌が5柱ぐらいあるのでだいたい200年で、僕で8代目ぐらいです。いつかは継ぐだろうとは思っていましたが、まず自分でどこまで稼げるか試したかったので、はじめは不動産屋で働いて、家の事情もあって1年半で就農しました。今は両親と僕の3人で、妻は子育てしながら手伝ってくれます。
小谷: 練馬といえば、江戸東京野菜「練馬ダイコン」が有名ですが、キャベツ生産も都内で一番だそうですね。
吉田: 昭和30年代までこの辺り一帯が畑で、麦や陸稲(畑で栽培するお米)を作っていたそうです。だんだんと人々の嗜好も変わっていき、大根やキャベツ、ニンジンなどを作るようになりました。
特にキャベツは栽培の効率がよく、戦後はキャベツが生産の中心になりました。今では都内のキャベツの2割が練馬産です。その後始まった住宅の建設ラッシュに合わせて、畑の半分ぐらいをつかってサツキなどの植木を育てるようになり、バブル期までは結構もうかったという話です。
