DATA
NAME:
国産木材の魅力発信拠点 MOCTION
PLACE:
163-1062 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー リビングデザインセンター OZONE 5F

“MOCTION”とは?

 エレベーターを出た瞬間にフワッと優しく木の香りが迎えてくれる。ここ“MOCTION”は全国各地と連携し東京都が運営する「国産木材の魅力発信拠点」です。全国の自治体や事業者が進めている国産木材の活用をさまざまな展示を通して学ぶことができる施設となっており、ここでは東京の木「多摩産材」を使用した家具も展示されています。
 まず目につくのは日本地図の展示です。一つ一つの都道府県の形は各都道府県を代表する木で作られています。木材は育った場所や種類により、木のかたさや温もりが全く違ってきます。住宅関連で働く方でさえ実際に触れるのは初めてという方も多いそう。その他全国の木材に関する補助金を調べられるスペースや定期的にセミナー・イベントも開催されています。コワーキングスペースとしての活用もできオフィス体験も行えます。MOCTIONは「見て」「触れて」「感じて」国産木材のこれからについて情報交換を行える場となっているのです。

創造する未来都市

 この“MOCTION”という名称は、木の「モク」と行動する「action」をあわせた造語です。現在、日本で使われている木材の6割が外国産(輸入材)という事実をご存知でしょうか?また日本の面積の約2/3は森林です。日本では木の文化が継承されているはずが、実は国産木材が活かしきれていないという現実があります。特に大都市東京は木材の大消費地。都市の木質化(建物に木材を用いていくこと)を進めていくことは、地球温暖化防止にも大きな役割を果たすことになります。木材はCO2を貯蔵しているため、多くのオフィスで国産木材が使われれば、森林に近いCO2の固定効果をもたらすことになります。木質化は湿度を制御、ストレスを緩和し仕事場を快適にします。今、都市と森林はMOCTIONを必要としているのです。

東京の木「多摩産材」

東京都の総面積の4割が森林、そのうちの7割を占めているのが多摩地域です。多摩地域で生育し、森林が持続可能に管理されていることを認証された木材を「多摩産材」と言います。スギやヒノキなどの森林は伐って、使って、植えて、育てる、という森林循環により守られています。この多摩エリアにおいては、50・60年前に植えられ育った木を今まさに伐り、活かす時期となっています。一方で「植える」においても、花粉の少ない森づくりが進められており、東京都農林水産振興財団により花粉の少ないスギへ植え替えていく活動も行われています。森林を守っていくことはSDGsへの貢献にもつながります。森を整備、保全することで持続可能な大きな循環を作り出すのです。私たちにできる身近なことは木を「使う」です。おそらくほとんどの人が「この木がどこで育ったものか」さえ気にかけていないでしょう。多摩産材を身近に感じ、何かひとつ使うことからはじめてもらえればと思います。

国産木材を活かす繋げる

 東京の木、そして国産材を使うことは日本の森の活性化、地元林業の活性化、CO2の削減という環境貢献にもつながります。自分達にできる’MOCTION’は何か?一緒に考えてみませんか。その答えはここ“MOCTION”にあるかも!?ぜひ一度遊びに来てみてください。
みんなで未来都市を「想像」し、「創造」していけたらと思います。

加藤太一 : KATO TAICHI /濱田道昭 : HAMADA MICHIAKI

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