東京都町田市真光寺にある、米粉100%のパン&米粉タコスのお店「SHIMA」さんを訪問しました。
見晴らしの良い公園で知られる「真光寺公園」の近くに、お店があります。
こちらのお店では、地元のJAとのコラボ商品を開発しているとのこと。
その取り組みと米粉パンへの想いを伺いました。

※輸入小麦の価格が高騰する中、東京都は、小麦の代わりに米粉を使ったパンの普及を推進するキャンペーンを実施しています。

お子様からご高齢の方まで、安心して食べられる米粉パン作りを目指して。

国産米粉を使用し、小麦粉を一切使用しない完全グルテンフリーの五大栄養素を基にした健康的な米粉パンを製造販売している「SHIMA」。
材料の米粉は、熊本県産、秋田県産などを使用していますが、東京都町田市産や山梨県産、富山県産の古代米を使ったパン作りも。
米の製粉の仕方で、パンの食感が変わってくるそうです。
「SHIMA」を経営する、株式会社ふく家代表取締役の秋保明美さんにお話を伺いました。

米粉パンへの“想い”

米粉パンの主な客層は、小麦が摂取できなくなった子どもや大人。
食物アレルギーをもつ方々や、加齢や病気で味覚が変わってしまったという方々へ配慮し、米粉パンに加えケーキも提供しているとのことです。
特に、製パンの材料に、白砂糖ではなく甜菜糖を使っているのもこだわり。

「小麦パンの代替品としてではなく、小麦パンと同格の、米粉パンというジャンルを確立し、米粉パン自身のおいしさをお客様に選んでいただけるようにしたいです。」と話されました。

(写真右)代表の秋保明美さん (写真左)製品開発スタッフの伊藤久美子さん

町田市産の「古代米」や「採れたて野菜」で、地産地消。

地元の町田市産の古代米「長寿米」を使った商品もあります。
「食べれば食べるほど健康で長生きをするように」そんな思いを込めて出来たお米が長寿米です。もちろん無農薬。
古代米には身体に良いとされるアントシアニンが多く含まれており、栄養価が高いことで知られています。

国産白米の米粉に、この町田市産の黒米(モチモチ食感)や、山梨県産と富山県産の赤米(プチプチ食感)の米粉をブレンドして使用しているとのこと。

秋保さんは「古代米は栄養面で優れているだけでなく、ほのかな酸味や適度なえぐみがあるので、米粉に力強い風味が加わります。さらに黒米は紫色、赤米はほんのりピンク色の生地に仕上がるので、カラフルな米粉パンを楽しめることも魅力なんです。米粉をブレンドして焼き上げた『古代米食パン』の特徴であるモッチリとした食感と、古代米の風味が新しい味わいを生み出しています。」と話してくれました。

地元野菜を使った、野菜の米粉パンも作っています。
野菜は、近隣の農家さんから直接購入したり、JA町田市の農産物直売所「アグリハウス鶴川」で仕入れているとのことです。
朝採れの新鮮な野菜を使った野菜の米粉パン。まさに、“地産地消”、“farm to table”を実践しています。

販路開拓と情報発信

販路は店舗の他に、パン販売サイト(リベイクhttps://rebake.me/)での冷凍パン販売と、ハンバーガー店や飲食店への卸がメインとのことです。
パン作りのため地元野菜を購入する、JA町田市「アグリハウス鶴川」には、パン販売コーナーを設けていただいており、購入した地場野菜を使った米粉パンを販売することで消費者へアピールし、その普及に力を入れているとのことです。

JA町田市アグリハウス鶴川内の米粉パンコーナー。米粉パンが入荷し商品棚に並び始めると、買い物客が集まってくる。

TOKYO JAPANキャンペーンに参加した動機とメリット、そしてこれから。

「キャンペーンに参加し、これまで米粉パンの開発で東京都や国の補助金を活用させていただきましたが、TOKYO JAPANキャンペーンに参加したことで、新しいチャレンジを行うことができています。様々な種類の米粉パンを作ることができ、米粉利用に関する経験値を上げることができています。」と秋保さん。
さらに、「補助金という税金でサポートしてもらった以上、米粉パンでお客様に還元していきたいですね。米粉パンがさらに普及していくためには、低価格の商品を提供できるよう商品開発を進めていきます。現実は、原材料の高騰や設備の関係で、米粉パンの価格はどうしても高くなってしまっていますが、米粉パンのブランディングに力を入れて、より一層のファン獲得を目指していきます。」と話してくれました。

東京グロウン/TOKYO GROWN

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米粉パンを食べよう!TOKYO JAPAN キャンペーン
参加販売店を訪ねて

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