株式会社corot(コロット)の峯岸です。東京都で非農家からの新規就農者とその活動を応援する者たちの集まりである「東京NEO-FARMERS!」の取り組みとその魅力について、連載を通してお伝えしています。
第2回目となる今回は、東京NEO-FARMERS!をサポートする方々をご紹介します。東京NEO-FARMERS!は多くの方々に支えられていますが、その中でも代表的なお二人になります。

1人目は、一般社団法人東京都農業会議業務部長 松澤龍人さんです。

東京NEO-FARMERS!の生みの親!この方無しでは東京NEO-FARMERS!は語れません。各ファーマーズの本当の父親なのではないかと思えてしまうほどに人情家で人望が厚い方です。

松澤さんは、2006年から新規就農に関する相談や支援に関し先駆者として取り組まれております。
一人一人の相談に親身に対応されているからこそ、農業で本当に生計を立てられるのか?その覚悟があるのか?といったかなり踏み込んだ話を最初の段階でなさいます。
その後は就農希望者と、まさに二人三脚でハードルの高い東京での新規就農を目指していきます。

▼ 一般社団法人 東京都農業会議
 https://www.tokaigi.com/

これまでに、1,000人以上の相談者がいる中で就農できた事例は本当にわずかで、東京での新規参入は厳しいものです。
理由としては、制度的な課題も多いと感じています。東京の畑はその存在自体が大変貴重なため新規就農を希望する市区町村で畑が見つかることがとても少なく、また、貸してもらえる畑の条件が希望者のニーズに合わないこともあります。希望者と畑をマッチングさせることや農業委員会、自治体、地権者などとの調整を行うことは簡単なことではありません。
また、東京NEO-FARMERS!の中には、露地野菜を育てる新規就農者のほか、ハウスを建てたりヤギを飼ったりと様々な希望者がいて、ニーズは多岐にわたります。加えて新規就農者なので経験はまだまだ浅い状態。
その中で、松澤さんは地権者はじめ各ステークホルダーに新規就農者の思いや考え方などを粘り強く話し理解を得て、調整し、新規就農を実現させていきます。それは針に糸を通す…いやその針が三重にも四重にも重なっている状況で糸を通しているような難しさだと感じます。

松澤さんはそういった難しいことをこなしながら、新規就農が実現した後も、歓迎会や定例会などの機会を捉えては新規就農者のその後の状況を把握、困っていることがあればサポートをしています。新規就農者が増えれば増えるほど、その後のサポートが大変になってきますが、松澤さんはここでも親代わりのような親身さで対応してくれます。
松澤さんに仕事のことのみならずプライベートなことまで相談しているファーマーズもたくさんいるほどで、心からとても頼りにしていることが伝わってきます。
松澤さんのお人柄や熱意が東京NEO-FARMERS!の基礎を作っているといっても過言ではないと思っています。
希望される方は、ぜひ定例会にお越しください。とても温かく良い意味で緩い松澤さんとファーマーズの家族のような雰囲気に触れていただけるかと思います。私も定例会の雰囲気が大好きで毎回参加しています。

2人目は、株式会社コトリコ 江藤梢さんです。

江頭さんは、「コトリコ」というデザイン会社を経営されているデザイナーです。

東京NEO-FARMERS!のロゴマークやHPのデザイン、各種SNSの運用などのブランディングや広報を担当されています。農家さんのブランディングやデザイン、商品開発など多岐にわたる仕事をしながら、東京NEO-FARMERS!を10年以上支えているキーマンです。
▼ 株式会社コトリコ
 https://www.cotoricozue.com/

江藤さんは、ご自身も過去に農家で研修をされ、就農を考えたことがある程に農業に対して熱い思い入れを持っていらっしゃいます。
ファーマーズとの会議の際には、お声掛けしたら参加してくださいますし、マルシェをやるとなれば告知をするだけでなく、現場に足を運んで写真撮影をしてくださいます。東京NEO-FARMERS!のHPやSNSの写真の多くは江藤さんによるものです。
ファーマーズが新しい商品を出せばご自身で購入されていて、江藤さんの東京NEO-FARMERS!に対する愛情を感じられます。

消費地が近い東京の農業は、野菜を作ったら終わりということは少なく、その後の販売までを農業者が考えるケースは多くあります。販売するにあたって、加工品やパッケージング、ホームページやロゴマーク、名刺に至るまで、デザインが関わらない領域を探すことの方が難しいほどにデザインは密接に関わってきます。
ところが、他の農業団体を見ても、江藤さんのような農業と農業者への理解が深く、親身になってくれるデザイナーはなかなかいません。東京NEO-FARMERS!にとってとても心強い存在です。

ロゴマークは、「グリーンのストライプ=東京NEO-FARMERS!」と瞬時に理解してもらう目的のもと、制作されました。

今回は、新規就農サポートの松澤さん、デザイン・ブランディングの江藤さんのお二人をご紹介させていただきました。こうした周りのサポートを得て東京NEO-FARMERS!は毎日生産から販売まで幅広い活動に打ち込んでいます。

次回は、各ファーマーズの具体的な取り組みや、現在の課題などに触れていく予定です。

株式会社corot

代表取締役 峯岸祐高/MINEGISHI YUTAKA

古民家付き農園corot、地域内流通ころいち、イタリア料理ナチュール、世田谷BOUGHなどを経営している。
会社のミッションは”自然に寄り添う事業を通じて時代の流れを作り、関わる全てにいい影響を与える”こと。
東京の新規就農者団体東京NEO-FARMERS!といっしょに、東京の地産地消にも取り組んでいる。
▼株式会社corot
http://www.corot.co.jp/
▼古民家corot
https://www.corot.bz/
▼東京NEO-FARMERS!
https://www.tokyoneofarmers.com/
▼グリーンコネクション東京
https://green-connection.tokyo/https://green-connection.tokyo/

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東京NEO-FARMERS!が東京の農業を考える。

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