東京味わいフェスタとは?

2019年10月11日(金)~13日(日)の3日間、丸の内・有楽町・日比谷のエリアで開催される大規模なフードイベント『東京味わいフェスタ2019』。東京生まれの旬の食材や、江戸から伝わる伝統野菜を活かした料理を味わえるほか、東京の歴史・風土に育まれてきた伝統工芸品などをご紹介。今年は、ラグビーに関する様々な特別企画や出店も登場。年々来場者数を増やす、大人気イベントです!

▽『東京味わいフェスタ2019』
今回は、東京味わいフェスタに出店し、江戸東京野菜を使った料理を販売される『リストランテ・ヒロ チェントロ 丸ビル店』『神田小川町 気生根(きふね)』『マンゴツリー東京』の3店舗にインタビュー。東京の食材を使ってみた感想や、東京味わいフェスタに向けての意気込みなどを聞いてきました。

ここでしか食べられない特別感

リストランテ・ヒロ チェントロ丸ビル店で腕を振るう、料理長・柴田シェフ。東京の野菜、特に伝統的な江戸東京野菜は流通量が少なく、都内のスーパーでも販売している店は限られています。だからこそ、ここに来ないと食べられない『特別感』が生まれると話してくれました。全国から色々なモノが集まって、何でも揃ってしまう東京だからこそ、東京でしかない、東京に来ないと味わえない特別な素材は、価値のある魅力的なモノだと思います。

伝統野菜がもたらす可能性

今まで知られることのなかった伝統的な品種が多く復活してきたことによって、一般的に広まっている品種との違いが生まれ、食材の選択肢が広がりました。伝統野菜に出会い、驚きと発見を感じる。料理人にとって、これはとても嬉しいことで、料理の可能性を広げてくれているとお話ししてくださいました。

旬の野菜でレシピを考案

リストランテ・ヒロ チェントロさんでは、江戸東京野菜を使用したパスタを出品!食材の一つである「寺島ナス」は、卵ほどの大きさの可愛らしい形。皮は硬いですが、中身がギュッと詰まっていて、熱を加えるととろみと旨味が増して、とっても美味しいそうです!
今年で3回目の出店ですが、イベントの時期に合わせた旬の食材でレシピを考えるので、実は毎年食材が固定化してきてしまうそう。他の季節にも開催すれば、冬や春の野菜も取り入れられるので、新しい東京野菜をPRするためにも、必要なのではないかと教えてくださいました。


▽『リストランテ・ヒロ チェントロ丸ビル店』
https://tokyogrown.jp/restaurant/detail?id=683775

東京の野菜の価値を高めたい!

伝統的な東京の食材をこよなく愛するのは、神田小川町 気生根(きふね)の山本さん。お店の通常メニューにも、自ら農家さんを訪ねて仕入れた、こだわりの江戸東京野菜を使っています。そのこだわりと情熱が農家さんの心にも響き、今や多くの農家さんと家族ぐるみで付き合う仲に。
交流を通して、様々な苦労も見てきました。道路などの建設で立ち退きを迫られるなど、場所が限られる中で色々な野菜を作る大変さ。東京で農業をする魅力を上げていかないと、新しく参入する人が途絶えてしまう。そこで、まずは野菜自体の価値をあげることが大切だと感じたそうです。

江戸東京野菜の歴史も味わう

気生根さんでは、江戸東京野菜の歴史も交えて料理を楽しむことができます。野菜そのものの美味しさはもちろんですが、どういう経緯でその野菜の伝統が生まれ、今に引き継がれてきたのかを知ることによって、さらに味わい深く価値のあるものになると思います。
もっと多くに人に東京の野菜の存在を知ってもらい、実際に食べて共感してほしい。東京味わいフェスタで出会い、こういった思いに賛同してくれる人が増えたら嬉しいとお話ししてくださいました。

価値を高めるための商品開発

慶長元年1596年に創業した東京で一番古い酒屋さん「神田・豊島屋」。山本さんは豊島屋さんとタッグを組み、酒粕を使った粕漬けの開発も企画されています。そこで用いられる酒粕は2種類。一般的な白い酒粕と、それをさらに熟成・糖化させた味噌のような芳醇な香りの練り粕です。
粕漬けにした食材は発酵食品になり栄養価がアップ。さらに嬉しいのが調理の手間が省けること。粕漬けにした豆腐は茹でた野菜を和えるだけで白和えに、お肉はそのまま野菜と炒めるだけで味付け不要と、時短レシピになるとっても嬉しい商品です。
2019年12月以降、本格的に商品開発をスタート。発売が待ち遠しいです!

味わって欲しい東京の伝統

今回が初出店の気生根さん。出品する料理のすべてに東京産の野菜を使用しています。『江戸東京野菜たっぷりの麻婆豆腐丼』は豆の甘味と噛みごたえが際立つ神田・越後屋さんのお豆腐と、小松菜は流通量の少ない品種改良される前の伝統小松菜などを使用。『キャベツの肉まん』には、豊島屋さんの酒粕で粕漬けしたキャベツと檜原村の舞茸を。『内藤カボチャのプリン』もこだわりの練馬産!
東京産への愛と旨味がギュッと詰まった品々です。


▽『神田小川町 気生根(きふね)』
 https://tokyogrown.jp/restaurant/detail?id=683780

東京の野菜に対する意識の変化

来場してくれるお客様の野菜に対する意識が少しづつ変わってきたように感じると話してくれたのは、2014年から東京味わいフェスタに参加している、マンゴツリー東京の白石シェフ。来場者数が年々増え続けていることや、江戸東京野菜の伝統に対しての関心はもちろん、ベジタリアンの人や宗教上の食文化の違いへの理解や関心なども、東京の野菜をアピールしていく、一つのツールになっていくと考えています。

素材を感じられる調理法で

マンゴツリー東京では江戸東京野菜の『グリーンカレー』と『トムヤムヌードル』、『タピオカ入りカボチャミルクティー』を出品。トムヤムヌードルに使われている『内藤トウガラシ』は、生のままトッピング!ただ辛いだけではなく、上品な旨味と爽やかな風味が特徴なので、ぜひそのままを味わってほしいそう。その他の野菜も、なるべく素材そのままの味を食べてもらえるように、茹でる・揚げるなどシンプルに調理しているそうです。

▽『内藤トウガラシ』についてはこちら
https://tokyogrown.jp/product/detail?id=571274

イベントを通して伝えられる喜び

東京味わいフェスタには、野菜を提供してくださった農家さんも訪れてくれるそう。その農家さんに料理をお出しするときは、気が引き締まり少し緊張するそうです。東京の食材と人をつなげるだけでなく、料理人と農家さんをつなげてくれる、東京味わいフェスタ。こういった場をもっと増やしていくことで、made in Tokyoのブランドが誕生し、アピールできていくのではないかとお話ししてくださいました。


▽『マンゴツリー東京』
https://tokyogrown.jp/restaurant/detail?id=683778

発信していく力に

情熱とこだわりをもって野菜を育てる農家さんとそれを調理する料理人。それぞれの素晴らしい仕事があるからこそ成り立っている東京味わいフェスタ。その美味しさと伝統、気持ちを是非感じていただけたらと願います。そしてこの波が、より大きく、大勢の人に届くように、発信していくことの大切さを感じました。
『東京味わいフェスタ2019』どうぞご期待ください!


▽江戸東京野菜についてはこちらから
https://tokyogrown.jp/product/?type=agri#tokyoVegetable

東京味わいフェスタ 出店料理人/Taste of Tokyo chefs

RELATED ARTICLERELATED ARTICLE

トピックス

【第7回】女性が主体となれる農業経営の仕組みづくり( 株式会社となったネイバーズファームの狙いと可能性)

トピックス

【第6回】馬と羊を飼い、穀物を育てる理想の有機農家をめざす

トピックス

【第5回】「多摩の酪農発祥の地」で、はぐくまれた有機農家たち。

トピックス

【第4回】肥料でも農薬でもない新しい資材「バイオスティミュラント」とは?

トピックス

【第3回】東京の西側、2つの有機農業

トピックス

【第2回】 “コンポストアドバイザー鴨志田純”が目指すまちなか農業

トピックス

江戸から続く循環型農法! 落ち葉をはいて堆肥にする馬場農園

トピックス

【連載第6回】「カラフル野菜で、身も心もパワーチャージ!『こびと農園』」

トピックス

【連載第5回】「人との繋がりを育み地域を元気にする直売所」

トピックス

新春特別寄稿『農業者と住民の多様な接点を作る2023年に向けて』

ページトップへ