皆さんはじめまして、東京の八王子の農業法人(株)アンドファームユギの大神です。
私は、新規就農者として9年前から八王子市由木地区で農業を営んでいます。
東京での新規参入。まだチョット珍しいですよね。

『なぜ、八王子で農業?』と、皆さんによく聞かれます。

私の実家は、福岡県糸島で農業を営んでいます。私自身もまさか自分が農業を、しかも東京で営み暮らすことなど全く思ってもいませんでした。

縁もゆかりもなかった場所で農業を始めたきっかけは、「農業をもっとおもしろくしよう!」と情熱を持った人たちと出会った事で、「都市にこそ農業が必要だ」という先人の想いを引き継ぎ、この多摩ニュータウンのなかに奇跡的に残された由木地域で、持続可能な都市農業の形を生み出していきたいとの思いが、何か行動に移さずにはいられない程に胸を打つものだったからです。
そしてその刺激を胸に、なんと数ヶ月後に法人を設立することになります。

その当時は、東京で新規に農業をできる場所はごく僅かしかなく、農地を借りるのも本当に難しい事でした。
今も、土地を借りるのは簡単ではありませんが、平成27年の都市農業振興基本法をきっかけに生産緑地が借りられるようになったことで、以前よりも可能性が広がってきたように思います。

今振り返ると、その時その時の人との出会いから生まれる感情に身を任せ、行き当たりばったりだったなぁという部分もあるのですが、現在に至るまで人と人との出会いは無くてはならないものでしたし、農業については一農家の長男坊として真剣に取り組んできました。

農業を始めたばかりの私が選んだ農法は、既存の農家さんとの差別化を図り、農薬や化学肥料を使わずに野菜を作ることでした。ベテラン農家さんに品質で勝つことは難しく感じられたからです。収穫体験イベントなどで畑に人を呼び込むこともたくさんしました。
しかし人と違うことをすることは、本当に大変でした・・・。
うまく野菜が育たない、病気や虫が大発生するなどなど涙なしでは語れない苦労ばかりです。

私が新規就農する時のこと。農地を借りるために受けた農業委員会の審査で、私の作った営農計画書にかなりのチェックが入り計画書の修正を行う必要がありました。
その時に営農計画書の作成を手伝ってくださったのが、八王子管内の普及指導員の方でした。その際、農法に関しても、「とにかく種をまいて作って、試してみろ」というアドバイスをいただき、研修先の篤農家さんの見よう見まねでひたむきに種をまいて「作って試す」実践を繰り返し、現在の形に至っています。

ようやく、なんとか形になってきました。

東京で新規就農するにあたり、数々の苦労を人と人との出会いの中で乗り越えつつある私が、これから農地で取り組んでいくことや、現在手掛け始めた「CSA」や「農福連携」、「有機JAS認証取得挑戦」などなどを発信していきたいと思っております。

※ 東京では珍しい「新規参入」である大神さんが掲げる「持続的に経済性を担保できる仕組みづくり」=「稼げる農業づくり」と、「生産者と消費者がお互いに理解しあえる関係づくり」=「農業を通じた交流」。
大神さんの奮闘ぶりを、不定期で発信していただきます。
ご期待ください!

株式会社 アンドファームユギ

代表取締役 大神辰裕/OGAMI TATSUHIRO

株式会社アンドファームユギ

電話
042-689-4347
所在地
〒192‐0355 東京都八王子市堀之内900-1
WEBサイト
https://fio8.com/

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持続可能な都市農業への“挑戦”

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