酒蔵なのに敷地内に、ゲストハウスが・・・⁉︎
北井:それがあるんです!なんと!2021年7月に酒蔵の敷地内にゲストハウス「酒坊“SHUBOU”-多満自慢-(しゅぼう たまじまん)」がオープンしたんですよー!
あさやん:俺ら全国各地の酒蔵を訪問してるけど、見学や試飲はあっても、さすがに宿泊できる酒蔵は初めてやな!
北井:まずは、酒蔵から覗いてみようか。
あさやん:よっしゃ!酒蔵にコソッと忍び込んで、、
北井:なんでコソコソせなあかんねん。
あさやん:都心から1時間ほどで来れて、蔵の敷地内にレストランがあるから飲んで食べても出来て、日帰り旅行に最高のスポットなんよね!これで近くに宿泊施設でもあればそのままほろ酔いで泊まりたいのよなぁ。
でも呑兵衛にとってそこまで都合がええことは、、、
北井:それがあるんです!なんと!2021年7月に酒蔵の敷地内にゲストハウス「酒坊“SHUBOU”-多満自慢-(しゅぼう たまじまん)」がオープンしたんですよー!
あさやん:俺ら全国各地の酒蔵を訪問してるけど、見学や試飲はあっても、さすがに宿泊できる酒蔵は初めてやな!
北井:まずは、酒蔵から覗いてみようか。
あさやん:よっしゃ!酒蔵にコソッと忍び込んで、、
北井:なんでコソコソせなあかんねん。
杜氏・前迫さん:こんにちは!
あさやん:わ、わ、わ!酒蔵の人に見つかった!!
北井:堂々とせえよ!杜氏さんに石川酒造の酒造りについてお話聞かせてもらおうよ!
杜氏・前迫さん:どうぞどうぞ。
【※今回、案内していただいたのは、石川酒造の前迫晃一(まえさこ・こういち)さん。まだ30代の若き杜氏(製造部・部長)です。】
北井:「多満自慢」はゆったり飲める旨口のお酒というイメージがあるんですが、造り手さんはどういう思いでお酒を造られてるんでしょうか?
杜氏・前迫さん:そうですね、「月曜から木曜に飲まれるお酒」を目指しています。
あさやん:なるほどぉ。平日たくさん飲んで、金・土・日は休肝日にするわけですね。
杜氏・前迫さん:ちょっと違いますね(笑)。フルーティな大吟醸やスパークリング日本酒などのちょっと贅沢な日本酒は週末の楽しみとして飲んでいただくとして、ハンバーグや野菜炒めなどの普通の日の食卓に並ぶおかずに合うから「普段は多満自慢でいいよね」という風な味わいを目指しているということです。
なので「月曜から木曜のお酒」として飲んでもらえたら嬉しいですね。
あさやん:そういうことだと思っていました。
北井:全然違う解釈してたやん!全員にバレてるから。素敵なコンセプトですね!
あさやん:石川酒造さんを代表する定番酒の1つに「多満自慢 純米 無濾過」ってありますけど、旨味ふっくらで冷酒から燗酒までいける、まさに日常の晩酌酒って感じですもんね!
杜氏・前迫さん:そう言っていただけると嬉しいです。
杜氏・前迫さん:うちの日本酒には山田錦などの酒米だけじゃなくてコシヒカリなどの飯米(食べるお米)もたくさん使用しているのですが、近くのあきる野市、多摩市、羽村市の米農家さんにも生産をお願いしていて、羽村市の田んぼはうちの酒粕をほぼ液体状態にして田んぼの肥料に使っているんですよ。
北井:へー!そういう取り組みもいいですねー!この「八重菊」というお酒はあきる野市産のコシヒカリを使ってるんですね?
杜氏・前迫さん:そうなんです。東京都あきる野市産「コシヒカリ」を100%使用し、福生の水で仕込んだ、全てが東京産の日本酒です(数量限定)。
あきる野市産コシヒカリの旨みをしっかり引き出して仕上げました。お米の旨みと甘みをお楽しみください。
あさやん:完全にメイドイン東京ですね!
杜氏・前迫さん:はい。酒造りに使用した米の産地のあきる野市は東京都の西部に位置していて、海抜100mの秋留台地を中心に農業が盛んな地域なんですよ。
この地域は昔から清い水が湧き出ていて、江戸時代の元禄時代にはあきる野地域でお酒を醸造されていた記録もあります。
北井:元禄時代!歴史がすごいですね!
杜氏・前迫さん:江戸時代に「八重菊」を醸造していた森田醸造は現在では酒造りはしていませんが、石川酒造が酒造りを始めるにあたって、江戸時代末に森田醸造の蔵を借りて酒造りを始めたというとても大きな関わりがあるんですよ。
また当時から関わりがあり、現在でも縁戚関係にある両者、農家の方々の現在の田園風景を残したいという思い、あきる野市のお米で醸したお酒を造り飲んでみたいという願いを受け2019年より米造りを始め、2020年に酒を仕込み完成しました!
あさやん:江戸の米作り・酒造りの歴史がぎゅっと詰まった一本なんですね!
北井:江戸時代と現代では酒造りを取り巻く環境もかなり違うと思いますが、やっぱり酒造りの現場は大変ですか?
杜氏・前迫さん:日本酒造りは昔は製造期間中は休みがほとんど無いという厳しい職人の世界観がありましたが、それでは疲れもたまりますし継続して働けない人も出てきます。
今は製造期間もちゃんと休みを取れるようにしているのですが、そのおかげもあってか蔵人の動きもどんどん良くなってきて年々酒質も向上していると感じます。
あさやん:素晴らしい!お酒の発酵に関する環境づくりも仕事ですが、人が働き続けやすい環境作りも大切だ!と。酒粕を肥料にした米作りも継続した農業や酒造りに繋がりますね!
そうなんです!東京地酒「多満自慢」を通して「SDGs」の本質が見えてくるのです!S(酒)・D(伝統)・G(技術)・s(最高)!
北井:SDGsってそんな略なん!?
あさやん:そして地元東京の方が飲み続けることで酒蔵も長く長く持続していくのです!読者のみなさん、日本のために、東京のために東京地酒を飲んでまいりましょう!
あさやん:うわー!綺麗な館内!これはもう入っただけで癒されるな。
北井:ほんまやな。開放感もすごい。寝る部屋とキッチンだけ!みたいなゲストハウスとは全く別物やな。
【※ 今回、ゲストハウス「酒坊」を案内して頂いたのはスタッフの青葉翔(あおば・しょう)さん。青葉さんは、ご自身の経験を活かしお抹茶体験イベントを開催するなど、日本酒・茶道などの日本文化を世界中の方に伝えたい!という熱い気持ちを持った笑顔が爽やかな青年です。】
スタッフ・青葉さん:こんにちは!館内の雰囲気を気に入っていただけたようで嬉しいです!
北井:あ、今回案内してくれるスタッフの青葉さんですね!このゲストハウスの魅力やコンセプトを教えていただけますか?
スタッフ・青葉さん:魅力は何より酒蔵の中にある宿泊施設という点で、やはりお酒好きの方に喜んでいただけると思います。
あさやん:もうほんまにワクワクします!すぐ隣でお酒造ってて、お酒の売店もあるし!飲みきれへんぐらいお酒を買い込んでしまいそう。
スタッフ・青葉さん:そして西多摩エリアは自然豊かで観光スポットがたくさんあるのですが、都心からだと近さゆえどうしても「バーベキューだけして日帰り」みたいな方が多いので、「酒坊」に泊まっていただき、2ヶ所、3ヶ所と観光スポットを訪れるきっかけを作れればと思っています。
その願い通り、地酒を通して宿泊の方同士の会話も自然と生まれて、西多摩エリアの情報交換や持ち寄ったお酒の交換が行われています!
北井:やっぱりお酒の交換も(笑)。ここが西多摩エリアの観光・文化を楽しむ拠点になりますね!観光スポットを巡ったり福生市をぶらぶら散歩したりしてまた夜は「酒坊」で日本酒飲んで交流して寝る!と。
あさやん:最高!!20泊ぐらいしたいですね!
北井:おい、ちょっとは仕事しろよ!確かに何泊でもしたくなるゲストハウスやなぁ。
あさやん:いやぁ、それぞれのお部屋も清潔で最高!
北井:2泊、3泊したくなるお手頃価格!ここで食べる朝食も美味しいでしょうね。
あさやん:さぁ、そろそろお話はいいでしょう!レストランからええ匂いがして、お腹が空いて空いてしょうがないんですよ!まったく!ランチを食べさせて下さいよ!
北井:あからさまにイライラするなよ!確かにいい匂いがしてますね!
スタッフ・青葉さん:ではランチとまいりましょう!ランチタイムは宿泊者に限らずどなたでもご利用いただけます。
あさやん:美味かったー!!素材の良さがしっかり味わえて最高でした!レストラン田の実はランチだけでも来る価値あり!
北井:お腹いっぱいになったらわかりやすく機嫌が直ったな!本当に美味しかったです!
スタッフ・青葉さん:ありがとうございます!皆様のお越しをお待ちしております
北井:読者の皆様、酒蔵見学で東京で米造りが行われている事、東京にも田園風景が残っている事を知り、江戸時代にはどのように酒造りをしていたのだろうと思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
ゲストハウス「酒坊」にもお立ち寄りください!
『きき酒師の漫才師 にほんしゅ』
あさやん(左)
・きき酒師・国際きき酒師
北井一彰(右)
・きき酒師・国際きき酒師・日本酒学講師・焼酎きき酒師
【にほんしゅの公式サイト】
http://www.nihonshu-sakemanzai.com
コンビ揃って「きき酒師」の資格を取得した、世界で唯一の漫才師。
《食卓には呑む日本酒。話題には漫才師にほんしゅ。》を目標に、オンラインも含めて全国各地の日本酒イベントや蔵開きに出演している。
また、初心者向けの日本酒講座「日本酒ナビゲーター認定講座」を定期的に開催しており、2021年8月現在では800名以上の生徒を誕生させている。
きき酒師や日本酒ナビゲーターの資格認定団体、NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)から特別功労賞を与えられた。