いざ!東京港醸造のテイスティングカーできき酒! 様々な日本酒と日替わりおつまみを楽しむ

あさやん: さぁ、100年ぶりに大都会に蘇った酒蔵「東京港醸造」さんのお話後編です!

北井: 前編では、酒造業復活に至るまでの歴史や再興への思い、銘柄「江戸開城」の由来について、さらには杜氏の寺澤喜実さんに小規模醸造所ならではの工夫満載の酒造環境についてお話を聞かせて頂きました。いよいよ後半ではテイスティングカーで…

あさやん: 待ちに待ったきき酒やー!!テイスティングカーのお酒どころか、醸造所のタンクに入ってるお酒も飲み干します!

北井: どれだけ飲むつもりやねん!でも蔵の横できき酒ってテンション上がるよなぁ!

土曜午後のテイスティングカーの様子。次々と客が訪れ賑わう。

あさやん: 一杯(90ml)350円は嬉しい!

北井: この量とお値段なら一杯と言わず、色んな種類のお酒を楽しめそうでいいよな!

あさやん: 店員さんすみません!えっと、、メニューのお酒全部ください!

北井: 慌てすぎや!ちょっとずつ楽しもうよ。せっかく寺澤杜氏に色々とお酒の情報を聞いたんやから。

あさやん: それもそうやな。でも空きっ腹で飲みすぎたらあかんから、おつまみも頼んでおこう!

北井: いいねぇ!おつまみは日本酒に合うものを日替りで数種類用意してくれてるらしいで!


おつまみは200円〜400円程度。この日はおでんや牛スジ煮込みなどがラインナップされていた。

あさやん: うわぁ、これは酒飲みの心を鷲掴みにしてくるおつまみたちやな。しかも味も素晴らしい!

北井: 美味しいね!しかもおつまみは持ち込みも可能なんです。近隣の飲食店さんからのテイクアウトなんかも楽しそうやね。

あさやん: いいなぁ!七輪持ちこんでホルモン焼きとかもやりたいな!

北井: それはやりすぎや!節度を持って楽しんでくださいねー!

日替わりの日本酒リスト。気になる新商品を味わえたりと飽きることなく楽しめる。

仕込み水もお米も酵母菌までも!全てが東京産の日本酒「純米吟醸原酒 江戸開城 ALL TOKYO 」

あさやん: おつまみも最高やけどお酒の魅力も伝えていかんとな!

北井:そうやな!東京港醸造さんのメイン銘柄と言えば「江戸開城」。スッキリとした飲み口かつまろやかな味わいで、使用する酒米やスペック等が異なる様々な江戸開城が展開されています。メイン銘柄のバリエーションを楽しめるのがいいですね!注目の1本は、「純米吟醸原酒 江戸開城 All Tokyo」!原料や製造に関わる全ての要素を東京にこだわり醸した、完全東京産のすごい日本酒!今日はタイミングよく日替わりの日本酒リストに…

あさやん: 気になるなぁ!いただきます!

北井:おい、まだ説明してんねん!

待ちきれずテイスティングを始めたあさやん。水・米・酵母の全てが東京産の「純米吟醸原酒 江戸開城 All Tokyo」の味わいやいかに?

あさやん: ふむふむ。おー!爽やかな香り!!青々しいフレッシュさが駆け抜けていくドライな味わいもいい!筍の刺身や酢味噌で食べる刺身こんにゃくなんか最高に合うと思いますね。

北井: コメントは素晴らしいな!さっき説明しきれへんかったポイントは、このお酒は搾られてすぐのタイミングやからこれだけ爽やかなんやって。もう少し寝かせると味わいがまろやかになって甘味も出てくるらしいわ。

あさやん: なるほど!味が変化していくわけね。味わいに一期一会の楽しみがあるのも日本酒の良さやね!

北井: そうやな!この「All Tokyo」は、新たな東京地酒の形を求めて、産学連携で取り組んで造られたそうで、なんとアルコール発酵の主役である酵母菌探しから始まり、日比谷公園の花壇に訪花したコマルハナバチから分離した酵母菌で発酵させたんやって!

あさやん: 日比谷公園のハチから!?ほなハチミツが少し入ってるってこと?

北井: 入ってないよ!あくまで微生物の酵母菌の話ね!使うお米は多摩地区産の「キヌヒカリ」、仕込み水は高度浄水処理に定評のある東京の水道水なんです!

無洗米仕込みの日本酒!?サステナブルな酒造りへの取り組み

無洗米で仕込まれた「SUSTAINABLE SAKE PROJECT 地球に優しいお酒」(写真提供:東京港醸造)

北井: お次の注目のお酒はこちら!「SUSTAINABLE SAKE PROJECT 地球に優しいお酒」!これは無洗米で仕込まれた日本酒です。

あさやん: へー!珍しい!無洗米の日本酒って飲んだことないな。

北井: 酒造りに重要な工程である洗米作業を廃止することが出来ます。それによって洗米で使用する大量の水や、排出するとぎ汁を10分の1に減らすことが出来るんやって!

あさやん: 10分の1はすごいなぁ。

北井: 各地の地酒蔵さんは排水処理の技術を取り入れてるから普通問題は無いそうなんやけど、今後増えていくであろう新規の日本酒やどぶろくの小規模な醸造所での選択肢になればっていう考えもあって、寺澤杜氏が「まず自分でやってみよう!」とスタートさせたんやって。しかも兵庫県産山田錦特A地区の特等米っていう最高峰の酒米の無洗米らしいよ!

スイスイと飲み進めてしまう味わい!

あさやん: へー! 未来の醸造方法に選択肢がまたひとつ増えますように!と私からも祈念しまして、お酒をいただきます。

北井: 飲むまでの流れを作るの、うまいなぁ!

あさやん: さて、地球に優しいお酒の味わいは、、、ふむふむ。
おー!美味しい!マスカットやベリー系を感じさせる、爽やかながらも密度の濃い素晴らしい香り。味わいには丸みがあり、ふくよかな旨味を感じます。そして後半にまたフルーティな香りがふわっと上がってくるのもたまりません!

北井:いいね!取り組みも気になるけど、まずは「このお酒、美味しいやん!」っていうのが大事やもんね。

あさやん:無洗米ということでもっと米っぽさが強くて濃い味わいかと勝手にイメージしていた自分を殴ってやりたいです。

北井:そんなことせんでいいよ!誰も責めへんから。

あさやん:いやぁ、テイスティングカーの満足感とお得感、すごかったなぁ!

北井:ほんまにな!酒造り復活までの歴史や背景を聞いてから飲むと、より一層美味しかったです。
こうしている間にもお客様が次々と!
落語「芝浜」の主人公もふらっと現れそうなぐらい素晴らしい酒場の雰囲気です。東京のど真ん中に東京地酒が確かにありました!

二人:今夜は「江戸開城」でかんぱーい!

酒飲みにはたまらない景色。東京港醸造さんのテイスティングカーにぜひ一度お立ち寄りください。

きき酒師の漫才師 『にほんしゅ』

あさやん & 北井一彰/ASAYAN & KITAI KAZUAKI

コンビ揃って「きき酒師」の資格を取得した、世界で唯一の漫才師。
《食卓には呑む日本酒。話題には漫才師にほんしゅ。》を目標に、オンラインも含めて全国各地の日本酒イベントや蔵開きに出演している。
また、初心者向けの日本酒講座「日本酒ナビゲーター認定講座」を定期的に開催しており、2021年8月現在では800名以上の生徒を誕生させている。
きき酒師や日本酒ナビゲーターの資格認定団体、NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)から特別功労賞を与えられた。

東京港醸造

所在地
〒108-0014 東京都港区芝四丁目6番10号
WEBサイト
http://tokyoportbrewery.wkmty.com/

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東京 醸造探訪記

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